【遺構】2016.5/3_生野銀山(1円電車、鉱山資料館、吹屋資料館、文化ミュージアム)
生野って大阪じゃなかったのね…私、阿呆でした。
珍スポット、廃墟のドンはやはり鉱山、炭坑系どすなあ
生野銀山に行ってみた。
○生野銀山
TEL.079-679-2010
坑道内コース、坑道外コース、鉱山資料館、文化ミュージアムに大別される。
【1円電車】
名称「1円電車」。昭和62年まで1円で運行されていたことに驚嘆。バブルの真っ盛りですね。
看板にある通り「明延(あけのべ)鉱山」というのが生野銀山とはまた別にあって、そちらは兵庫県養父市に位置。イベント日には1円電車に乗れたり、事前申込すれば坑道内の見学ができます。
かわいいな( ゚q ゚ )
胸に手を当てて考えてみた。「なぜ炭鉱だの炭坑だのは面白いのか?」主な要因をあえて3点挙げるなら、
①極めて大規模での喪失だから
(そんな大きなものが無くなるのかっていう。一つの産業が閉じることの意味。その喪失に立ち会うことの意味。ある時代の文化そのもの、ある集落・島など行政単位そのものの喪失。文字通りゴーストタウン化し、フィクションでしかありえないような世界が広がっている)
②テンション高いから
(戦前~戦後~高度成長期、同じ日本人でここまで何かこう、根底から違うのか?というぐらい、生きることに対する渇望と言うか、圧倒的な熱量がある。その痕跡に生々しく立会える「場」であるため)
③全てが「掘る」ことに特化しているから
(写真の列車のとおり。すべての物事が、地下を掘り、その先を堀り、掘ったものを運びだし、選別・製錬するためにデザインされている。設備・機器・技術・・・全てがこの調子で尖りまくっている―つまりかっこいいんだよ!)
②と③はベン図かいたらだいぶダブってんぞという声もあります。
牙を抜かれてかわいらしく展示されていても、こんな車体は毎日の通勤でまず見ることなんてないわけで、深海や洞窟内で異形の進化を遂げた珍種の魚類を目の当たりにするような心地がいたします。
同志社大学と三菱のマークは紛らわしい。
客車内。驚くほど簡素。(囚人を運ぶ車のようにも見える…)
1円電車が置かれていた奥には「牛尾敬三 石彫の広場」なるものが広がる。
氏の作品はどれもねじれながら環を描く彫刻。トポロジー的。
写真奥に見える穴が気になる人は良い感度。トロッコ列車のトンネルです。
これら車輛等は、施設の門の外側に安置されている。
改めまして。入場。
「明治元年(1868年)に日本初の官営鉱山(政府直轄)となった」「明治22年(1889年)には生野鉱山と佐渡鉱山が皇室財産に移され、宮内省御料局の所管となった。」そういうわけで菊の御紋。のち1896年には三菱に移ります。
(公式HP 生野銀山【歴史・概要】 より引用)
【鉱山資料館】
江戸時代よりどのように坑道を構築し、銀を取り出してきたか展示されている。150体もの人形を使った「鉱山立体模型」は鉱山労働がいかに大がかりな分業体制であったかが知れて面白い。体壊すだろこれ。換気とかたいへんですね。
かっこ良い。緑色というのが京阪電車ぽくて◎
発電機をちゃんと保管してるなんて素敵。
ラベルには「交流発電機」「三菱造船株式會社」「神戸造船所」等と書かれている。
約100年前でっせ。これ。確かに古いが、古臭いとは感じませんな。
美しす。
銀が入ってる岩。確かに何かキラキラしている。
<売店>
おい酒があるんだが\(´-`)/
勿論買った。
この「岳」は酒蔵各社の酒を生野銀山坑内で寝かせて熟成させたブランド。「岳」の銘を冠するものが3酒造×大吟醸・純米吟醸の6種類、あと各蔵の酒を寝かせたもの、つまりたくさんある。困る\(^o^)/
出ました、定番の延べ棒。ルパン等アニメではザックがはちきれるぐらい積み込んでスタコラサッサであるが、この1本だけで30㎏以上というトチ狂った重量を誇る。超人でなければ強盗も出来ない現実。
【吹屋資料館】
「吹屋」とは製錬所のこと。手法は「灰吹法」(はいふきほう)と呼ばれる。説明は省略。アマルガムとは違う。
吹屋と言うと、古風な赤銅色の町の景観を保全している「ベンガラの里」こと岡山県高梁市成羽町吹屋が思い出される。あれも銅の精錬に絡んでるのだろうか?
とにかくここはイケメンのケツを楽しめ。
そしてイケメンの上下関係を楽しめ。
鉛や銀を高温で溶かすようなハードワークに従事していたら目鼻立ちも際立つのだろうか。ものすごい至近距離で役人に見張られてますがいいのか。生産性・・・。
日本人離れした風貌に違和感とエロスを覚えつつ。
【文化ミュージアム】
別館扱いで別に100円支払う必要がある。
このような鉱石コレクション展示が相当量あるため、坑道内コースを見学し終えて、疲れてなければ回る程度にしたい。(本気で向き合うと当館だけで疲弊する)
これは単に「異極鉱」という名前がかっこよくて撮った。
しょっぱなのメノウ原石は良いですね。異星の未知なる金属のよう。
非常に大きい。宇宙からの贈り物か。大きい。
坑道実物模型。「は? 炭鉱とか(笑) 俺よゆうやし!?」と言いたげな方は、どれだけきついか体感してみましょう。相当きつい。日ごろ使ってない腿の裏側等の筋肉が悲鳴。
これはシンシャ。「大和水銀鉱山」の響きに惹かれて撮った。残念ながらこの鉱山は今は跡形もなく存在しない。
辰砂(しんしゃ)は古代より土器、死者、古墳内部等を彩る赤い塗料として使われていたもの。
以上のように、真面目につきあうと生野銀山のボリュームに押しつぶされそうになる。地質学や鉱物学をやっていた友人などがいる方はぜひ巻き込んで訪れていただきたい。おわらねえ。