nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】石鎚山(1)2015.10.11_ロープウェイ→試しの鎖、一軒茶屋

2015.10.11 【登山】石鎚山(ロープウェイ→試しの鎖、一軒茶屋)

登山を開始する。

ロープウェイが使えるという時点で相当楽。気分は若干観光。

 

( ´ - ` )

 

 

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<コースタイム>  

・9:35~9:45  ロープウェイ山麓下谷駅→山頂成就駅

・9:55   奥前神寺(レインウェア装着)

・10:35  八丁

・11:05~11:30 「試しの鎖」、前社森

・11:30~11:50 前社森小屋(昼食休憩)

・12:10~12:22 「一ノ鎖」

・12:35~12:55 「二ノ鎖」

・13:10  山頂

・13:15~13:40~14:00  →天狗岳山頂ピストン

・14:05~15:40  中宮成就社付近

・16:00 ロープウェイ山頂成就駅

・16:50~17:15 「亰屋」温泉入浴

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 ※クライマックス「三ノ鎖」は修理中

 

 

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9:30 大天狗の番付をチェックして備える。

 日本って天狗大国なのだな。

 

上質な廃集落の光景が続いたが、車体はPOPである。

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洒落た箱が空から降ってくるの。ちょっといいね。

 

 

 

 

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登山ルート2時間40分のところ、直線8分。

文明の意味を知る良い機会。ごちそうさまです。

標高1280mまで連れて行ってくれる。あ、雨降た。

 

 

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9:45 「山頂成就」駅

登山業界では揶揄され気味なスタート時刻。

2.5~3時間で頂上に着くというお手軽登山ゆえの余裕。 

 

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成就駅は独特で、貼り紙や絵画の掲示が面白い。

 

 道も明瞭かつ普通でなんとなくハイキング臭がする。

しかし事前の天気予報で「まあ安定するわよ」的なアドバイスだったはずが、いつしか曇天が支配する、救いの乏しい空に。 

 

 

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石鎚山は石猫が非常に多い山です。猫の起源はやはり石にゃん。

浮かれてたら雨が本格化したにゃん。なぜにゃん\( ゚q ゚ )/

にゃんじゃないよ。

やや洒落になっておらず、余裕攻略のはずがレインウェアで守りを固める羽目に。

 

 

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 行く手を阻む白霧。

ちょっとRPGですね。打撃パーティは悶死。黒魔法となえよう。

 

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 レインウェアは水耐性に優れるが、フードがいけてなくて、視界はふさぐ、耳はふさぐ、蒸れると暑いでやや難儀する。それはそれとしても神秘的な光景にゃ。おい紅葉はどこだ。青いぞ。

 

 

 

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残念ながら壮大なフライングだったようで無紅葉プランをお楽しみくdふぁい。

行く先は霧。抱かれよう霧。未来は霧。

不思議の国のアリスを想う旅。

 

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「あんたら何がたのしくて濡れてまで山を歩くんかね」

と先祖の霊も真顔で問うだろう。そうだ。私たちは濡れてるんだ。

 

 

10:10 もう真っ白です。諸行無常という言葉が胸にひびく。f:id:MAREOSIEV:20151018132103j:plain

石鎚神社中宮成就社。神の息吹を感じ・・・石鎚山って何を信仰してるの?

( /・o ・) ?

 

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この寒いのにソフトクリームを食えるほどの胆力はない。

石鎚山の信仰対象は山そのものであると分かった。

開祖は例の役小角(エンノオヅノ)。

この人物は日本中のメジャーな山にとにかく出てくる。山岳界でこの名前に頭をぶつけない日はない。演劇界における蜷川幸雄、建築界における安藤忠雄、山岳界における役小角

 

 

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古き倉庫街にでも迷い込んだのか。

これは宿。白石旅館、100名とまれる。このeasyな山でニーズあるのかと思ったら登山、参拝、スキー客がメイン客層とのこと。確かに厳冬期に泊まれるのは良いですね。冬は完全な雪山と化すのよって山仲間が言ってた。

 

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皆が登山届をしたためている間に、宿の中を拝見。

山小屋と食堂と祭りの出店とが絶妙なバランスで配合されている感。

 

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鬼板せんべいが有名なのだ。創業から100年。

 

 

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天狗。役小角本人だという説がある。

石鎚山の天狗を起源として日本全国の天狗が派生したと・・・。

 

 

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とそこに精神世界が舞い込みます。人間はエーテルだったのだ!

 

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10:20 実際ここから登山道スタート。

魂を禊いで、大天狗が授ける試練の道へ、いざ。

 

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試練きた ( ゚q ゚ ) 渋滞。

山をぞろぞろ並んで歩くだなんて。市役所の退屈な事務手続きのようだよ。

富士山のトラウマが思い出される。あれもこういうのだった。

 

 

 

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登山道から微妙に外れたところで明後日向いてる看板。

「前社森は 石鎚大神の心臓」

かなりそそるキャッチフレーズだ。さて石鎚大神とは「伊邪那岐命伊邪那美命の第二子で、天照皇大神の兄に当たるとされている」(wikiより)という。パズドラで「険岩神 イシヅチ降臨!」とか実装される日も近いであろうか。あってほしい。

 

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神秘さ数十倍の補正につき、全く退屈しない。目がハート。

当初の渋滞がどうなるかと思ったが、ライトな登山者もかなり多く、そのうちペースが各パーティーで分かれてくる。よかったわ。

 

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11:05 「試しの鎖」出現

でかい。 /(^o^)\ 三十何年生きてきて登山道でこんな巨大な鎖を持たされたことはない。なんという頑健さか。

いつもの調子で「鎖場は鎖を使わなくても登れる」という確信のもと登り始める。

だめ。

鎖がないと落ちる。

 

 

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落ちる。 ( ゚q ゚ ) 鎖がないと落ちる。

 このあたり↑ 厄介。

オールシーズン縦走用登山靴×濡れた岩場、この噛み合わなさは見事。

こんなに鎖を、懸命につかんだことは久しくありませんでした。

 

流しそうめんの路のようにストンと一本の岩。もし滑り落ちたら止まるところがない。という不安が脳裏をよぎると足があれする。タフな心をですね持とうね。

結論的には後で現れる他の鎖よりも、シンプルに長くて垂直ぽい「試しの鎖」の方が怖かった。ただし晴れていて岩が乾いていたら楽勝確定。

 

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6~7分じりじりして、やっとピークが訪れた。

登り48m。やや緊張し次の一手に考え込むため、体感はもっと長い。グロい。

後半はホールド多くて楽。途中のツルい箇所がきつい。ただし毎週ボルダリングに通っているなどして鍛錬している人にとっては余裕とのこと。体重移動。だから体重をいかに変換して通すか。足の親指あたりからの通し方がまずいと乗らない。

 

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 山と女の間には、鎖という色気の河が流れている。

ないかな。とにかく太いので信頼関係な。鎖をしっかり掴んで、テレテレせず

一歩一歩を一気に持ち上げる。テレテレしないのが重要。魚と岩はじゃれてはいかん、スパッとおろすんじゃと名人も言っている。

 

 

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最上部、鎖の発生源。

おつかれさまです。心理的に疲れる。さすが修行場。

奥の岩尖に「前社森」(第29前社森王子社)がある。

 

下りの鎖があります。

エェエエエエくだるの\(^O^)/ あたま大丈夫ですか

 

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下り19m。(参照元により数値がやや違う)

登りよりは良心的なようで、流しそうめんの路のような一本岩。見てください環の一つ一つが手より大きい。テレテレしない、ちゃっちゃと降りる。

霧の中にやや赤みが差し、紅葉の足音がひたひたと、否それどころではない。

 

 

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中南米で古代遺跡の調査をしましたと盛りたいところだが、残念ながら愛媛の岩を降りているだけである。足場はやや迷うが散らばっているのを順番に押さえると安全に降りられる。右の鎖は登り専用だから邪魔にならぬよう紳士の気配りをしたい。

 

最後に足場が足りず着地が少々難しいのがポイント。うまく着地できるか議論すると女子力が上がる。

いかに着地するのがおしゃれかを議論していたら、地中海風のあばら家が現れる。

 

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11:30 前社森小屋(地図上「一軒茶屋」)

 

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よみがな/(^o^)\ 狂気を感じる。

ごり押しのダンディズムが私たちの母性をくすぐるだろう。

 

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あめゆをもっぱら売っている。「ちから」と「ひやし」の2種類があるが、効能はどちらも「元気がでるよ!」としか表示されていない。難解だ。

 

雨は収まったようで、まだなおしつこく細かいのが降り、風もそれなりにあるし、修復できない関係に陥った夫婦のように私たちと天候はうまくいっていない。なので昼ご飯を小屋の中で食べることにした。

 

 

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雨がしつこい。ガスもしつこい。愛されてるなあ。意識の高い人たちが次の熱い買収先を探っている間、私たちは石鎚大神に捧げられた供物となり果てた。ぜえぜえしますね。

 

鎖はまだある。つづく。