2009.8.19【都市】南港(コスモスクウェア〜ATC)(前編)
お盆が終わりました。元々盆休みは無いので別に何も感じませんが、
しかし夏の折り返しで、終わりに向かっているのだというのが死ぬ。
そういえばニュートラム最果ての駅「コスモスクウェア」って何があったっけ?
死にそうだったので南港に行きました。
男子は一人になると南下します。なぜでしょう。しにたがりの弾丸。
ニュートラム先頭車輌にて。
中ふ頭駅あたり。赤いビルがATC。タイヤで走っている分、モノレールよりは未来感は薄いですが、景色は同等に抜群です。路面に業務用っぽい様々なパーツが見えて面白い。
割と狭い区画をぐると回っているだけなので、どの駅で下りてもちょっと歩けばATC、WTCといった中心構造物に辿り着きます。
あとはポートタウン西駅、東駅など、完全にマンション群です。ニュータウンですね。
梅田から1時間弱です。一気に終点まで行きました。
ノ・_・)ノ コスモスクウェア駅 到着。
・・・何も無い。
「コスモスクウェア」というのは単体の駅名でありながら、
ATC、WTC、フェリー乗り場、インテックス大阪、その背後の企業ビル群を含む一帯を指すようです。
○公式MAP
http://www.cosmosquare-djc.jp/main.cgi?c=1/1:0
駅を出ると、大阪入国管理局があります。
以上。
うう。
<b>何も無い。
</b>
とにかく看板に誘われて「なにわの海の時空館」へ行ってみることにする。
B級スポットとして各種サイトでよく出てくるし。
ジョギングする人、昼寝する人、子連れ母親、海釣り客、サイクリング者などがまばらです。
当然です。真夏の午後14時、15時です。暑いです。しにます。
視界の端で黒いものがボチャッと跳ねました。ボラのようです。急にやられると心臓に悪いです。
雲が薄く空を覆い、海の色はなんと茶色でした。そして首元に抱きつくように重くまとわりつく暑さ。全く爽やかでもなく、人生の零落を予感させるような、停滞の暗示を込めた光景と肌触りで空気がのしかかります。写真ではブルーが強調され、力強い夏の海の声が聴こえるようですが、だらだらとした潮溜まりの冴えない色です。photoshop将軍が攻めすぎました。
海沿いのコンクリート歩道を一直線に行った先には、ガラスの球体ドームが見えます。
異様です。きがくるっています。
これが「時空館」です。
何があるわけでもないですが、行かずに帰ったらしぬと思います。
「なにわの海の時空館」。
( ゚〜゚ )” なにこれ。
近づくとかなりの大きさです。内部は4階構造で、一つの大きな展示棟として機能しています。
このドームの製造、海上搬送(完成させてから現地に運んだため)に用いられた技術は非常に高度なもので、申し訳程度にパネルで説明されていましたが、お役所仕事というのは部外者には全く分からないところで地味にとんでもない馬鹿力を出している仕事なのだなあと痛感しました。地味に凄いと思います。理系の知識無いので何がどう凄いかは皆さん調べてください。
世界に誇るべき仕事なのに
アピールが下手すぎて誰にも理解されない。
むずがゆい。
平時は入館料600円ですが無料で入れました。
入ったところで、江戸時代の菱垣廻船の実寸忠実復元船があるのと、ヨット等の説明があるのと、かつての「大坂」の水、海にまつわる歴史の説明がお役所的にだらだらと続くだけです。
こんなに人を抑制する展示というのは役所にしか出来ない芸当だと思います。何の興奮ももたらさない。いや、好きな人は好きなのかもしれませんが、少なくとも私はしんどかったです。
エントランスの建物は某・安藤忠雄の二番煎じのようなコンクリート撃ちっぱなしの外観で、中に入り、わざわざ中央が正方形の穴の開いた古銭の形をした入場券をもらい、それを自動改札に通して入場。そこからエレベーターでまずB2Fに下りて、十秒ぐらい海中トンネルを通って幻想的な気分になったところで階段かエスカレーターを使い、ようやく時空館本体であるガラス球体の中に到達です。
4階まで一気にエレベーターで上昇して、人畜無害な展示を観ながら脱力します。係員が与えられた仕事を生真面目にこなそうとするので、ダラダラ適当に見たいのに「順路はこちらです!」「まずこちらへ」うるさいなもう。ほっといてくれ。
なぜ急にこんなムーディな空間が・・・。これが時空館の建物から、海上のガラス球体へ続く回廊です。中途半端な長さです。
この海底トンネルは惜しい。もっと工夫すれば面白かったと思います。
海中を下から見上げて海を泳ぐ魚が色々見られる仕組みになっているのですが、いかんせん窓が小さすぎる。その上、定期清掃しているものの、魚のシルエットが何とか分かる程度にしか見えない。海水の透明度の問題もありますが、ひどい汚れ方です。
それでもやはり使われている技術は確かでスケールは桁違いです。この天井、ガラス壁面がとにかくでかい。なめらかな曲面の作り方は評価すべき。展示物はそっちのけでガラスだけ見ていました。
ガラスは4208枚を使用。英国構造技術者協会より、2002年の特別賞(Structural Special Award)を受賞しました。歴代の代表的な受賞建築物としてはオペラハウス(シドニー)、ポンピドゥー・センター(パリ)がある。・・・とのこと。
ガラス館内に入ると天を塞ぐ巨大なものが現われます。忠実再現された江戸時代の菱垣廻船。
全長30m、帆の高さ27.5m。
これはとても大きいです。復元に掛かった費用は巨額です。ここでも使われている技術は高度です。木を切り出して、組み立ててゆく様子が映像で閲覧できます。
しかし陸に上がった船を眺めても興奮は薄いです。
私にはガラスと曲線の構造が気に入りました。
館内のパネルにはたびたび船の種類、船の構造や航路、南港で見られる船についての説明がありました。マシン、システムに特化した面での船というのはとても好きです。しかし歴史が中途半端に絡んでくるとテンションが上がりませんです。歴史に明るくない者が見ても、興奮したりうへえと思えるように導くのが解説プレゼンの本分かなと。
無料のせいか、客はけっこう入っていました。
家族連れがほとんどです。
初めてのデートでここに来たら愉快ですね。いつかやりたいです。
救命ボートに積載されているグッズ。マニアックな展示は大歓迎です。
これは緊急用飲料水。ネーミングセンス素敵。アルプスユミヤン。
紙コップもありました。「公平に水を分配するため」目盛りがついていました。極限の状態では人間はどこで争いを起こすか分からない。食料としての魚を確保したり「救助が来るまでの気晴らし」のための釣り道具も入っていました。これはなるほどと思いました。いい展示です。
1時間ちょっとで「なにわの海の時空館」を退出。
再び炎天下へ。
が、コスモスクウェア、行くところがありません。
とりあえずATCっぽい建物が見えてるんですが、
あえて逆に、果ての方へ向かってみました。コンテナと、尽きそうな車道が続いていました。
南港の果てへ。
手前の看板に「ウイング南港」「港湾労働者休憩所」と書いてあり、一般人に縁のないコンテナエリアへ続いているようです。
右手はしばらく鬱蒼とした街路樹の歩道で、途中から「南港野鳥園」の敷地になります。
暑苦しい上に、うわんうわん飛ぶ類の色んな虫がいそうで、
考えるだけで暑いので、あえて日差しのない左側を歩きました。
コンテナが美しいです。幾何学的で素敵です。
しにそうですが素敵です。暑いです。
コンテナ。
貨物とかタンカーとか、業務用で特化したストイックな存在が好きです。
男子の生理に響く。
ヒュンダイ詰み。
連続するパターンは美しい。
そうやって遊んでましたが、案外早く歩道の果てがきました。
暑すぎて、魚も死んでました。
車道を渡って、逆側の森の中に突っ込んでみました。
南港野鳥園。これは中央の「展望台」。
幼少期から「南港野鳥園=世界の多様な鳥を集めたサファリパーク的な施設」とイメージしていました。そうではなく、古くからの湿地帯などをそのままに保全し、野鳥が自然に生活するようすを人が望遠鏡、モニターなどで観察するという場所だったのでした。
剥製に良く似た、精巧な鳥の彫刻などが展示されています。
この近辺で見られる甲殻類、魚類、昆虫の標本も。
やることがなさすぎて5分ぐらいで退出。
そんなに鳥に興味ないですw 無念
森の中を歩くと「北観察所」という、もっと湿地帯に近い所から観察もできます。が虫も洒落にならんので退散。
コンテナ群を見ながらフラフラに歩きましたです。