nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

2011.8.6_大阪科学技術館

2011.8.6_大阪科学技術館

大阪科学技術館」をご存知ですか。
私はつい最近知りました。たまたま通りがかった時に「?」「展示があるのか?」と気付いただけです。


(参考:後ろに飛んで身投げする「テクノくん」)

 
大阪に30年住んでいながら、友人、知人の間で話が出たためしもありません。
意外な落とし穴だったようです。
これは珍奇な予感がします。



同じ「科学館」を謳っていますが、「大阪市立科学館」とは全く異なる施設です。
そして遥かに地味。


「市立科学館」は、一目でそれと分かる施設です。
周囲と色の違う、階段状の広い敷地にどかんと立っている上に、
金属の線が虫の羽のように伸びる、例の特異な形状を誇る「国立国際美術館」と向かい合わせで建っています。


対して、こちらの「科学技術館」は、
見るからに普通のオフィスビルです。周囲がオフィス街なので、同じような建物が連続する中に完全に埋もれています。
というのも、「大阪科学技術館」というのは、「財団法人OSTEC 大阪科学技術センター」の運営するビルの一部分(1〜2階)を使用した展示・体験スペースに過ぎず、後はオフィスだったり貸し会議室になっているためです。


最大の特徴としては、「大阪科学技術館」の展示は無料であることが挙げられます。
財団法人が各産業界の大物:パナソニック武田薬品大阪ガス、住友系列、等の評議員から成り、
理事の親玉は関西電力です。
バリバリの民間による体験型展示ブースということで、つまり展示は各社の先端技術を科学に絡めて紹介するかたちになります。
「市立科学館」が、電力や重力、宇宙の仕組みなど「自然」について純粋に科学でアプローチしているが、対して「科学技術館」は産業界の各社のテクノロジーからアプローチしている。その違いが面白いです。


しかし上記のように、オフィス的な要素が強く、地味なため、一般客がホイホイ入っていいのかよく分からない雰囲気を醸し出しています。浮かれ要素が少ないのです。

加えて、地下鉄四つ橋線肥後橋駅から歩いたのですが、案内がぜんぜん無い。
アピールする気がないのでしょうか。
駅構内には「大阪市立科学館」の道案内の張り紙、看板ばかりが目立ちます。おかげであやうくそっちに行きそうになりました。

 

こうした特徴をまとめてみますと、

(1)地理的に市立科学館と競合している。実は展示の切り口は違う。
(2)無料で遊べる。
(3)しかし存在が地味で気付きにくい。


というわけで、実際に行ってみました。


場所は大阪の梅田より南下、本町よりも北。
オフィスが立ち並ぶ一帯です。
おや、


NTTと似て非なる、ベアリング大手3社の一角。
ここで面接で落ちたんよなー。就活の時の、甘酸っぱい思い出がよみがえる。
面接に遅刻したのを「犬にえさをやらないといけなくて遅れました」とわけのわからん言い訳したのを覚えてます。ほんますんません。あれはうそです。


このへんにあります。
あった。


無駄に凝った作りの看板。
力の入れどころがなんとなく狂ってるあたりに期待が持てます。



一応こういう感じで、展示があることは分かるようにはなっている。
ただ、本町〜肥後橋あたりを歩いていて、ふと気付くかどうかが肝なので、
あえて休日の予定をここに指定する家庭がどれだけいるのか。いたらコアな家庭だ。


お出迎えが、こいつ。


「テクノくん」


(´-`) 白い大福もちがキテレツ君の帽子をかぶってる的な風体です。
ちなみにテクノ音楽とは無縁の子でした。鳴らん。


館内ではこの白もち野郎(テクノ君)があちこちに色んなポーズで描かれており、親交が深まります。



警察官みたいですね。


数えた限り、1階に8つ、2階に24、
計32のブースがあります。
出展企業は31社。なかなか賑わしいです。


各ブース全部は撮っていません。
数が多いので途中でさぼりました。あと、
紹介されている分野の科学技術に踏み込むと、一人でwikiを作らないといけないぐらい
大変な作業になってしまうので、さらーーっとレビューだけ。

 


<1階>

光ファイバー/株式会社ケイ・オプティコム


画面に自分が映り、電話のようなキャラクターが飛び交っています。こいつらが当たってきます。
敵として倒すことはできないようです。
子供がなんとなく引き付けられて何となく遊んでました。
何を楽しんだらいいか良く分からなかったので深追いはしてません。



画面内で飛んでた子。



光ファイバー
コア、クラッド、被覆の3層から成ることだけ理解すればおkです。



家庭の電動システムがリモコンひとつで操作できるようになるよ的な演出。
金の掛け方がすごい。電動でカーテンが開閉したりします。



【見えないものを、見えないもので、見る/非破壊検査(株)】


非破壊検査のブース。
「ポニー工業」はエックス線装置の開発や非破壊検査の装置販売を行っています。
空港の手荷物検査みたいなもんですか。

 


【関西原子力懇談会・関西電力


( ー_ー)今回の展示で最大の味わいどころ。
「旧世界のすがた」について。


このご時世、今となっては原子力原発放射能は容易に批判も擁護もできないものとなっており、現世界における一つの重要な課題となっています、しかし科学技術館が建てられたのは言うまでもなく福島原発事故より前の話です。

そして科学技術館には関西電力(株)、(独行)日本原子力機構、日本原子力発電(株)と、
3つも原子力関連団体がそれぞれにブースを構えています。
つまり、311以前の世界;私は原発的には「旧世界」と勝手に呼んでますが、その旧世界における日常、大肯定、安全神話(企業PR)のムードを体感することができます。



あれだけの事故があった後ですら、これら細かな安全神話補強資料に触れていると、
何だか「日本の原子力発電は安全だなあ」「もっと拡充しても良いのではないか」という
気分になってくるから、恐ろしいものです。



青森の六ヶ所村再処理施設プルサーマル施設どうなるんでしょうね。
相次ぐトラブルで現在も「アクティブな試運転」という位置付けである上に、
完全な運転までの試験期間延長が18回に及んでいるという、非常に不安な動向。


2009年の段階でこんな記事もありますし。

 海洋汚染に詳しい水口憲哉東京海洋大学名誉教授は「放射性物質は拡散するだけで、消えるわけではない。海底土や海藻、魚に蓄積して濃縮する。影響が見えるのは二十年、三十年先だ。このままでは今世紀最大の海洋汚染が起きかねない」と指摘する。

 水口名誉教授が、経産省の発表資料をもとに再処理工場と原発一基から一年間に排出されている放射性物質量を比較したところ、再処理工場が原発の三百倍以上だったという。「再処理工場ではプルトニウムを取り出す過程で燃料棒を細かく切り刻むため、放射性物質の放出量は原発よりけた違いに多い」

 

北海道新聞 現代かわら板 
 ★Link  http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/kawaraban/58294.html

 

この記事のもっと前から、再処理施設については疑問を呈する記事がちらほら出てきます。
安全神話と対立する不安要素も盛り込んだ展示にしてくれてたらカオスで面白いのに…。


震災後の状況としてはこんな記事も。

 日本原燃青森県六ケ所村)の川井吉彦社長は31日、青森市での定例会見で、福島第1原発の事故で先行き不透明となっているプルサーマル計画について「多少の遅れはあっても、日本のエネルギーの将来を考えた場合にどうしても必要だ」とあらためて強調した。

 東京電力勝俣恒久会長が30日の会見で、核燃料サイクル政策が遅れるとの見通しを示したことに関連して述べた。川井社長は、事故について「日本の英知を結集すれば、より安全な原子炉が造れる。わが国のエネルギー確保には原子力も必要だ」と述べた。

 一方、建設中の使用済み核燃料再処理工場で4月の再開を予定していたガラス固化試験は、東北電力が検討する計画停電の影響で延期する見通しを明らかにした。川井社長は「ガラス固化試験は大量の電気を使うため、このような状況では難しい」と説明。2012年10月予定の工場完成時期については変更しないとしている。

 (msn 産経ニュース
 ★Link http://sankei.jp.msn.com/life/news/110331/trd11033113250011-n1.htm  )


まだまだ脱原発vs原発維持の戦いは続きそうですね。
原発関連のシステム、機器がパーフェクトに安全でも、それを運用する人間の側が
いまいちではどうしようもないですから、やはり将来にわたって、原子力放射能)というものが
生態系や生物そのものと根本的には相容れないのではないか、という根深い断絶をもっと自覚したうえで
取り組まないとダメでしょうね。



放射性物質を外部に出さないよう厳重に封じ込めています」
ただし平和な時だけだがな!



原子炉内部の模型。
各部名称ごとにスイッチがあり、押すと光る。


原発事故の直後、原子炉とか建屋についてどこがどう損傷してるかを詳細に語り合うのが一つのビジネスコミュニケーションスキルみたいになっていた時期があったが、野球とプロレスと芸能界の話題と似たようなものか? 深入りすると面倒くさいし…。



「エネルギーについて一緒に考えよう!」というコーナーだが、それっぽいのはこの自転車ぐらいで、あとは基本的に上記のような原発、原子炉に関するPRで、要旨は「厳重なので大丈夫」だった。ほんとに??

カタストロフィに晒されるまではそれでも良かったわけですが、それでは良くないことになってしまい、世間の論調も随分騒がしくなっております。


このへんの展示とキャプションはあえて手を加えず、原発神話そのもののムードを保存しておいてほしいものです。これが私たちの生きてきた世界だったのだと。

 

<2F>

【(株)大林組

「建築物、高さへの挑戦」というテーマですが、のっけから積まされます。



おうっ。クレーンゲームぞ!

こいつの難易度はなかなかだった。
ボタンに対するレスポンスが異常に悪く、押しても叩いても、昔のデジカメみたいに反応するのが何秒か遅れるのだ。
子供たちに叩かれすぎて末期的におかしくなってしまったのか。


そういえば、館内で客は3〜40人いるかどうかのガラガラ具合ながら、子供の絶叫や「ガチガチガチ!!」「ンバンバンバンバン!!」といった激烈な音が響き渡ってくる。体験型展示の最大の顧客でありながら同時に最大の破壊者でもある。凄まじい。



特集の核は、なんとピラミッド建設。
今までは、丸太を噛ませてその上を引き転がして石を運搬していたと言われていた。しかし、研究の結果、「クレードル」(ゆりかご)方式によって巨石を効率よく運搬していたのではないかという説が考察され、大林組の協力の下で実験も行われたという。



この約60倍がクフ王の墓です。みんな想像しておくように。


うわさのクレードル

半円形の木組みで、弧を下に置くと揺り籠のようにゆらゆら前後に揺れる。
これを研究者らは「1個で完結して使用するのではなく、4個で1組にし、四角形の外周にはめ込んで円形に変換する道具」と見なした。恐るべき発想の転換である。これにより、巨大な石を「転がして運ぶ」ことが出来るようになり、非常に効率よく運搬できるようになったという。


わーすごいためになったー
( /・o ・)かしこさアップ。



【アトミックパワー・イン・ふくい/日本原子力発電(株)】

いわずもがな。



出ました原子力。全力の推進・肯定。
日本中の原発付近に設置された原子力PR関連施設の、あのノリです。


(あのノリ)
従来の発電:火力=化石燃料の不足、水力=ダム建設の限界、他の自然力発電=不十分・制限大
 →便利であり、活用すべきだが、問題も多く、それだけで電力の全てを賄うことが困難。


 ⇔原子力発電効率最大。コスト最少。莫大なエネルギーで未来安泰。制御・保安システムも完璧!
 →電力供給を「安全に」実施でき、豊かな生活を効率よくキープ可能。



残念なことに、福島県の皆様を犠牲とするかたちで強力なパラダイムシフトが発生したため、これらの常識・定説は今や「旧世界」の旧神話となってしまいました。明日明後日とか、来年とかに、再びあちら側へ戻ることは出来ないでしょう。国・電力会社としては、設備や法制度に手を加えるより先に、何食わぬ顔でさっさとあちら側へ戻りたいのが本音かも知れませんが。



なので、私としては、こうした展示を見ていると、今や完全に失われてしまった311以前の「旧世界」を部外者として眺めているような、そんな不思議な気持ちなのです。



【NTN(株)】
すぐそばに大阪本社が立ってますし、地味にベアリング部門の大手だし、日常生活から人工衛星から、何かと活用されているこの技術。
この科学技術館に入ってて当然ですね。NTNこそふさわしいように感じます。



ベア様。
このよく分からん金属の環形や球を噛ますことによって、動力の伝達がスムーズになり、効率的なムーブが可能になるという。

前述した「ピラミッド作りで巨石の運搬を丸太の上で転がす」という作業も、丸太=ベアリングの原型ととらえることができます。そのまま地面をずるずる引きずるより、運動エネルギーを効率よく働かせることが出来るというわけですね。


それ以上のことは難しすぎてわかりません
( ー_ー)ぷう。

 


【暮らしに役立つディーゼルエンジン/(株)クボタ】


これからはディーゼルエンジンのことを「Mr.D」と呼ぶべきなのかも知れない…。



ゲーム形式になっていて子供が発狂して取り組みます。
時折凄い音。ガチガチガチガチー!!


【宇宙開発最前線/独立行政法人宇宙航空研究開発機構JAXA)】


顔。


展示物のいろんなものが宇宙船内部みたいになっている。
手の凝った展示ブース。

まあ宇宙なんやねーって感じ。
(見るのに時間かかりすぎてそろそろ集中が切れてる)


【海から地球を探る/独立行政法人 海洋研究開発機構JAMSTEC)】
私の大好きなジャンル。深海。
JAMSTECは深海調査の「しんかい6500」でもおなじみです。



深海性のカニ。目がないとかは当たり前のレベルです。



地質、資源調査のために採取されたコア。
数千mも海底で取ったらさぞ面白そうだ。


カイコウオオソコエビ」。
マリアナ海溝で捕獲されたという。


日清カップヌードルを海底の水圧で押しつぶしたもの。
2000m、6500m、10000mで比較。
全体的に縮むんですね。1万まで来るともうあまり変わらない様子。
これを人体でやったら…。


【雷の世界/音羽電機工業(株)】
雷と避雷針などについて。
雷に関する○×クイズがあったのだが・・・


( >_<)げー。


アルプスへ登山に行ってるわりにこのありさま。大丈夫か?
ひとつ分かったのは、落雷時には背の高い木の近くからは離れるってこったな!
とにかく背の高い物に落ちてくるらしい。
それも通電性が高いかどうかを関係なく。


【LEDって何?/利昌工業(株)】
LED=発光ダイオードの略。
電気を通すと発光する半導体。うわー初めて知った( >_<)。
白熱電球、蛍光灯と比べて消費電力が小さい、発熱が低い、サイズが小さい、寿命が長い。
良いことづくめですし、
青色LEDが開発されたことで色の組み合わせが


というように生み出せるようになり、多様な色を作り出せて便利ですよーていうことです。



【未来をひらくプラズマ技術/(株)三社電機製作所】
プラズマ技術というより、プラズマンを見て楽しむ場。


プラズマ技術を云々しているが…


唐突に戦闘型ロボットが登場。
( o_o )”


こいつ・・・好きだ・・・。。。



ファラデーの説明をする彼。
「プラズマン」というみもふたもない名前なのだが、声は落ち着いた優しい女性のボイスである。
どう見ても戦うために作られた子である。



しかし彼の由来やコンセプトは不明である。


カプコンの某ロックマンを鋭角にしたようなデザイン
に胸キュン。

( ー_ー)ノ 眼福。


【アトミックワールドへようこそ/独立行政法人 日本原子力研究開発機構
原発関連3rd。なかなか力が入ってますね。
ていうかガチで市民を教育しに来てると見た方が良い。



原子でゲームしたり。


なんだこいつは?
京都タワーの「たわわちゃん」みたいな顔だ。



かくぶんれつ!
こやつめwww ぼうだいなエネルギーをうみだしながらふざけた顔しおってwww


まあ理論上はなんでも安全ていう。
この少女は中途半端に賢いので安全神話をうのみにするパターンです。

 


各種体験型ゲーム&説明動画装置。
もう、すごい手の込んだことしてるわけですよ。
一日何人来て、どれぐらいのメリットがあるかっていうことですけども、
中途半端な近未来感とかがいいですね。



自然界中で飛び交ってる電子の振る舞いが目で分かる装置。
霧箱」「クラウドチェンバー」と言います。

 

アルコール蒸気を飽和状態に入れた断熱容器を過冷却状態にしておきます。
その中を宇宙線が通過すると、通過した部分のアルコール蒸気が、宇宙線に刺激されて小さな水滴(=アルコールの雲)となって、白い雲の筋として見ることが出来ます。
(説明文引用:国立博物館HP
 ★Link http://blog.goo.ne.jp/zinziroge/e/0fcca6b1d7b163a13f6a974ded71d297


おお!
びゅんびゅん雲が出来る!
しゅっと斬りつけるように白く細い雲が、線上に浮かんでくる!



【エコアイディア・ワールド/パナソニック(株)】
まあライフスタイルですよね。それを太陽光とかで何とかしようという提案。


さすが松下はんは家電がどうのとだけ言わんと街づくりそのものをドッと提案しはる。大胆かつ繊細やなあ。
などと感心しておく。
実際には展示を見てきて相当疲れております。ハァハァ。多いよう。

 


<おまけ・その他>


テクノくんは何でもやります。行政職員みたいやな。



子供さんが遊べるスペースにて。
りすっていうか臓器みたいだったんでつい



1〜2階の各所に置かれた装置を使って、体力測定ができますよ。
コメントが手厳しいな・・・。
子供さんが全力投球していました。マシン壊れないかな。



テクノくんでした。おつかれさま。

 

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このほかにも、プラナリアがいました。
切断してもそのうち再生して別の個体に成長するという恐ろしい生き物で、
意外なまでに小さかった。1cmあるぐらいか。
両目はぱっちり付いているが、要は目玉のパッチリしたヒルといった印象だった。


そして、クリオネもいました。
クリオネと言うともう私が考えることはたった一つしかなく、申し訳ないのですが。
(★Link 「THE EMBRYON」http://www.youtube.com/watch?v=9GRGkoqyFd4


( ー_ー)そんなこんなで。

 

テクノ君にはお世話になりました。

ガチで観れば2時間はつぶせるかもしれません。
さっと済ませば3〜40分というところでしょうか。
無料で色んな技術と珍奇なキャラと、原発をめぐるかつての動きが分かって
面白いかと思います。


では、これにて。。。