nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】2024.9/15_南木曽岳(中央アルプス)_前半:登山~登頂まで

大阪から長野の旧中山道のある馬籠宿・妻籠宿あたりまで車を飛ばし、登って下りて、また車で引き返す。日帰り中央アルプス登山!ぜんぜんいけます!(※翌日死ぬかと思うぐらい疲れた)(余裕だったけど余裕じゃなかった笑)

 

木曽という名がある通り、「南木曽岳(なぎそだけ)」中央アルプス。

日本のアルプスは北・中央・南の3体があるが、中ア(略称)はいつも木曽駒以外が存在感がいまいちなのだ。概要をおさらいしよう。引用の力をかりる。

www.yamakei-online.com

 

わかりましたね。この中アの図にある「安平路岳(あんぺいじやま)」の更に南部に「南木曽岳」は位置する。更に下には「恵那山」、これが中アの最南端になる。恵那山の巨大な姿は高速道路で中津川あたりを通ったり下りたりしているあたりで、その威容がずっと見えているので胸を打たれます。あはれ。

 

ていうか中アの中でも南アに近い雰囲気があり、森がモリモリしていたので、あはれでした。あはれ。

 

1.コース概要

短時間アタックが可能な、小ぶりな山となっております。昭文社「山と高原地図」でも南木曽岳は単独の図で表記されており、何処にも繋がっていない。縦走不可です。

登りと下りでルート指定があり、右回り固定です。安全対策上かなり理にかなっている。

ふもとの避難小屋の駐車場から、頂上を越えて避難小屋まで、登り3時間弱。下り2時間。昼休憩を加味すると5.5~6時間のコース。まあサクッとやれる山であろう。

山頂が1677mとそんなに高くないのも特徴的。山頂は森林限界に達しないので木々に囲まれている。スタート地点が970mなので高低差は約700m。まあ普通の子です。

 

長期で山を登れていなかった私のリハビリとしては最適。よくこんな最適な山があったものだと感心する。今回プランニング等々してくれた師匠(オタケ氏)に感謝。そうです私は山に関しては単独行をしません。一人だと怖いし、思考が暗黒面に落ちてえらいことになりますからな。鬼や魔人の正体は、山や海といった自然の中で狂った人間なのだ。。その(略)

 

 

2.大阪⇒蘭(あららぎ)登山口(4:00~8:00)

ぶっちゃけ車で登山口に向かうのが最初の難関。片道4時間運転に耐えられますか。

運転に慣れていないと厳しいか。いちおう公共交通機関でもめちゃくちゃ乗り継いだら4時間半でいけるようだ。が、最速でも登山口に11時着になってしまうし片道1万円以上かかる。車に荷物ぶちこんで深夜~夜明けに突っ切るのが一番ですわ。

Twitter(X)はポリコレと多様性で群衆がぶん殴り合ってて怖いですね、などと憂いていたら夜が明けていく。朝を迎えるには人類の殴り合いが必要なのだ。理知的なふりをした動物的な暴力が長いまどろみの夜を終わらせ、馬鹿げた朝を切り拓く。やだなあ。

5時。多賀SA。夜は明けても滋賀県は明けない。夜の闇よりも長い、滋賀県。おそるべきかな。近畿の水がめは時の流れをも留めるのだ。ああ太陽がやってくる。あさめしを調達しよう。

 

それでなんだかんだあって、中津川方面に行くには小牧JCTで左側車線に入らねばならなかったのを、ミスして通過、静岡方面に突っ走ってしまう。「おぢには人権がない」「おぢは昆虫か、否」「おぢは昆虫よりも動物的に性的さ肉欲みがあり余計ぐろい」などと議論していたためだ。あえなく春日井で下りてUターンする羽目になる。おぢ神を怒らせた呪いにより小牧の罠にかかる。アウエ。

春日井。

組織は滅びず、ただ繰り返され、個人・私人ばかりが壊れて滅んでいく。見よ!ビッグモーターは今も営々としておる! あれだけ世間様に攻められ燃やされてなお。きっとサイボーグ斎藤元彦もかのようになりたいのであろうな。元彦!お前はヒトか、彫刻か!元彦は活きながら、個にして個・私を捨て去り、生きながらえようとしておる。兵庫県知事という機能に即した人間彫刻よ。だが彼はサイボーグになりきれない、お土産乞食をやりすぎた!浅ましき人間だったのだ。

ヨーゼフ・ボイスが霞むぐらいの斎藤元彦という彫刻的な行政装置を目の当たりにして、何が出来ようか。フェミニズムもポリコレも近親者を炙ることしかできなかった。個を捨てた彫刻相手には分が悪い。そうして中津川ICで下りて、長野県に到達したのだ。恵那山が護る土地に踏み込んだ。山域である。不謹慎な私達は山の世界に入ったのだ。

6:40。何もない、高速道路とでかい車道と工場と民家、そして山。

恵那山が護る土地である、その存在感がでかすぎる。山がある土地というのはこんなにも風景が、背後が「押されて」いるのか。

 

ここから馬籠宿という中山道の宿場町を通って行ったが、ぐねぐねカーブが超連続してきつかった。下りで山道カーブ連続はしんどい。後部座席だったら確実に酔っていた。そもそも8月末に同じ所に来てるはずなのだが、自分が運転していなかったので感覚が全然違う。別の体験になってしまい、同一性がない。じゃあ前回の旅はなんだったの…。

 

7:30、分岐道。

蘭(あららぎ)キャンプ場、登山口へ向かう道、・・・とナビが出した経路に待ったをかける看板あり。どうも手前の道は生活者の多い細道だから、もう少し奥の車道を使えということらしい。

こっちが正解。どっちもどっちな気がするが、ナビでは案内されないので看板に従いましょう。看板が新しいので、それだけ強調したい情報の気がする。

 

7:35「南木曽山麓 蘭キャンプ場」

ここはガチで自然の中のオートキャンプ場だから楽しそうである。けっこう車が入って賑わっていた。いいなあ。tomo-dachiが多かったらそういうこともしたい。おらん。残念また来世で。

nagiso-araragi-camp.com

「登山口そばの駐車場に30台停められる」と「山と高原地図」さんが言ってるから、登山者用駐車場に留意しつつ進む。キャンプ場の中に無いことはわかった。避難小屋の傍に駐車場があるはず。

 

徐々に路面がえぐれてアスファルトが剥がれていく。大丈夫かこれ。

ガタゴト。

 

7:45、なんなんすかこの地。

聖地ですか。

 

駐車場に違いはないが、避難小屋がない。

 

危険そうな鳥居がある。行くと異界に送られてしまうdanger.

 

行ってみたけどその先が何もなくて逆に怖かった。なになにこれなんなの。

 

でちょっと行ったら本当の(地図に掲載されている)駐車場と避難小屋があった。近くにあるんやんか。くるま移動、少しでも登山口に寄せておく。

 

このとき、私達以外には2台。うち1台は作業者(軽トラ)。

こんな山深い所へ来るのはマイカー者しかいない。つまり登山者は2組しかいない。ほぼ無人登山ですか。まあ…大丈夫だろう。

 

無人の「南木曽嶽山麓避難小屋」。こんな平地で避難もへったくれもないので、冬季にチャレンジに来る猛者たちが宿にするのだろうと思われる。ここで登山届を出します。いかなる山でも登山届を出せば安心。

 

天気が露骨によろしくないが、どうなるのか。車で走ってても小雨が降ったりやんだりしていたのだ。台風13号バビンカくんが奄美大島あたりでうろついているせいで天気が不安定です。

 

思えばこの時点でズボンだけでもレインウェア装備にしておくべきだった。

 

 

3.【登り】登山口~分岐点、金時の洞窟、喉の滝

8:00、登るよ。

国有林ゲートを正面突破し、うねうねした林道を歩くのが最もシンプルで王道なのだが、細い「遊歩道」を進む方が直線的に歩けて時間短縮になるようだ。

それで「遊歩道」の看板表示を求めて、「男滝・女滝」の方へ進んでみるが、どうも方向が全く違う、山頂と真逆に進んでいると判明。こういう怪しい道に進んでしまった時にGPS確認できると非常に手っ取り早く軌道修正ができる。

なお、この「遊歩道」は「山と高原地図」には縮尺の問題で載っていない。紙運用の限界も感じる。だからこそいにしえのヤマ屋は「勘と経験」を磨き、あやしげな選択肢を断つことに長けてきたわけで、登山はセンター試験・現代文に喩えられることもしばしば多い(諸説あります)

 

駐車場に戻って再度、看板の地図を確認すると、国有林ゲートのすぐ手前から「遊歩道」の分岐が伸びている。アレー。もうちょっと駐車場から遊歩道入口が分かるように標識立ててくれませんかね、、

 

のと、先ほど行きかけた真逆ルートも最終的にはぐるんと巻いて、正解ルートと合流することが判明。微妙な罠が多すぎませんか。遭難は登山開始時に最も多発します。

 

 

道はなかなか良い。緑が多くて深いのだ。南アルプスみがある。

北アルプスが冷酷な岩稜の牙なら、南アルプスは慈雨の森林。中央アルプスは特徴がよく分からない。

とてもいいですね。緑が深い。

目の前に次々に緑が飛び込んでくる。こりゃあ中アじゃなくて南アだな。

なお感銘を受けている間にもにわか雨的なものが降り注いできており。太平洋の湿った空気が多量に流れ込んできている。

 

ヒキガエルの貫禄。最序盤からのっそり現れてくれて嬉しい。鼓膜が目と同じぐらい大きいのでアズマヒキガエルであろう。毒持ってるから気持ちに余裕があり、あんまり逃げない。

 

南アの特徴として水がとても豊富=コケ、シダ、キノコが豊富。怪物らの天国だ。見よ、真の多様性がここにある。

 

などとリベラルにふざけていたら、雨がマジ降りになってきましてね。空を見やっても薄暗く至る所に雨雲しかない。あーあ。雨天決行です。しばらく無視して歩いていたものの、にわか雨とは言い難い雰囲気が漂い、ザックカバーとレインウェア上を装備。

しかし登山ブランクが半年近くになると一つ一つの判断と行動が遅く、もたつく。悲しいかな、それにザックも新調していて、ザックカバーの留め具をどこにどう掛けたら最適なのかが分からなくなっている。もたもたする。これが王天君の酸の雨なら死んでいたぞ!うわあ。

 

そして装着後、しばらく歩いたらもっと雨が強くなり、また判断に悩む。鱗滝さんに平手打ちされるあれです。判断が遅い。

あえなくズボンもレインウェア装着。初めからフル装備に踏み切らなかったのは、純粋に暑くて大変だから、できる限りレインウェアを避けたかったのだ。真夏を少しマシにした程度の涼しさしかない。

 

わあい登山案内図だ。概念かよ。わからん。

 

「引き返すも勇気のうち」そう言わんでくれ。今来たとこやぞ(※約45分)。雨が降っていて帰りたいのはやまやまだが、この雨量でひき返したら村の臆病リストに残りかねない。

 

なんと金太郎:金時童子の産湯の池伝説があるのだ。どういう経緯かは不明だが、伝説の洞窟があるらしい。

『衛府の七忍』読んでからというもの金太郎がオーク級の化け物に見えてならない。

 

進むと巨大な木の壁。砂防ダムか?

コンクリではなく前面が木材に覆われていて、こんなウッドゴーレム仕様のダムは初めて見た。存在感がある。周囲も土砂を積んでいて更地になっている。水害で流されたのかもしれない。

 

厄介すぎるのが、登山道にしか見えない無関係な道、階段。これやめてぇ😂 いつもの登山なら、太い林道から山の中へ入っていく細い登り階段は正解中の正解なのだが、これはただの「かつて使われていたであろうダムを越える道」。今は水害後の整備でダムの真ん前をⅤの字に横切るルートがあるが、かつてはここを歩いていたのだろう。

 

何れが正解の道だか分からなさ過ぎて、GPSが無いと詰んだり消耗する事案が多すぎる。山は登り始めるまでが一番難しいという逆説があります。今回はひどい。

 

砂防ダム2。こいつも木製仕様。環境保護で流行ってんのかなあ。

 

橋を渡るとようやく真・登山道である。今までの道は何だったのか。経験値の足りない者をふるい落として寄せ付けないシステムこわ。

しかし緑が豊富ですね。理系の脳内みたいな理路整然たる杉林じゃなくてちゃんとしたモサモサした森林なのが嬉しい。

 

紹介が遅れましたが今回はEOS 5D Mark Ⅳに100㎜マクロレンズを装備。一眼レフはその1本のみ。あとは記録用にSONY RX100M5Aを使用。そのため自然の造形物に対するアプローチがいつもよりぐいぐい寄っており、やっててかなり楽しかったです。

ただしまともに雨が降ってくる中をRX100M5A使うのはかなりの不安があり。どこまでの堅牢性があるのか誰か教えてほしい。

 

9:05、下り道との合流点。登りと下りでルートを分けられ、右回りでぐるっと登って下りてくるため。ルート自体を指定しているのも珍しい。

雨が降ったり止んだりで安定しないが、だいたいこういう日は「やんだな」と思って装備解除するとまたザーて降ってくるのが常。暑いけれどもレインウェアやザックカバーを着けたままGOします。

 

9:07、「金時の洞窟」。

洞窟というかデカい岩と地面の隙間である。ここで金太郎が生まれた? 石、岩の詰みあがった向こう側にあり、めんどくさいので調査はせず、登ることを優先。疲れてるんだかテンション上がってるんだかよく分からない。思考と行動が直線的になるのは疲れてたり余裕がない証拠なんだよな。

 

岩の道が続く。接待登山道ではなく程よくワイルドなので気持ちが良いです。単調な既製品の段差が続くのはつらい(白山聞いてる?笑)

 

視界を跳ねるものあり、雨の水滴ではない。ニホンアカガエルと思われる。

 

「足元注意」はもはやダチョウ俱楽部伝統の前フリ。注意してても滑ります。雨で木材階段がすごく滑って凶器と化してるんです。すごいよ、真横に滑ったりするから。ビジュアル的にはいかつい山といった感じでたいへんよろしい。100㎜望遠の圧縮が効いていて傾斜が際立って写っているせいでもある。

 

9:20、「喉の滝」。

見えない地下のこと。岩石が積み重なった地層なので、流れてきた水が地下に落ちるらしい。かつての滝壺も10数m地下に埋まっていて、「水神や経文が岩に彫られたまま埋まっているといわれる」まじすか。

 

分かるようで分からない登山道案内図。半分ぐらいまで来たことが分かった。分かりやすい。どっちや。半分とは言わないまでも、2/5は歩いた気がする。山頂まであと90分。まあ短いコースだ。短いということはそろそろ急登が続くはず。

 

 

4.【登り】階段、鎖場、山頂へのピーク

雨が降ってるとカメラが濡れるわコンデジ撮影に苦慮するわでめんどくさいのだが、レインウェアが暑いので、雨が降っててくれないと汗が不快になる。自覚はないが汗を多量にかいていて、雨で濡れているはずの頭・髪の毛を触るとベットリする。脂分を含んだ汗だ。やだあ。私たちは毒に塗れて生きているから、自然の中で運動をして内側から燃焼しドロドロになることでデトックスする必要があるのだ。死んじゃう死んじゃう!

 

しかし雨だけなら不快なだけで済むが、足元に木材(丸太、角材)の階段が敷かれていると、濡れてすさまじく滑るため、危険度が一気に増す。見ればこの先ずっと木材階段ではないか。晴れていれば楽勝だが、雨になると緊張を強いられ続けるコースに変貌する。実際、すごい滑る木が紛れており、危ない。あっ"(ツルー

 

 

 

師匠のオタケ氏は掟破りの折り畳み傘を採用。だが意外や意外、これが効果的に見えた。吹きっさらしの高山の稜線上ではなく風のない森林帯なので、傘で雨を防ぐ方が理に適っているようだった。レインウェア暑いねんな。濡れたくないなら傘でええやんという理屈。ただ片手が塞がるので足元の悪い下山時などには不向き。

 

とは言え、雨だからこそ樹々、笹、地面、キノコなどが艶っぽく美しくなって存在感をマシマシにしてきたのは言うまでもない。カメラがボタボタ濡れるのは厄介だが、雨ならではの美がある。美。そんなイージーな言葉を使うと莫迦か阿呆になってしまうので避けねばならないのだが、いやこれ美しいすわ。

 

 

雨に濡れて木々や地面が肉感を帯びる。肉です。世界は受肉される。物質の、名詞の、視界内の図像の、中身が入ったように見える。

そういえば視界が変だ。立ち止まって靴ひもを直すなどして頭に血が上ったり、ポカリを飲んだりすると、視界が一気にクリアになる。おかしいな? つまり自動運転で歩いていて視覚情報の処理は無意識のうちにカットされていたようだ。疲労感はないので、丁度良いテンションであることに間違いはない。元気なのだ。ゲラゲラ笑いながらリベラルが~ポリコレが~~やすこが~フワちゃんが~テレビが~と悪態をついている。元気だ。おぢ、みんなおぢ。人間はおぢ。

たぬかなを一番見ている層は、福祉が必要なチー牛ではなく、「チー牛を嗤える立ち位置にいる、あいつらとは違う、俺」な連中であろう。フワちゃんは堕ちてもそこには行けない。なぜならフワはテレビ側の人間だからだ。あれは言語の根が邪悪な人間にはできない。 ※本当にこういう会話をしながら登山しています。

 

精霊を感じる樹が立っているのだ。なんでや。立ち姿に惚れる。これは初恋も同じ。居住まい、立ち姿に惚れておかしくなるのが人間。

 

樹の幹が黒くて角ばった筋肉質の肉体に見えてくる。濡れると肉化するのだ。

焼きすぎ餅みたいなサルノコシカケがすごいんすよ。雨濡れで焼きすぎ感が出る。そしてこんな美味しそうな焼き色が付いているわりに触るとカチカチに硬くて全然美味しそうじゃない。カチい。

 

ゲーム世界。SF、サイバーパンク。自民党。宗教。ニッポンの真の支配者・徳川の末裔。徳川一族を操るアケメネス朝ペルシア。血統の力。強力すぎる物語が紡がれて人はその強い物語に回収され、人間性を回復し充填される代わりに、科学的・客観的な椅子を手放す。マジで徳川やばいらしい。その事実をばらすと命がないとも言われている。良いのか私知ってしまったぞ。この山から帰れるのかなあ。 ※本当にこういう会話をしています。

 

9:45、鎖場。

お。いよいよ出たな急斜面 × 階段 × 鎖場。

?どう考えても鎖が要らないコースだが? 階段がしっかりしている。なのに鎖がけっこう長い。ある時期まで下りでも使われていたのか、高齢者が集団で来るのか。段差のきつい木製階段で雨天だと、下りに鎖はほしいかもしれない。滑るから絶対にどこか握っていたいねんな。

 

奇岩の類も出てきて、山の深さを実感する。

ラミアの冠。私が名付けた。今回の登山で最も優美な姿をしていました。上から回り込んで見ても良い姿。山によっては珍しくもないが、これは階段を上っていると遠くに、視界の真ん中にその冠姿が現れて、誇らしげに立っている姿へ向かって徐々に近づいていくシチュエーションが良かった。

 

 

 

9:55、鎖場と木製スロープの分岐

そして南木曽岳のハイライト、急な岩と鎖の登り。その隣に、迂回用の立派な木製スロープが併設されている。

無理もない。鎖場の方はこれまでとレベルが違う。「鎖を掴みながら階段登ればいいよ!」てなもんではなく、普通に岩登りになっている。岩やん。さすがにこれは万人向けではないと判断されたのか、随分立派な迂回路が出来ている。どっちが迂回や。

この「ガチ岩場登りと穏やかな歩道の二刀流」パターンは既に石鎚山で経験済みである。(もっと極端なやつでしたね) 雨さえなければ楽しいだけだが、岩の種類やコンディションによって靴がどのぐらい滑るか、やってみないと分からないのが怖いところ。やってみましょう。どっちも滑りそう。

 

あ~~岩ですね~~。これは岩。

けっこう怖い。

 

岩のサイズが大きいのと、傾斜がかなり急で、足場も少ない。足の移動が垂直に引き上げる動きになるので、純粋に足場のホールド感と、筋力の問題になる。濡れてて怖い。あと一眼レフとカメラポーチが胸側に来てるので、岩にしがみつくと体勢が不安定で、力を入れて登ると股関節へ変な痛みが走った。大丈夫か。

 

まあまあ急。直角に近い切れ方をしている。

鎖を使わなくても登れるが、高度差があり、何より濡れていてイヤな感じだ。乾いていたらホールド楽勝なのだが…。そしてカメラポーチはカメラ以外の物品を入れすぎで、一眼レフの入れ場所がなく、カメラが胸元でブラブラしている。実に登りにくい。何をしているんだろうか。

 

立派な岩ですこと。三点支持ができない人は退場。

岩の上部が見えてきた。鎖があるから安全ではある。滑り落ちないようにしましょう。しかし妙義山や戸隠山に比べれば別次元に簡単なのでお楽しみください。

 

10:10、「頂上まで530m」。

なぜ刻んだ…。道のりか高低差か分からんがあと530mらしい。道のりであってほしいものだ。しかし山道の500mはけっこう長い。さ、酸欠。

 

頭上を覆っていた木々がようやく空いてきて、笹が主体になってきた。標高が高い証拠だが、この山は最高1676mだからこれ以上の変化はない。アルプス軍にも中庸な山がいたとは。

雨は降ったり止んだりしており、カメラはビシャビシャです。カメラバッグ(ウエストポーチ)はコンデジやバッテリーでいっぱいのため眼レフが入らない。こういう時に中級機以上のスペックがあると「防御力が高いから気合いで何とかなる」戦法が可能。

なおかつEOS 5D Mark Ⅳの価格なら多少荒く使っても許される気がするんよな。ミラーレスのR5になると本体のみで50万円超のため雑に使いづらい。

ヒキガエルの生息域が広いことに驚いた。カエルが豊富ということは・・・。実は道中で蛇らしき生き物の尾を目撃したが、気付くのが遅すぎて正体を暴けなかった。残念である。

ヒキガエルは毒があるのであまり逃げないが、サバイバル登山家・服部文祥は巧みに皮を剥いで洗って毒を落とし、食用に用いていた。めっちゃ食うやん。ヒキガエルが食用に使えるなら山中の行動の可能性が色々拡がる気がする。そのぐらい無防備にウロウロしている。

10:36、「かぶと岩」の案内。

 

どこのこと言うてんのこれ ( ´ - ` )

 

ないねんけど、空に突き立った形とやら。

真っ白な霧の向こうにあるのか?

 

やらしい木の階段が続く。鎖はもうない。古びた丸太で濡れてて急角度で、これが下りに出てきたらすごく嫌だな。出てきますよ。えっ。木の階段と鎖の数からすればどちらのルートも大差がなく、苦しめられるのだった。

標高が低いせいでいつもと違って左右が切れ堕ちた稜線や、頂上があると思わしき目立ったピークなどが全く見えない。霧と樹々ばかりだ。白い。

だが目の前には大きな登りのピークがある。これを乗り越えた先か、あるとすればもう一つピークがあり、それでもう頂上だという感じがする。

登り道の一番上に巨石が網を巻かれて鎮座していたので、これは頂上と山岳信仰の何かだと確信していたが、近づいて見てみたら、通行を安全&スムーズにするために置かれたただの岩とただのトラロープだった。こんな分かりにくいトラップあります?? 山頂や山岳信仰と関係ないのであった。

奥に真っ直ぐ立つ木の柱が見える。これは山頂か?信仰や歴史のモニュメントなのではないか?期待してしまう。ただの真っ直ぐな木でした。少し下からもその姿は見えていて、不自然に真っ直ぐだし、木の皮もなくて白くて加工物ぽいから、モニュメントに見えてならないのだった。雷でも落ちたのかな。

こいつ。真っ直ぐでしょう。真ん中が黒いのを見るとやはり枝葉が落雷で燃えて1本の柱になったのだなとわかる。

この真っ直ぐなモニュメント木が現れるあたりで、道に高低差がなくなり、広く平らなピークに辿り着いたことが分かる。
そうして歩いていると唐突に「山頂」が現れる。

 

つづく。

 

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