大阪・関西万博レポ④、15時半を回ると、ついに並んで入れるパビリオンが尽きてしまった。さまよいました。

- ◆15:25~15:35 ブルーオーシャン・ドーム付近
- ◆15:35~15:45 ガンダム、吉本、ミャクミャク様
- ◆15:45~16:10 郵便局、クロネコヤマト
- ◆16:10~16:20 西ゲート付近、ミャクミャク様
- ◆16:20~16:30 イタリア館、アート作品
スペイン館まではうまくいっていた。しかし15時を境に、潮目が変わった。どのパビリオンにも入れなくなったのだ。当然ちゃ当然で、朝から来た人はまだ帰らない、しかし後から後から来場者は入ってきており、会場内の来場者は増加し続けている。そのピークがおそらく15時~17時台になるのだろう(憶測でう)
「パビリオンに入れない」には2パターンあって、
・行列が5時間待ちとかで実質的に無理
・行列を打ち切っている(入場制限、再開未定)
後者が一気に増えていったのだ。
万博会場、特に大屋根リング下は人の往来が激しいので、無制限に行列を作らせると混乱が生じる、しかし客は「並べば入れる」となれば無限に待ち続けてしまう。その対処法が「そもそも並ばせない」なのだろう。
◆15:25~15:35 ブルーオーシャン・ドーム付近
スペイン館の隣、サウジアラビア館は「入場制限中」、列すら不可。


この9/23はちょうどサウジアラビアの「ナショナルデー」で、伝統舞踊やパレードなど様々なイベントが行われていたらしい。行列も制御しきれず観客が殺到してカオスな状況だったとX(Twitter)の投稿を見た。私達が行ったときはあらかた終わっていたのだろうか、関係者らがパビリオン前で記念撮影をしていた。
ここから行列不可のパターンに苦しめられる。オーストラリア館、インドネシア館、インド館、ウズベキスタン館、どれもアウトで、既にできている行列を消化するだけの措置がとられていた。セルビア館は建物外周に延々と行列ができていて、萎えた。

もはや何の列かもわからない。最後尾には一応、どこの館か書いたプラカードを掲げた係員がいたりするが、その最後尾がリング下のどこにあるかもよくわかんないんすよ。




「次の案内未定」の館も、もしかしたら館の周りで張っていたら、行列再開するタイミングに立ち会え、予約ナシでもサッと入れたのかもしれない。こればかりは賭けだ。後に行った小さいパビリオンのEU、バルト、アルジェリアなどはそういう感じで、制限と言いつつもスペース余裕ができたら行列を作らせ、通路が塞がりそうになれば入場制限=行列禁止をかける、ということを細かく繰り返していた。
このへんの対応は経験とテクがいる。
リング外側を見ると、「ORA外食パビリオン」と「ブルーオーシャン・ドーム」の間に、奇妙なものが見えた。黒いものが上に連なっている。
あれだ、石を使ったパーゴラだ。


石はケーブルで貫かれて連なっていて、網がカバーしている。曇っていたので効果のほどは分からないが、ごく自然なものとしてそこにあった。これは万博開催前~開催直後あたりにさんざん批判されたものだ。危ない、信じられない、危険すぎる、etcetc。建築のことは分からないが、あの時の鬼の首をとったような批判とは裏腹に、穏やかな空気があった。み ん な 叩 き 商 法 で 潤 っ て た だ け や な い か 。感情刺激経済圏ほんとやだもう。

歩く度に光景が急変化するのが面白い。吉本のワハハと白いドームが見えてきた。ドーム気になりますよね。ドーム何があるんや。ワンチャンあるかもしれない。みましょう。


2019 年のG20 大阪サミットで発表された、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050 年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとした、来館者が楽しみながら環境保護の考え方を学べるパビリオンです。
もちろん展示本体は予約がないので観られない。内容は、水資源を大切にしましょう、海洋汚染をしないように。
フリーで入れる物販スペースとかは・・・記憶にない。写真も残っていない。なんか売ってた気がする。
ドーム見ながら歩けたら満足です。



タスケテー
◆15:35~15:45 ガンダム、吉本、ミャクミャク様
ブルーオーシャン・ドームの隣が「GUNDAM NEXT FUTURE」だった。いったんパビリオンは諦めて、西ゲート付近でガンダム見たり、公式ショップを回りましょう作戦。

大屋根リングの構造を観察するのも今回が初。
4月に初回来場した際は、西ゲート入場だったが、気持ちの余裕がなさすぎてパビリオン以外を何も見ていなかったのだ。
まずガンダム。



サイズ感、ポーズ、ロケーションのせいか、パトレイバーに見える
17m、実物大らしい。アニメで観ているともっと大きいと思っていた。
型番は「RX-78-2」、いわゆる初代ガンダム。アニメで見た機体よりもっと現代的でかっこいいから別物かと思った。
なお不本意ながらこの片膝ついて天を仰ぐこのポーズを見ると、例の問題児コスプレイヤーを反射的に思い出してしまった。SNSと写真とが無意識へと刷り込むイメージというのは思いのほか影響がでかい。記憶が染まるのだ。むかつくことだが、あの自分の都合ばかり主張するコスプレイヤーが、万博会場ガンダムのイメージまでをも占領(染領)してしまったといえる。

ガンダム年表は初心者には難しすぎるのでカット。現在、zzで挫折中。
ミャクミャク像を拝みましょうね。いつからこんなに神々しい象徴となったのか。


ひっきりなしに真正面に記念撮影者が入るので、ピュアな単体撮りは不可能に近い。雑然とした感じで撮りましょう。現場での興奮度は高い。万博会場でミャクミャク様を拝むのは、内面と外部とが一つに束ねられるような体感がある。私の中の「万博」という体験や理解が、外部の建築や空間や混雑や熱とが、ミャクミャク様によって一つに、合致するのだ。
思うに万博開幕までは、ミャクミャク様は政治的すぎた。
大阪・関西万博を推し進め、何が何でも開催し、開催するからには成功でなければならないとする、大阪府政のプロパガンダ、宣伝工作のための兵器であり先兵であり犠牲者だった。大阪府下のマイナーな市町村にばらまかれ、小さなJR駅前や商店街にまで、すみずみにまで派遣されていった。つまり「大阪維新の会」の政治的な飛び道具だった。政党のポスターとミャクミャク様は何ら変わらなかった。「大阪・関西万博」の「開催」という既成事実を、更に次の「成功」という既成事実へ推し進めるために、ミャクミャク様は動員された。にこやかな地雷のようだった。
それが、万博開幕後は、漠然と大阪維新の会(特に吉村知事)に紐づいていた「大阪・関西万博」が、みんなのものになった。
一般庶民個々人の体験となり、感情となり、生活や人生にストレートに落ちてきた。
ミャクミャク様も同様に、具体的に来場者個々人が触れて愛でるキャラクターへと変質していった。
大阪府、というより大阪維新の会、特に大阪府吉村知事に直結していた万博とミャクミャク様は、庶民ひとりひとりのエモーションや体験へと再回収され、所属の紐づけが完全に切り替わったのだ。
これほどに劇的に所属の紐づけが変わったアイコンは、他にあるだろうか。私が大阪府民だからよけいに実感が強いだけかもしれないが…。


なお吉本興業のアイコンについてはそもそも見たことがなく、初見で、「でかくてまるくて存在感がある」以上の感想がないので、ぬるく眺めるにとどまっています。
わけのわからんものが視界の大部分を占めるのは良いことです。
◆15:45~16:10 郵便局、クロネコヤマト
雨も降ってきたし、無目的に散策するのも限界があり、何か細かく成果がほしい。
郵便局を通りがかり、「手紙出す相手もいないしなあ」とぼやいていたが、「大阪・関西万博デザインの切手だよ。ポストカード付の85円切手シートは万博会場内の郵便局限定。他では買えないんだよ。」と小さな説明書きがあった。おいそれは重要な話じゃないか。並ぶ。

この案内、見落としてる人は多いと思う。切手なんて使わなくても全然いいですからね、記念に残せればいいですからね。


郵便局はPRが控えめなのだ。中を覗くと、ミャクミャク様ではなく「ぽすくま」しかいないので、万博と無関係に見えてしまう。
切手買うだけでは飽き足らず、葉書も買って万博記念スタンプを押してもらいましたよ。

郵便局は東西それぞれのゲートにあり、大屋根リングのスタンプは東西合わせるとリングが完成する仕様。げんきがないので東はいきません(疲れた)。

一般に販売されている大阪・関西万博記念切手シート。これミャクミャク様が可愛くて2枚買うか迷った。しかし切手をみだりに使うシーンは想定できないので1枚に。切手でなく普通のシールでも売ってほしいなこのデザイン(良き)。


会場限定のシート。A4サイズ二つ折りでやや豪華。キャラデザ的には一般向けの方が好きかな。
後に公式ショップに挑もうとしたが全く入れる余地がなかったので、実質的にこれがメインの万博みやげとなりました。倹しい生活。
隣接する「クロネコヤマト」も寄っておきましょう。何かあるはず。

荷物輸送時の注意喚起シールが無料で貰える。まあ1枚たりとも残っていません。

くろねこがリアルすぎてびびった。怖くなったな、、、

こういうキャラ絵を期待してたんだが、、、
展示としては、据え付けタブレットで顔登録して顔認証、宅配ボックスをあけてみよう、というライトな体験版。
◆16:10~16:20 西ゲート付近、ミャクミャク様
更に隣のオフィシャルショップ(JR西日本、近鉄)へ入るつもりだったが、パビリオンなみに行列ができていた。しかも2つのショップでそれぞれに行列があり、中では繋がっておらず、2店ともに入るためには並び直さないといけないっぽかった(憶測)。しにます。スルーします。

奥にある白いあたりがショップ入口で、行列がつづら折りに。やば。
まあまあ疲れてきてるのでむりです。梅田の大丸とか心斎橋PARCOにオフィシャルショップあるでな。
トイレ付近をうろついていたら、ARTがありましたよ。


金氏徹平《Hard Boiled Daydream(Sculpture/Spook/Osaka)》。これは「Study:大阪関西国際芸術祭」の枠組みで展開されるアート作品だ。
アートがここまで霞む場所が他にあっただろうか。
歩き回れるけれども人が多いので、自由自在に散策するという感じではない。ちょっとどこかへ行こうとするのも面倒というか、どこ行くの?って感じで。西ゲートの更に奥にある「未来の都市」や空飛ぶクルマのエリアまで足を延ばそうという気分にならなかった。またパビリオン攻略に戻りますか。

アトムがいますね。
パソナ館は貝殻のフォルムにアトムが座っている。ここでも「心筋シート」展示があり、医療・健康と技術、未来のテーマを扱っていて、。「大阪ヘルスケア館」よりも劇場的な見せ方になっているようだ。はいらせてよ。

さてこのあたりで私のカメラがバグった。


露出がおかしいのがわかりますか。過度にプラスへ振られている。しかもシャッター切った後に「エラー01」、カメラとレンズの接続不良が表示されるようになった。
ズーム側にレンズを回すとエラーになる。あーあー。。
※後に修理費用58,000円かかるとサービスセンターからTelもらいました。あーあーあー。

「ゆ"っくりしてい"ってね"」

こみゃく


大屋根リングに戻ってきた。通勤時間帯の御堂筋みたいになってる。
◆16:20~16:30 イタリア館、アート作品
ものはためしということで、だめもとで確認しましょうね。
ベルギー館がありますね。


館の前に行列あり。記録は残ってないが、並ぶ選択肢がなかったので、入場規制されていたか、数時間待ちだったと思われる。
照明器具みたいなやつがかっこよかった。
その隣にイタリア館、ワンチャンいけるか?と確認、、、するまでもなく、5時間待ち+入場規制、今並んでる人で終了、みたいなお手上げ状態だった。可能性がないという戦いでした。

イタリア館です。
ホームセンターのすだれではない。
一眼レフの広角レンズが使えなくなったため、イタリア館全体像の写真が残ってない。いやコンデジは持ってるんやけどね、、気力がもうなかったのか。私の悪い癖がよく出ている一枚です。


最後の理性で鉄仮面だけ記念撮影したよ。「Snt'Elmo サンエルモ」、「彫刻家ミンモ・パラディーノによる、長いとげを持つ兜の形をした巨大なアルミ彫刻がイタリア館の前に設置され、古典文化とイタリアの歴史を象徴しています。」オペラ座の怪人みたいな、古典作品の登場人物、ではないらしい。
入れる館がない。詰んだ。
いや。マイナーな館に行けばいいんや。
コモンズ館に行けば何とかなる。



車椅子が大量にある。檜皮一彦《HIWADROME:type_ark_spec2》。
大屋根リングへのエスカレーター下にあり、サイズも大きいので、存在感がある。「Study:大阪関西国際芸術祭」作品の中でも気付きやすい。


そしてエスカレーター側面を彩る、こみゃく。

こみゃくの無限さはこれまでの「デザイン」や「キャラ」の枠組みを超えている。キャラなのにデザイン的で、デザインと呼ぶにはあまりに形がなく曖昧に、その場その場で姿形を変えて繁殖していく。
つづく( ◜◡゜)っ