nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【鉄道】2012.1/20_ブルートレイン「日本海」(前編)

【鉄道】2012.1/20_ブルートレイン日本海」(前編)

さらばブルートレイン日本海・前編。


既に2012年3月17日のダイヤ改正で廃止となった、JR大阪駅発着として「最後のブルートレイン」「日本海」に、廃止直前の1月20日に乗ってみました。


 

生まれて初めてのブルートレインが、別れの旅という、なかなか寂しい企画でしたが、
とにかく消滅の一歩手前でブルートレインというものを体験できたことは、
非常に有意義でした。
 

なんせ、幼少期の頃は、ブルトレは有り余るように全国を走っていました。
90年代後半、全国的なブルトレ廃止が本格化しても、一部の路線ではしぶとく残っていて、まだまだ健在かなと油断していたところであります。


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17:43、JR大阪駅に入線。


ブルトレは高い。それに、時間がかかる。
飛行機と夜行バスがこれだけ網を張り巡らせているのだから、ブルトレに乗る意味がない。


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しかし、物ごころつくかどうかの幼い頃から、街の全てが寝静まった真夜中の闇を突っ切って、走り続けるという不思議でかっこいい存在であるブルートレインについて、憧れのようなものを抱いたまま、一生乗らず仕舞いで終わるということは、非常に大きな損であるような気がした。

 

(`へ´)ノ そん。

 

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大勢のファン。
失われると知ってから、皆は動き出す。
失われることが決定されるまでは日常の一コマで、誰も目を向けない。
(人´∀`)人間なんてそんなもん。


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EF81側面のピンクは美しく。



帰宅途中のサラリーマンなども、この食いつきっぷりを興味深そうに見ていた。


( ー_ー)ノ なくなるんですー。日本の青い文化がー。


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大阪を出発し、湖西線経由で敦賀へ出、金沢、富山、新潟と日本海ルートを走り続けて、早朝に青森駅に至る。
昭和63年に青函トンネルが開通してからは函館まで足を伸ばしたが、平成18年に特急「白鳥」が増便、八戸〜青森〜函館のアクセスが強化されたことを契機に、青森駅止まりとなる。



わーー寝台ーーー\(^o^)/


なんか盛り上がってきた。

 

しかし何の変哲もない、この無骨な寝台が、<span class="deco" style="font-weight:bold;">むちゃくちゃ高額。</span>



大阪〜青森(終点)の料金は以下のようになる。

--------------------------------------------------------
○運賃       ・・・13,650円
○特急料金     ・・・3,150円
○寝台料金(B寝台)・・・6,300円
・合計        ・・・21,740円
--------------------------------------------------------


( ゚〜゚ )” 高い。
     片道でこの金額。


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高い。


「なぜもっと早く、多感な学生時代にブルトレに乗っておかなかったのか?」
そんな素朴な疑問に対する明確な答え。
「高い。」 
はい。


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これがA寝台だと、さきの「寝台料金」が上段9,540円、下段10,500円に。
片道26,000~27,300円。
むちゃくちゃ高いwww
あほかWWW
そんなもんどこの資産家が乗るねん。
あほWWW


/(^o^)\ 考えれば考えるほど狂気の料金体系WWW


ハァハァ( ゚q ゚ )


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なおかつ、夕飯や軽食など飲食物のサービスは皆無。
無茶言うな。飲まず食わずで一晩明かせとか。
もちろん、シャワーなど論外。
陸路も空路も価格破壊が進んだ現在、この金額で勝負できるメリットがあるとすれば、早朝に現地に着くという一点のみだと思う。
それにしても出発が夕方の17時半頃なので、いかんせん効率が悪すぎる。


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客車は24系という型を使っています。
1973年〜80年に製造され、現存するブルトレにとっても主流となる客車で、内装などは比較的綺麗に保たれています。


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機械的な座席。
私が感じた違和感は、やはり内装が思っていたよりはずっと綺麗であったこと。

青い昭和な外観とか、ブルトレという存在に対して抱く印象とは裏腹に、
非レトロな、無機質さが「あれっ?」と思った。
「もうすぐ引退するんだなあ」等の感傷を感じられず。


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それでも寝台車というものが珍しく、興味深いので、撮る。


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上段ベッドへの梯子。

左右にジャッと開くと梯子になり、普段は一本の棒のように収納されている。

 

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細部にレトロ感を見出して楽しみました。



通路の壁には1ブースに1つずつ、折りたたみの簡易椅子が。
いこいのひととき。


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ベッド柵。
この個室感の楽しさは、まさに幼少期にこそときめいたことだろう。



一度乗ったら、終着駅の青森まで、手に入る飲食物は、この据え付けの飲料水だけ。
走る留置場( ゚ p゚ )



まんざらでもなさそうな乗客の皆さん。


みんなちゃんと弁当などを買って乗り込んでいるのか、ゆとりが感じられた。
かくいう私も、何かヤバさを感じ、乗り込む直前に走って弁当を買いに行った。
本当に、見事に車内販売や、途中の駅での売店が無く、せいぜい自販機で飲料水を買うのみ。
事前に告知のないこの断食システムが元で、夫婦喧嘩に陥った家庭もあったのではないか。


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国鉄的な丸めのフォントを見ると、テンションが上がる。


フォントを探してごそごそ。


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ブルトレならではの装置。
日本から無骨で一般的な寝台車が消滅するのは惜しい。
料金体系とダイヤを見直せば一定の需要はあったと思う。


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24系ブルトレは、良くも悪くも中途半端だった。

外見が青いこと以外は、特にブルトレとしての存在感、個性を、車内から見出すことができなかった。

 

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上段ベッド。
黄色い紐の転落防止柵は個性的だけどね。
細部より車内全体の雰囲気として、まるで貸し会議室みたいな無機質感しか感じることができなかった。


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睡眠スペース×列車、という発想は良かった。しかし、その先が無かった。


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スピーカーでかい。


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18:26
遊んでいたらJR京都駅に到着。
まだまだ先は長い。


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例の弁当。
本当に買っておいてよかった。
これが無ければ旅情どころかただの忍耐ゲームになるところだった。


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インターネット予約では、直前までA寝台(1輌)が上下段とも満席、
B寝台も禁煙車の下段は満席だった。
これはどうなるかと思ったが、念願の下段が取れて満足。
就寝時の靴の脱ぎ場などを考えると、上段はめんどくさい。


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洗面台。
カーテンが爬虫類系の風合い。


洗面のコンセントに携帯の充電を差したまま放置するという輩がおり、
車掌がブチ切れ。
毎日のように鉄道ファンのマイルールさに付き合わされて、完全にアタマに来ているようだ。

「携帯電話を放置されていた方 お預かりしていますので 1号車の車掌室まで来て下さい お話があります」と、完全に修学旅行の教師のようになっていた。あーあ。これ怒られるわ。


その毅然とした態度はグッジョブなのだが、「高価な一眼レフで撮影に力を入れる若い男性1人客=不躾な鉄道ファン=JRの敵」というぐらいの図式で対応されるのはさすがにちょっと違和感を感じた。
深夜に途中停車する際の2,3分という短い時間を縫って、車輛の撮影などを試みるのだが、折に触れて険のある態度を感じた。


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緊急時に何をしていいか迷いそうな表示。
これもまた味わい。

 

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19:45 敦賀駅
既に数分の遅れが発生。

 

内装の味気なさに対し、さすがはブルートレイン
その側面の青いライン、艶などは、夜が深まるにつれて素晴らしい魅力を宿してくれた。


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「★★★」は、B寝台2段式のこと。
客車型ブルトレでは標準装備。


ちなみに、星2つは、電車寝台(583系、現在は定期運行なし)。
星1つは、客車3段寝台(現存しない)。


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ブルトレでおなかいっぱい。

 

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連結部にヘッドマークがあって興奮する。
日本海のマークは美しくて、物心ついた頃から好き。


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20時。
福井駅へ向かって一生懸命走っているところだが、早くも乗客はカーテンを閉め始めた。


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20:56、加賀温泉駅


車内で私は何をしていたのでしょうか・・・全然覚えてない。
バランタインを飲みながらうっとりしていたのか
しらヽ(´-`)ノ

 

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ドアー。
初めは物珍しげにうろうろしていた乗客も落ち着いたところで、私が主にうろうろ。
正真正銘の一期一会なので、ドアにも珍を感じて
ゐます。


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上段ベッド。
乗車率は、全体で7割弱?


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去りゆく名もなき駅よ・・・


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私ハ日本海・・・カツテハ夜ノ女王ダッタ者・・・


夜はまだまだ続く・・・。

 

 

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