2016.11.12
【ART】六甲ミーツアート2016(ケーブル山上駅~ガーデンテラス~六甲枝垂れ)
六甲山がアートです。2010年から毎年やっているという息の長いイベントであるが、私は7年目の今回初めて来ました。ヤッホー。
ヤッホー。国籍変えたわけじゃないんだよ。
誰だこの人。
徒歩で登ると徒労なのでケーブルしような。
六甲山といえば、2006年に某市役所職員が遭難し、仮死状態で発見された一件を思い出させられる。「焼肉のタレで余命をつないだ」(※後に誤報と判明)というサバイバル伝説を生んだ、ポップで恐ろしい低山である。あの人は下山でケーブル代をけちったのだった。だから、ケーブルしなければいけない。
熊の彫り物が駅で迎えてくれます。今年の熊は人類を脅かしまくっていて洒落になってない(良い)。
この日は紅葉には微妙に早いので景色も特に楽しみません。朴大統領の余命をうらなうなどして有意義に過ごしました。下野しかないんじゃないの。フフフ。
六甲ケーブル山上駅は素人目にも超おしゃれで、昭和初期に建てられた品の良い病院のよう。見とれていたら並ぶバス停を間違えましたよ。うっかりですね。
建築系ブログによるとアールデコ調というらしい。写真はこれだけ。内部の建築様式にまで目を向ける余裕がなかったのです不覚。昭和7年(1932年)のケーブルカー開通時に建てられた物件。堂に入ってる。
あれっ。ロープウェーがいる。
なんで? そんなんあったか。ない。ないのだ。ないだろ。
そこにいた人に話を聴く。
これは「六甲有馬ロープウェー」・表六甲線というやつで、2004年から長い眠りについているという。廃線扱いにはなっておらず、ホームへ立入も可能らしい。
ゴクッ(つば
アートどころじゃないんだが。
ケーブル下りてすぐに目に飛び込むのが、門。
○谷本 研 (Ken Tanimoto)/《Sights of Memories ―日本観光記念門―》
/(^o^)\あっこれはなつい。
/(^o^)\小金持ちの友達の家のリビングとかにあった。
そう。格差の原体験の象徴、ペナント。
お年玉、旅行、ゲーム機という3つの指標に関する額と回数の多寡という2軸によって、小学生の経済的ヒエラルキー感性は概ね鍛えられる(※個人的感想です)。お金持ちの家には色んなペナントがあったので未だにこれを見ると色々スイッチが入る(※個人的感想です)。
しかし、
バリエーション凄くないか。チョウチョの個体研究のような面白味がある。
どれも超のつくベタな観光地だが、一見同じパターンのようで実に豊かで飽きません。数を集めたときに見えてくるものがあるというのが面白い。これの起源って何だったんだろうか。
○近藤正嗣(Masashi Kondo)/《晴天のアメ》
水彩のようなのが建物屋上の床に。
併設されている「TENRAN CAFE」に作品がある。
飲み食いするときに真価が観れそうです。
コメントのしようがない ( ゚q ゚ ) 困った。
○森太三(Taizo Mori)/《起伏のテーブル》
起伏だ。紙粘土で出来ているらしい。遠景と合わせてもう一つの地形として重ね見るのが吉。テーブルだからといって体重かけたりしないように。
コメントのしようがない ( ゚q ゚ ) 困った。
基本的にあたまおかしい作品でないと触発されないという業病をわずらっています。ゲホッゲボッしぬ。
アート作品多いんだよ40点以上ある。間に合わないね。
駅から一番離れている「六甲ガーデンテラス」へ行くね。
ガーデンテラスな。爽やかな天候だったよ。昼さがりまでは。
(※後で猛烈に冷えて風邪をめします。)
すぐ奥で大規模な開発が行われていてときめいた。何を建てるんだい。
ガーテラというとジンギスカンを食うイメージが強いが
\(^o^)/ きたああああああネオ漫画ああああああ
しゃれおつな景観にネオ漫画をねじ込んでくるとか、よく分かってらっしゃる。
いいぞもっともっとやって。
○横山 裕一(Yuichi Yokoyama)/《アイスランド》(中国版)
「漫画」の記号性を押し進めた先にある世界を体現。
私達が読んでいるのは文字か、絵か、台詞か、物語か、フレームか。
異様な緊張感が絶えることがない、それでいて内容(物語)は特に何もない、という怒涛の世界である。「アイスランド」はまだ登場人物が事細かに発言していて、一般的な漫画感覚から入っていきやすい作品。台詞が全くなく取りつく島の無い作品もあって、高度なボルダリングのようで面白い。
「何の用だ」「人を探している」
ただただ人探しをしているだけの作品だが、横殴りの擬音の突風に五感をやられる。超面白い。おすすめどす。
好きな作品に対する感情移入が偏ってゐることが分かっていただけただろうか。
横山裕一に関してはガーデンテラスのあちこちにばら撒いてほしい。クリスマスの準備はそれからでもいいと思う。
○トーチカ/《Ka-Ta-Ka-Ta》
うわあ\( ゚q ゚ )/ 偏向レビューだ。
10時集合だったんですよ。だからその。まだ動いてない。
嫌がらせみたいなレビューで無念です。 サーセン。
※夜間、これが回転して壁に映像が照射されます。観たい人は夜にしましょう。
遠山 之寛(Yukinobu Toyama)/《The sphere》
ライトアップ装置が周囲にあったことから、これも実は夜の方が本領発揮するのでは疑惑もある。が、原子の周囲を回る電子の軌跡のようで、これは良いと思いました。カップルの記念撮影スポットと化していて原子分解したくなった。安心しろ俺にそんな能力はない。
腹が減ってきたかもしれないという話があります。
ジンギスカン以外のメニューが存在するのか不安だったが、そこは日本の観光地だけあって、選択肢は存在した。わあい。
右はしんせんなたまごかけごはん、左はジンギスカン。
わあい \(^o^)/ 結局ジンギスカン。
野菜炒めみたいなことになっているがすこぶる美味しいので◎
本命の巨大オブジェがチラチラ見えているから行くよ。
あれです手前の旗が作品だという話。国旗のようでもあるし信号旗のようでもある。近づいて見てみると色んなのぼりがカットアップされて繋ぎ合わされている。
コメントが特にない。困った。
◆設計:三分一 博志(Hiroshi Sambuichi)/《六甲枝垂れ 自然体感展望台》
やばくないか。
露光やWBをあれするだけで世界がガンガン変わる。なんだこの、シンプルでいて、かつ、多彩な姿は。なんだなんだ。
存在感が突き抜けている。突き抜けていますよ。これは六甲ミーツアートとは別枠で2010年に作られた展望台。総工費2億円と言われる。今や、六甲山でアートといえばこの蜘蛛の巣、細胞体のイメージが定番となっている。そう私ったら、ここに来るまではミーツアート関連作品だと勘違いしていた。六甲ミーツアートだからこのメタル蜘蛛の巣を置いてるんだろうっていう思い込み。ぎゃーすいませんって感じ。そうこれは建築物なのです。まあそうだな建築だ。はい。
中へ入っていけた。これも初の発見。
ここは「山の天望所(風穴)」。紅葉ちょっときれい。
設計者はあの「犬島製錬所美術館」を手掛けた御方で、外側のビジュアルだけでなく空間の展開が面白い。今まで歩いてきた六甲の地上部分とは全く異なる景色が、建築物の内に秘められている。この写真の光景なんですけれども、四角形に切り取られた景色は、同じ「六甲山」のはずが別物となってあらわれる。
そして最深部に 作品。
○八木 良太(Ryota Yagi)/《Clock Tower》
シャンデリアのように光が下りてくるが、吹き抜けの空からの明かりなのだった。
現地では常設だと思い込んでいたが、このシャンデリア状のオブジェは六甲ミーツアート2016の作品だったのだ。うへえ。ゆるやかな螺旋を描く円形の空間には、NTTの時報が鳴り響く。ピッ。ピッ。ピッ。ポーーン。少々怖いが何か中毒性もある。時間の概念に触覚で触れられるのが面白いせいでもあります。
よく見ると腕時計で出来ている。垂れ下がったそれらは時間の抜け殻、残骸のようでもあるし、時間という考え方を絶えず生成し続けているマシーンのようでもある。そういうわけで大いに気に入り、私はしばし時報漬けになった。そうだ時報で漬物をつけたら時間の味がしみこむんじゃないかな。だめ。はい。
六甲ミーツアートのタグ検索をすると、なかなかの確率でこの枝垂れの細胞フォトが出てきます。みんな大好きだということがわかった。まあその、私もすきです。はい、細胞が好き。
六甲ミーツアート脱線しとるがな。
つづく。