2012.12.8 氷ノ山登山(冬季)後編
行動食を食らい、荷物を整理していたら14:45.
昼飯を摂って休むと、上着の調整や荷物の出し入れで必ず30分以上は使う。
あとは下るだけです。がんばろう。
何をどうがんばるのか。
そりゃあなたがんばるんですよ。
( ー_ー)天候がいきなり安定してきた。
撮影に余裕が出てくる。あれっ。
さっきまで殺意に近い波動が打ち寄せてきていたのに。
なんで別れることを決めた途端に優しくなるの。
女も山もよくわかりません。
ルートが明確であるということが実に大きい。
もはや傾斜を下るだけの作業ゲーと化す。
雪山の懐に深く抱かれて。
登りで通ったばかりだから気軽に下れるが、初見でこの光景に出くわしたら
右も左もないだろう。
おそろしい。
道どこ。
仙谷コースは本当に沢沿いを行けばOKという明確さ。
遭難時に沢に降りたら詰む、というのが一般的だが、このコースでは大正解。
1時間前は真っ暗な幕に覆われていたのに、今や向こうの山まで見える。
なんて気まぐれなんだ!ちくしょう!
←さっきまで怯えていたことが悔しい。
そして駆けるように下り、早々とスタート地点のスキー場まで戻ってきた。
15:33、スキー場。
ついた。もうこれで今日の仕事は終わった。
山頂はおろか稜線にも出なかったけどな。また次回にでも。
遺棄された惑星のようだ。
転がりあって愛を紡いだ連中も多かっただろう。
そんなこと知るか。
おれは孤高の惑星流刑人のように歩を進めた。くそが、とつぶやいた。
雪は既に夕暮れの兆しを照らしていた。
くそが。もう夜が来てしまいます。
山は厳しい。しぬぜ。
この先に未来は・・・あるのか・・・
運命は・・・味方なのか・・・
光は・・・
うう・・・・・
( ゚〜゚ )ノ キーッ
リフト「試練じゃ…この雪はお前に課せられた試練なのじゃ」
はい。
振り返ると、氷ノ山の上部には深い雲がかかっていた。
その全貌はまるで知ることができなかった。次はあの頂上を目指さねばならない。
いや他に人としてやらないといけないことが
たくさんあるのは知ってますけどちょっとまあ
やらせてよ。
16時半頃、雪山装備を解除して車を出した。
凍結路面に異常なほど怯えながら、後続車にいやがられるような低速で
走った。
助手席にいたのがもし、気性の荒い、豹のような女だったら
「あんたちょっと、おそいわ!」と
詰られていただろう。そう思うと、
おれはおかしくなって、失笑した。
なんもおもしろくないわ( ・_ ;) くそが
16:59、道中にあった「音水湖」。
夕暮れになり、寂しさが一層引き立ち、
陰鬱をきわめていた。
なんと心の落ち込むことか。
心の底まで冷える光景を堪能し、寄る辺なき気持ちを載せて
その前に小便を済ませ、車を走らせた。
奇妙な山行となってしまった。なんだ今回は。
とりあえず中国山地は寂しい。そして路面が怖い。
色々と学んだ。
嗚呼。次は山頂を目指す( ・_ ;)。