開業当初から「軍艦ホテル」と呼ばれたように、どこか大型船っぽいデザインが窓などに見られます。
下から見上げた丸窓。思いきったデザイン。
これぞマヤカンという感じですね。
地階にも丸窓。既にガラスはほとんど残っていません。
随所にこの形の窓がありました。印象に残るため、思わず撮ってしまいます。
小唄さんもガチで撮影してはりました。
正面「立入禁止」から少し回り込んで、
恐らくグリル・厨房の外側。何の色気もなくなっていて、パッと見は何かよく分かりませんが、
未だサビだらけで残る配管がやたら渋い。しまりのよい光景を生んでいました。
足元には、いつのものか判らない「BOSS」缶が。
えらくシンプルなデザインです。
「BOSS」の発売が1992年とされています。マヤカンが「摩耶学生センター」として最後の活躍をしている頃です。翌93年から無人化します。
こういう何気ない遺物と出くわしながら、ちまちまと往年の姿を偲ぶのが好きです。
発見としては小さなものに過ぎませんが、何か少しでも「らしさ」に出会うと、貴重な宝に出会ったような心境になります。
事実、いつ何時この物件が撤去されるのか分かりませんし、地震や台風でどんどん荒廃が進むことが考えられます。
一期一会、という言葉がぴったりです。
窓から中の様子を覗き見ることができました。
ズームが効いているせいもありますが、非常にすっきりとした空間が見えました。
想像以上に足元が良さそうです。こんな綺麗な「廃墟」とは・・・。
足元には、散ったガラスの破片。
無数にありました。しかし、普通の靴を履いていれば心配なさそうです。
完全な透明ではなく、周囲の影がよく反射しています。
奥行き。
それでは内部の状況です。
年代物の照明器具。キノコのように折り重なっています。
これが一番、雰囲気のある遺物でした。
調べた結果、「立入禁止」の封印と、そこから続くこれら廊下、フロアは実際には「3階」だということです。
食堂や2Fの風呂へ続く広い廊下になっています。
とはいえ、建物全体が客室十数室、定員150名ほどのホテルなので、かなりコンパクトです。
明かりの少ないところで。
照明器具以外の設備はほぼ撤去されており、非常に物静かな空間です。
がらんとしています。
ホテルの廃墟と言うからには、もっと雑然とした、寝具や色んなものがごった返している姿を想像していました。
様々なサイトで写真がレビューされているマヤカンですが、撮影の年代によって老朽化の様子が大きく違うように感じます。
2000年代初頭のものは今と比べると、やはり新しい。
残存している設備が今より多かったり。扉、窓、据え付けの椅子など。
比較してみると面白い半面、今より更に美しい表情もあったのかと思うと、嫉妬(+_+)
一般のサイトでの紹介、廃墟ブームの影響もあってか、人の立ち入りが多くなったとみえます。
このまま老朽化が加速するのは目に見えているので、今よりもっと無骨な姿になるのでしょう。
さっき、山道からやってきた方向。内部から見て。
この扉の外が、来るときに見た、木々の枝に囲まれた石階段だと思います。
扉から植物が生えている。
滅びたり生成したりが絡み合っています。
扉。
ガラス窓はことごとく割れています。
どうやったらこんな形に割れるのかと思いますが。
床を。
建材の細かい粒が積もっています。しっかりしていて、足元が抜ける心配はなさそう。
もっと営業時のものが落ちているかと期待していたが、全然ありませんでした。
後から訪れた人が捨てたであろうゴミの類は散見されましたが。ゴミは持ち帰りましょう。
小部屋に入ります。「入る」と言っても別に扉もないです。
窓が非常に綺麗でした。
何の用途の部屋かは分かりません。客室でしょうか。
他サイトでは客室と説明されている部屋が、だいたいこのような形をしています。
時間帯によって日の射し方が変わると思うので、色んなシーンを見てみたいですね。
というより、時代を物語るものがどんどん撤去されている気がします。
いす。
来るときに回り込んで壁などを撮影してきた山道側の内部。
ここが一番荒れていました。
解体? 崩落? のときのゴミですかね。
足元は具体的な、撮りたいと思うようなものは何もなく、こうした瓦礫ばかり。
奥には錆びた鉄の何か。なかなか撮影にもあたまを使わされます。
3階・廊下の端から、先程の取れかけた扉を振り返って。
この直線が素晴らしい。
斜めに降りてきている板?棒のようなものは何だったか忘れました・・・。
惜しむらくは、至る所に描かれた落書き? です。
描いた当人には「落書き」の意識はないでしょうが、画面の奥の壁ですね、
別にここ(マヤカン)に描かなくても、街の中にいっぱいあるやんと思う。最近増えてきたようです。
マヤカンで撮った中で、最も好きな構図の一つです。
ただの廊下のはずなのに、光といいラインといい、素晴らしい。
つづく。。