nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【廃墟】2013.6/22_姫路モノレール跡(2)姫路駅~旧・大将軍駅

H25.6.22(土)【廃墟】姫路モノレール跡(2)姫路駅~旧・大将軍駅

姫路モノレール跡をたどる


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「貫通ビル」もとい、かつての「大将軍駅」。
古さというより逆に斬新な感じがするので、ぜひこのまま置いといてくださいw

 

 


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酔った頭に、直射日光。これは効きます。
ヤバい。倒れるぞ。


辿ったルートは至極単純に、他サイトで廃線跡と示されていたルートそのままに。
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姫路駅側からスタートです。

思った以上に迷うことがなく、
旧・大将軍駅/現・高尾アパートまで、あっという間でした。


・・・姫路駅から大将軍駅までって
 金払ってモノレール乗るまでも
 ないんじゃない?  ( ゚q ゚ )

 

 

(こたえ)
 私鉄運賃の倍以上出して乗る人いません

 


( ゚q ゚ )そら衰退しますがな

 

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地図上、山陽電鉄の高架に出くわす手前。柱だけが残っている。


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高架を抜けて「久保町」にさしかかるところ。
ここから念願の軌道が現れる。

今までサイトの情報でしか見たことがなかったが
実物で見ると
( ・_ ;)謎の感動がある。

 

この感動はなんだ。

 


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通称名として「姫路モノレール」と呼んでいるが、姫路市企業局交通事業部による運営で「姫路市営モノレール」とでも呼ぶのが
正しいのか。

しかし正式名称が無いようです。

 


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姫路駅の方を見る。

駅はたった3駅。営業キロ1.6km。
短い。

 

姫路駅、貫通ビルのある大将軍駅、終点の手柄山駅。
開業当時の1966年は「姫路大博覧会」(姫路博)が催されていて、そのアクセスに
使われる…はずが、
土地交渉などで手間取り、姫路博の開催に間に合っておらず
会期2カ月のうち終わりの3週間ほどしか稼働できていなかった。


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毎年度、億単位の赤字。税金の補てん。
姫路モノレールはまさにどこかの公立病院のような資金繰りをしていた。
スケールメリットのない、稼げない構造のインフラ。
生まれる前から、早期に死ぬことが分かりきっていた存在。

( ゚ p゚ )おお。

 



姫路の人にとっては見なれた景色に過ぎないのだろう。


1966年の開業から8年後の1974年、とうとう営業休止となる。
休止に至った理由は、赤字モノレール反対派の市長が当選したことや、
ロッキード社がモノレール事業から手を引き、部品調達が困難となったこと、
運賃が、並走する山陽電鉄の倍以上で、乗客が減少の一途を辿ったことなどが挙げられる。

 

1979年4月に正式に廃業となった。
実にそれから34年もの間、高架軌道と支柱の多くが残ったままとなっている。

 


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いつ撤去されるのか、見通しも曖昧なままの軌道だが
周囲の珍奇な店舗と協和音を奏でている(ように見えます)。

支柱が建物の中に取り込まれているため、立ち退き等の問題もあり、
これからも早期に撤去することは難しいだろう。
しかし1984年には、路線に走る電線が老朽化によって800mにわたり
落下している。

近年、老朽化への対策が進み始めたのか、明らかにサイトで見た写真よりも
軌道が減っていた。

 


緑化の取り組みとして
かつての支柱を植物で覆い尽くす試み。

大成功じゃねぇか( ゚q ゚ )ノ
くさぼうぼう


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目当ての大将軍駅
軌道が貫通し、内部に駅を持つビルだが、
( ゚〜゚ )・・・なんか変じゃね??

 


あ。

 


軌道が切られてる!!!

 


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背後の新幹線が紛らわしいが、ビルから出た路線は
かなり短くカットされている。
他サイトでは、口から伸びた線がゆるやかにカーブを描き、宙を這っていたのだが…。
とうとう本格的に撤去の動きか。
今回、意を決して、ここにきて良かったと思った。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20130623/20130623163103.jpg
すぐ下の広場。
ちなみにこの娘は、体の大半が空洞のようで
けっこう良い音が鳴ります。


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今回、ビル丸ごとが取り壊しの方針が決定したということで
今後の動向が注目されますね。

1階は飲食店、2階はビジネスホテル、3〜4階はモノレール駅、
5〜10階は賃貸「高尾アパート」(UR都市機構)となっています。
1〜2階は既に廃業しているものの、住宅部分はまだ2/3が入居中とのこと。



これ以上はもうホームの内部を詮索することができません。。
もし可能性があるとすれば、ビル解体時の公開を祈るか。


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反対側、手柄山方面から。
こちらは以前から路線が短く切り落とされていた。


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回り込みます。
おや、あの階段は、、、駅の名残ですかな。


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裏側はいい味を出しています。
昭和のビルは無骨でよろしい。


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しかし表側は相当にスタイリッシュ。
ビル全体がカーブを描いている。
これがフルにモノレールの路線を抱いていたら、相当に美しいだろう。

他のレポートによると、この大将軍駅のビルと似たような構造の建物が発見されている。
モノレールの延長、支線により、それらの建物の中をくぐらせて駅にするなどの計画が
あったのではないかとの読みである。
たった3駅で終わったこの未来絵図が、どこまで描かれていたのか
興味深いところです。


しかしこのビルの耐震性は脆そうですね。
側壁のムカデの足みたいな柱だけで支えているように見える。


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おおっ!
これは!なんと古い地図だ!

古地図を現場で発見した時の興奮。それは化石が生きていたようなもの。
国鉄」だし、モノレールもちゃんと姫路駅がある。
そしてふるえるような手書き感www たまりませんな。


では、この大将軍駅の先、終点の「手柄山」(てがらやま)まで進んでみましょう。

(次回へ続く)