【廃墟】摩耶観光ホテル(マヤカン)(3)3階
マヤカン内部。廊下〜窓、客室の次は、中ホールです。
マヤカンの売りとしては、まず窓からの景観の良さ、そしてホール。
四季を通じて様々なイベントと料理を目玉に集客を行っていたようです。
某サイトの資料によれば、広告のキャッチフレーズの一例として
「三宮から20分、スモツグと喧騒から遮断されたユートピヤ―
ことしの忘年会は俗塵を離れ天界から世界四大夜景の随一を楽しみながら低酌される
ことをおすすめします。」
('o' ) 1960年代の日本語は荘厳だ。
「楠公鍋」「まや鍋」といった謎メニューや、ダンスパーティの企画あり、月見やクリスマスパーティあり、
当時にタイムスリップして実際に体験してみたいものばかりです。
この館でどんな饗宴が催されていたのでしょうか。
では、3階・中規模のロビーを。
前号でうろうろしていた廊下から、中ホールへ立ち入ります。
陽がだんだん明るくなってきたので明暗差がはっきりしてきた。
この、探検の感じがなんとも言えません。次のフロアには、何がある。
広く、静かな空間です。今や、静かに朽ちてゆくのみです。
柱や梁のラインが美しい。
手前にバーカウンターとトイレがありました。
カウンター越しに。
装飾の全てが剥がれた後では、非常にシンプルで、「ホテル」の趣を感じることがあまりできないですが、
どことなく上品なかたちをしているように思いました。
カウンター内を見ると、ペプシコーラのマークの載った機材が。
酒や飲料水の古いロゴ、マークを見ると、そこがかつては盛り場だったことをふと感じさせられます。
逆に今度は、中ホールの中から撮影位置を振り返って撮ってみましょう。
青い扉の奥で崩れかけている板が、前号で紹介した、とれかけの扉です。
前号ではその廊下を行ったり来たりしていたわけです。
丸くて可愛らしいカウンターの内部には、今は何も残っていませんでした。
当時のチラシや券やら、職員が「ゴミ」としてうち捨てたものが残っていれば最高なのですが。さすがに年月が経ち過ぎました。
陽の射し方、これで最良なのでは。時間帯に恵まれました。
中ホールで特筆すべきはやはり電灯。
天井の廃れ具合と、まだ光沢のツヤが残る電灯の対比に惚れました。
中ホールの床。
ここも全て安全でした。足が抜けるということなく探索可。
畳? 畳状のござ的なもの? が張ってある部屋。
和室で廃墟というと、なんとなく怖いイメージがあったんですね。人の脂が染み付いているような。
しかしそこにあったのはやはり、涼ろかな虚無だけでした。
電灯の笠と思わしき円盤。
この部屋は他には何もありませんでした。
どこか忘れました。同じく3階。窓。
植物の繁茂は地味ながらも着実でした。これは四季で植物の表情も変わって面白いだろうなあと。
秋、冬は鄙びていて良いですね。くったり。
廊下突き当たりの部屋。
この椅子の間は、他サイトでも定番です。
垂れさがるカーテンと、今も光を湛えた長方形の窓。
散乱しているガラスの破片は風化し、白っぽく、美しかったです。
定番。
マヤカンの代表的な被写体です。
机と椅子の中間みたいな遺物。背後の窓からの緑と光が半端じゃなく綺麗でした。
謎のインセクト。
他の廃墟探訪者の方々と、ほぼ同じ写真になるのかなと思いきや、みんなそれぞれ取り上げるポイントが異なり、全く別の写真になるんですね。それが面白かったです。
同じものを見て、同じようなことを感じていながら、それを表すときには、また違う表し方になる。
願わくばもっとチャレンジを重ねたいところです。
次回は下の階の風呂場と、いよいよメインホールのある4階へ。