2015.11.28 京都の紅葉名所めぐり_ややレア絶景、瑠璃光院@八瀬
京都に行くならおけいはん。
うるわしいお姉さまに連れられて、八瀬の「瑠璃光院」(るりこういん)へ初めて潜入した。
正式名称は「無量寿山 光明寺 京都本院 瑠璃光院」といい、浄土真宗・東本願寺派に属する。
毎年限られた時期だけ一般公開される。春・秋に公開されてきたが2013年5月から文化財保護のため、一旦公開停止。
今年2016年は11/1~30の1か月間のみ公開となった。一般人の立ち入り機会が不安定である点がレアである。
(※人気ゆえ、12/6まで1週間の公開延期を行ったとのこと)
場所は、比叡山のふもと、八瀬。
京阪電鉄・出町柳駅から先へ伸びる叡山電鉄というローカル線に乗ってゆくことになる。路線は分岐しており、鞍馬・貴船へ向かう路線と、この八瀬へ向かう路線とがある。
ここに書かれていることがアルファでありオメガである。仕事終わった
\(^o^)/
あるおめ \(^o^)/
しかしこれでは私のEOS 5D Mark Ⅲが泣くので先を続けよう。
八瀬はかつて、八瀬遊園という小規模の遊園地があり、幼少期はプール目当てに毎夏訪れていたものだった。残念ながら2001年11月30日に閉園している。跡地は「エクシブ京都 八瀬離宮」が入り、高級なランチや宿泊をたのしむ施設となっている。
私もすっかり歳をとって、今や水の冷たいプールよりも、陰の濃い艶やかな寺院のほうが好みとなった。
とはいえ瑠璃光院の入園料は2,000円と桁が違う。うかつに家族連れで来ると地獄を見そうだ。
紅葉は終末期に差し掛かっており、緑が多いがずいぶんと落葉している。
青空の主張が強くてよかった。
苔。瑠璃光院は苔で勝負できる。
尾が長く、体格がよい。
客がこぞって苔で勝負しはじめるため、苔に一列にモミジの葉が並ぶ。
誰か間引け /(^o^)\
毛細血管だねー。人体は宇宙の縮図よ。
紅葉スポットばかり立て続けに回っていると、敬虔な気持ちになる。
「おれは手元で撮りためた写真をシャッフルして、いつのどこのやつだったか、判るだろうか」「日々のこれらに、ちがいを生み出せているだろうか」1年経ったら自分の写真だったかどうかも判らないであろう。毎日のごはんを的確に作り続ける主婦・主夫の方々に畏敬の念が芽生える。
ここの鯉はそうとう質の高い水を飲んでると思うんだよ。
比叡山の湧水。
メインの「書院」へ入る。
人がやたら多い中をカメラぶらさげてよ、靴の脱ぎ履きなどで発狂しそうになり、つまり建築ぜんぜん撮ってねえんだ。
\(^o^)/鶴でもごらんください。
八瀬は平安時代のころから貴族や武士の保養地であったという。瑠璃光院は大正から昭和にかけて、元あった茶庵を改築し、数寄屋造りとして生まれ変わったもの。
なお経営、管理母体の無量寿山・光明寺は新宿で納骨堂の経営、営業を行っており、数百年に一度の大地震でもお骨は大丈夫というふれこみで、都内のコンクリートジャングルにも溶け込む建築様式で白いお堂を建てている。
書院の静謐さ、窓の外の燃えるような紅葉。
囲碁の本因坊戦、将棋の名人戦の舞台として、書院が使われたことがあるという。
なお静謐さは演出で、来場者が途切れた瞬間をあれした。
紅葉ピークの土日。これはだめ。精神が荒廃する。
客が途切れず大挙する中、貧血を起こしそうになりながらモデル撮影を行ったが、 実にスリリングであった。
比叡の冷たい空気にさらされて、足元からひんやりする。
誰もいないのであれば、ずっとここで写経でもしていたいが、実際には写真の外に客がみっちりと詰まっている。
「瑠璃の庭」。
ある時間に光の加減で、一面の苔が瑠璃色に輝くという。
が、瑠璃色というとダーク・スカイブルー的なあれだ。かなりの早朝それも曇天とか、空気の色温度が相当高い時でなければだめで、一般観光客には見ることはできないだろう。
実態はこうである。
ここからどう瑠璃光院と向き合えばいいか。(相当難しい)
お抹茶をいただくと縁側最前列でまったりできる(左側・竹の仕切りの奥側)。
しかしそれだけでは瑠璃光院の実力に触れたことにはなりそうにない。庭だけを見ていてもだめで、紅葉や苔だけを見ていてもだめで、室内の深い影やひしめき合う木々の色彩を総取りでぶつけないといけない。無理じゃね?
瑠璃の庭でルリルリするには、強烈な低気圧でも来てくれないとだめか。
いい苔だ。モフす。
モフィスト垂涎の庭だ。
苔とは、眼で摂取するダウナードラッグであると誰かが言った。
では他にも写真をごらんいただこう。
離れの和室。
瑠璃光院でした。
思い切って、平日の朝イチ(とはいえ10時オープンなのでかなり遅いが)で撮影を挑んでみるのが吉だろう。一人でも少ないときに、書院の窓から紅葉をしっかりと切り取って、闇と紅を対比させたい。