2012.8.4(土)【登山】剣岳(1) 室堂-雷鳥沢-剱御前小舎
剣岳に行こうと思ったら、できるだけ早く室堂に出て、ひたすら登山道を歩かねばならない。
朝の5時頃から、ケーブルカー立山駅はチケットを求める客で賑わっていた。
昨日はレトロ鉄道を追いかけて楽しかった。
チケットの販売開始時間は、駅前に前夜から張り出してあった。
5:20。
私は5時から列に並んだ。
それで入手したのは第2便の6:10発分。
購入に際しては、行列の混雑を緩和するために、グループの場合は代表が一人で人数分を買うようアナウンスが繰り返された。
複数名の場合は一人が買いに行き、残りのメンバーは寝ていればいい。
また、通常は20分間隔の運行のところ、3連休で混雑するため10分間隔でピストン輸送するという。
チケを買ったらいったん「千寿荘」に戻って荷造り、朝食。
すぐ朝の6時になる。
6:02 ケーブル立山駅。
みんな、やることがなくて、並んでいた。
こんなに殺到して、乗れるのか?といつも不安になる。もちろん、焦る必要は一切無いのだが。
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路線距離(営業キロ):1.3 km
軌間:1067 mm
高低差:502 m
(立山駅・標高475m~美女平駅・標高977m)
勾配:最大約30度
所要時間:片道約7分
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車内は活気にあふれていた。穏やかなアッパー系の香りがした。
今日は晴天で、良い一日になり、穏やかなアッパー系の一日になると確信した。
なかなかの混雑ではあるが、全然余裕であった。
美女平に着いたら、すみやかに列を作らされ、立山高原バスへ乗り継ぎとなる。
ここでは大荷物(重量10kg超のもの)は別途300円を支払ってトランクに入れることが求められる。
露骨に巨大な荷物の場合、係員に促されるが、きわどい場合は自己申告になる。
なお、バスは通常の団体観光に使う程度の、特段の工夫もない小狭い車内になっているので、無理に中に荷物を持ち込むと、身動きが取れなくなる。
ゆったりと車内で景色の撮影をしたいと思ってる人は、金を払って預けた方が無難。
そして7時頃、早くも室堂ターミナルに到着。
全てはここから始まる。
これまでは単なる旅行で、室堂からようやく「山」です。
室堂の1階(高原バス・トロリーバス発着場)から、2階へ上がる階段の踊り場には、登山届や、立山一帯のルート情報、事故情報の速報がある。
雪渓のコンディション―アイゼンの要・不要や、山小屋の受け入れ状況、ルート崩落などの速報は必須。
(´ `)やはり地獄谷は通れないのか。。
今年に入って、地獄谷の有毒ガス濃度が増したため、通行止めになっていると聞いた。
浮世離れした、というか、毒づいた火星のような不気味な退廃感がたまらなかった。
装備は完璧、アクエリアスも十分に持ってきた。重すぎるぐらい完璧にアイテムは揃ってる。
あと、必要なものは?
日本刀??
室堂オリジナル日本刀。
小さいのを一本仕入れた。山小屋で買うと高いからな。
7:15 室堂
標高いきなり2,420m!
交通機関でチート級のスタートだ!
ここからやっと登山だ!いくぞ剱岳こんちくしょう!!
昨夜の立山、厚く垂れ込めた霧の層が嘘のようだ。見事な晴れ。
では、今回のルートを確認・・・。
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<コース>
室堂→雷鳥沢キャンプ場→(雷鳥坂)→剱御前小舎→(雪渓横断)→剣山荘
(55分) (1時間50分) (1時間)
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剱岳直下の剣山荘まで、ざっくり大きく見積もって4時間弱。
到着予想時間は11時過ぎか。
ただ、途中の疲労によって休憩が長くなるかも・・・
仮に、剣山荘から剱岳へ挑む場合、昼飯の時間も必要になる。
剣山荘→剱岳山頂→剣山荘 で、
2時間半 + 2時間 = 4時間半。
昨年は、剣山荘での昼食後、一気にバテて、剱岳の登りが大変なことになった。
今回正直、どこまでやれるか分からない。
それと、山小屋の夕食はかなり早い。
17~18時に食べることになって、20時にはみんな寝てしまう。
下山で遅れたら、飯もろくに食えないかもしれない。
( ー_ー) 剣山荘到着時刻でその後の展開を決めよう・・・。
7:33 ミクリガ池
アルペンルートの観光者が室堂で拝むところと言えば、この池。
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立山信仰の中では、ミクリガ池は立山地獄の中の「八寒地獄」であるとされた。その反面、「ミクリ」という名は「御厨」と書き、「神の厨房」という意味を持っていた。この池の水が立山権現に捧げられ、この池の水を使って立山権現に捧げる料理が作られたのである。
(引用:wiki)
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ほぅ。
「立山火山の最大の火山湖。面積約30,000平方メートル、水深約15m、周囲約600m。」とのことで、
とにかく空の濃厚なブルーを照り返し、とてつもなく美しい。
もっと早い時期に来れば、雪が池の中まで残っていて、神秘的な光景なのだそうだ。
7:38 地獄谷分岐路
やっぱ通行止めか。毒ガスだもんなー。
究極の珍スポットになっちまったか。
望遠で、地獄谷。
いつ見ても美しい。何物をも寄せ付けない。古くから立山信仰と共に、地獄信仰として多くの人を惹き付けてきた。
今夏は、地獄谷の有毒な火山ガスの増加に関する報道があった。
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同省松本自然環境事務所によると、六月の調査で、噴気孔の位置が移動し、噴き出された泥が遊歩道に堆積しているのを確認。火山ガスの噴出量が増えた場所があり、周辺のハイマツが茶褐色に変色した。担当者は「火山ガスの影響に間違いはない」と話す。
同省は七月末~九月に周辺二百八十四カ所のガス濃度を測定し、濃度分布図を作製する。代替歩道は複数ルートを比較して絞り込み、九月に地元関係者に説明会を開く。
昨季は、吸いすぎると呼吸困難になる亜硫酸ガスなど有毒な火山ガスの濃度が上昇し、広い範囲で警報発令値(五ppm)を超えた。中毒事故を防止するため、今夏から遊歩道二・五キロが通行止めになった。
(引用元:中日新聞 2012年7月19日)
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( ー_ー)確かに去年、地獄谷を通った時、匂いがパワフルだった記憶がある。
みくりが池温泉から雷鳥荘へ下る道。
室堂平の一帯は遊歩道が相当しっかり整備されているが、さすがは山道、傾斜の強い個所は多々ある。
雷鳥沢キャンプ場は標高約2,280mと、室堂の出発点から140mも標高差がある。
立山の主峰、雄山(おやま)。その頂上の雄山神社・授与所が見える。
そして稜線上に続く粒々。登山者の列である。
室堂からのアクセスが非常に容易ゆえ、登山装備が無くてもとりあえず気合いや勢いで登れる。
しかし人間はチリのように小さい存在だなあと感じ入る。
夢の国、極楽浄土のように美しい。
緑の鮮やかさと、起伏の豊かさで生まれる陰影。
彫りの深い美女のよう。
登りで歩くのはしんどそう。
7:43 雷鳥荘。
工場風の廃墟みたいな外観が良いですね。
血の池。
地獄めぐりの定番。
もっと大きくて深い池を想像していたのだが、水たまりみたいだった。
雷鳥荘あたりから見た地獄谷。
いつかガスマスク装備のポイズンデスツアー開催してくれないものか。
7:53
雷鳥沢テント場が見えた。
昨年はこの付近のロッジ立山連峰で一泊してゆっくり過ごし、翌朝に師匠と合流して、剱岳を目指した。
今回は一人だが、ルートの全てが昨年と同じなので迷う心配がない。
昨年の課題、失敗を解消しながら、ペースを維持し、剣山荘に11時までには到着したい。
そうすれば本日中の剱岳往復が可能になりそうだ。
だが、眼前の山:雷鳥坂を越えるのが一苦労だ。
登りの標準タイムは1時間50分。
昨年は飛ばしすぎて、ペースを見出し、剱岳に取り掛かる頃にツケが来て、一人時間差でバテた。その苦しみは本物だった。今回はそうであってはいけない。
ひとまず雷鳥沢ヒュッテからの地獄谷を拝んで・・・
地獄の終点あたり。うむ地獄だ。
これを見ないと立山に来た気がしません。
( /・o ・)いきまっせー
8:15 川を渡って、ふもとの取りつき地点に。
雪が美味そうです。昨年食いすぎて体調壊したので自重。
8:50 登りがひと段落して一服。
休憩は3分以内で、すぐ歩くこと。
歩調は、冴えないオッサンをイメージ。
ざ、ざ、ず、ず、ざ。
9:15頃、稜線上の「剱御前小舎」に到着。
この道を1時間歩けば、剣山荘に着く。昨年は調子に乗ってペース上げて後で自滅しました。
イワヒバリ?
逃げおった。
9:30 眼前の剱岳を見る。
でかい。
/(^o^)\ おおきいです
登山道どうなってんの。
鬼のような巨岩に、アリのような人間が転々と歩いている。
剱御前小屋から剣山荘まで伸びている雪渓。
慣れないうちは少し怖いが、食うと美味いので、癖になります。
( ゚~゚ )ノ 次回はいよいよ剱岳本体か。