nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

★大阪・関西万博★2025.9/23_⑤アルジェリア、カンボジア、バルト、EU

大阪・関西万博レポ⑤、16時半頃になれば小さなパビリオンに入れる希望がでてきました。アルジェリア館、カンボジア館、バルト館、EU館を立て続けにやります。

 

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レポ④で書いたとおり、イタリアだのベルギーだのでかいパビリオンには希望がありません。向かいのセルビア館も行列の終わりがどこなのかわからないそこで、仮に並ばされても短時間で済む(はず)の小さなパビリオンを集中的にいきます。

X(Twitter)で配布されていた「つじさん(@t_tsuji)」のMAPでも、細かすぎて一つのハコに「欧州連合(EU)、バルト、アルジェリア、カンボジア、チュニジア、チリ」「バングラデシュ、セネガル、エジプト」とまとめて書いてある。

 

しかしこの小さな館でも全部は回れなかった。

通りがかった時には、EU館は「行列はあるけど入場規制中」、適当に後ろから並ぼうとしたら「入場規制しているので並ばないでください」とNGを言われる。だが隣接する館は列ができている。どういうことかと思ったら、アルジェリア館の規制が解かれた。

「アルジェリア館に入られる方はお並びください~」たちまちに集まる人々。支援物資の取り合いみたいや。

だがこれでパターンが掴めた。入場規制されていれば、適当な距離で様子を見ておき、係員が動きだしたらそっと近づき、列OKになれば並ぶ。その繰り返しで全部いけますやん。

 

◆16:30~16:35 アルジェリア館

アフリカ、アラブ、地中海沿岸地域で最大の国という。

国土の8割をサハラ砂漠が占めているという凄まじい国。

展示は石器時代の土器、女性だけが奏でられる一本弦の民族楽器「イムザッド」、サンゴをあしらったアクセサリーから始まる。

展示をゆっくり見ている余裕がない。それなりに客が多いので効率よく記録撮影を行うために、撮影の仕方を優先して考えているので、気が気でないのだ。あわわ。

少し広いフロアでは壁3面を使った大型映像が流れる。アルジェリアの概要として、ホガー山脈に代表される自然地形や、それと対になる近代的政策として農業政策や無料教育、医療施設のアピールがなされる。砂漠に圧される発展途上国などではないというプライドを感じる。

 

映像の後はパネルで、砂漠化に抗し、持続可能な農業に取り組んでいることを解説。具体的なモデル事例として「カサル・タフィレルト」という「都市でありながらクサール(要塞化された村)としての特性を併せ持つ、ユニークな都市空間」が紹介される。

やはり人間に手に負えないぐらいの大自然と近代的高層建築物とがセット。だいたいの国はこれを言う。

 

◆16:35~16:48 カンボジア館

いきなりアフリカ⇒東南アジアで気持ちが追い付いていないが、半ば鑑賞実績数を稼ぐだけのバーサーカーと化しているため気持ちが異様に大らか(雑ともいう)なのだ。

 

外観がカフェやマッサージ店ぽくてカンボジアとわかりにくい笑。おしゃれでいいですね。

メコン川なので魚、漁。コイ科ですかね。

また床に小さな文字の解説を置くから読むのがしんどいんや。

「ラタナキリ州東部では、少数民族が湖で網を使った釣りを楽しんでいます。」

それ仕事では???

 

解説では、伝統的漁法から持続可能性を重視した現代的な取り組みにシフトし、クメール・ルージュによる混乱もあったけれども現在は持続可能な養殖、水産資源の保全、技術革新に取り組んでいるのだと。ポルポトの話をもっと聞かせてください◎

魚と対を成すのが牛。「コープレイ(Kouprey)」、「野生の牛」を意味するクメール語の名をした牛で、2005年にカンボジア王国の国獣に指定された。野生のコウプレイは世界に250頭未満しか残っていないと推定され、レッドリストで「CR(深刻な危機)」に登録されている。調べると絶滅説もあって哀しいんや。

 

カンボジアといえば仏教、アンコールワットですね。そういう空間になっていて驚いた。仏が、来ます。

パビリオン内部は「コー・ケー遺跡群」をモチーフとし、石段のピラミッドが会場奥に聳え、床には川と水田、稲作が合わさり、カンボジアを凝縮した空間となっている。

アジアに疎くてアンコールワットしか知らなかったが、コー・ケーをはじめとして他にも大規模な遺跡が多数あることが分かった。しかしピラミッドと水田の組み合わせは見事である、これでカンボジアという国の要点が一発で分かる。考えた人めっちゃえらい。人事評価は高くしてあげてほしい。

端に様々な歴史的展示品がある。アンコールワットの模型も。

動線脇に産業の紹介としてカシューナッツ生産の紹介があり、森の創出からフェアトレードから資源活用、雇用創出の地域活性化といいことづくめのサイクルが。カシューオイルもとれるんですね。

「J-TOWER 3 コンドミニアム」、カンボジア最高の高さ333mを誇る物件として、なぜか物販コーナーにて登場。さすがに寺院や遺跡とは相性が悪かったか。なお、あべのハルカスは300mです。ちくしょう負けたぞ(´・_・`)

jp.j-tower3.com

生胡椒、密林はちみつ。カンポット・ケップの魚醤などが買えます。興味はあるが、行ったことない国の食材はあまり食指がでない・・・あたりまえか。

 

総じて、インスタレーションが良かった展示でした。

 

◆16:50~17:15 バルト館(ラトビア、リトアニア)

どんどん行くぞ、列ができていたら並んで入る。

お次はバルトですわ。

 

「バルト三国」と思ったら、エストニアくんがいない。なんでラトビアとリトアニアしかいないのか、実は不和だったりするのかとやきもきしたが、調べてみると「万博参加費用を削減するため」という現実的なあれだった。浮かれてて忘れてるけど開幕直前までパビリオンの手が上がらないとか建設間に合わないとか相当やばかったもんな。

 

⇒よくまとまってるサイト

global-biz.net

さてラトビア・リトアニアの知識・印象がないのでイメージが付かないが、待機している時から館内の展示がチラ見えしていて、それが漢方薬局西欧版という感じで、草の標本がずらりと並んでいるのだ。「大自然⇒観光⇒ハイテク産業、現代的政策、経済」の定番の流れではない。

いや実際はそういう流れだったのだが、メインの展示はパビリオン中央の白い壁に定型で並べられたバルト2国の植物・約300種の標本だ。足元から天井までずらっと並んでいて全部の解説を読むことはまあまあ不可能。解説は薬効や食用など人間との関わりが書かれている。自然の特徴は外側壁面のサイネージで軽く紹介されている。

 

プラントサンプルボックスの先には広い、何もない空間が空いていて、座れるようになっている。イベントスペースに使われたのだろうか。妙に広いねんな。

外側の壁には緑のプレートが嵌め込まれていて、なんのこっちゃわからないが、解説にある「KIZUNAの壁」がこれなのか。すっごい結露してるんですけどこれ。

「『KIZUNAの壁』にメッセージを記してみましょう。その言葉がゆっくりと消えていくのを眺め、地球やそこに生きる人々とのつながりに思いを巡らせてみてください。」なるほどデジタルデトックスによって繋がり直す場か。

当然のように召喚しますね(ねこ)。

プラントボックスを回り込むと更に内側に入れる。中は「バラビちゃん」を介したラトビア・エストニアの文化や科学、経済など幅広い紹介コーナーとなっている。

木で作られたイメージパネルがめっちゃ可愛い。

「バラビちゃん」、エリンギか!?と怯えたが(※筆者は台湾旅行で夜市でエリンギ美味しくなくて食べきれずに廃棄した苦い思い出があります)、エストニア語・ラトビア語で「ポルチーニ茸」を意味する単語に由来するという。

でもイラストみたら、キノコ部分と腹部の人間部分と、二つの頭部があるんやね、、これは解釈が難しい話です。現地部族がキノコに取り込まれたようにも見えてコメントしづらい。

 

ちなみに入口カウンターに「バラビちゃん」とミャクミャク様が仲良く並んでいるが、5月、このミャクミャク様が盗まれたという事件が起きた。しかし報じられるや否や、来場者が善意でミャクミャク様を寄贈するという動きがあった。

SNSにより情報と感情が即直結し、そこから自発的に生まれる交流、これが「万博」の現在形かと思わされた。

nordot.app

 

 

◆17:15~17:55 EU館

間髪おかず連打で入館がキマり、非常に喜ばしい状況。ただ足腰の疲労もまあまあ隠せなくなってきた。左腰の痛みがきとる。イタタ

座り込んだり泣いたりしてたら、北欧の勇者風のいけめんが出てきた。

エウロパさん。くん?

エウロパは欧州の精神、価値、未来へのビジョンを体現しており、団結、自由、創造性および持続可能性のシンボルです。​ 

​​彼女の名前は、ギリシャ神話に登場し、欧州大陸にその名を与えた王女に由来します。EU旗と同じ青色を身にまとい、服装は日本的な要素を取り入れています。EUの象徴である青色は自信、信頼および誠実を、また黄色は喜びとエネルギーを意味します。エウロパのマントはEUの金色の星で飾られ、欧州の人々の団結や連帯、調和を表現しています。​

 

ああ女性でしたか失礼しました…。青いし、マントで、勇者と思ってた。

しかし担わされた役目がでかい。これはリベラルとグローバルを指名づけられた世界におけるゆうしゃです

「EU館」って守備範囲広くないですか・・・と思ったら、27の加盟国をこまごま扱うのではなく、「欧州連合」という大きな機関の理念とか方針の話っぽい。

EUパビリオンは、「新欧州バウハウス」の3つのコンセプト、すなわち「持続可能性」「美しさ」「インクルージョン(包摂性)」にインスピレーションを得たデザインとなっています。

はい。理解できるかな、、、

ゆうしゃですねこれは。ゼルダのあの人の北欧版にしか。

なんとなくインクルージョンがSDGsなんだというのは分かった。循環で包括的で未来に向かって開かれていて~~~という感じのデザイン空間になってる気がする。説得力がある。ハイセンスで意識高いビジネスオフィスっていう感じ。仕組みや理屈は全然分からないけど「なんとなくそういう感じがする」という説得力は京都の持つ何かと似ている。

草食性ミャク。

ゆうしゃエウロパ。

木の廃材を再利用して作ったと思われる椅子。背もたれがかなり斜めで背中をかなり持っていかれる。寝てしまうわ。

多様性ってどうやったら多様性といえるのかを誰が証明するのかよくわかんねえすね。「欧州の新たな渡航要件となる欧州渡航情報認証制度(ETIAS)について学びましょう。」もう疲れたのでゆるしてくださいむり

ゼン・・・。

 

メカニカル・ゼン・・・。

 

クリーンでロジカルなカレサンスイを無限に描き続けるロボットアーム

そこには邪念も我欲も交じりようもなく、ただただ演算の美だけがある。

 

JAPANとは逆方向から最短最速で辿り着くゼン・・・

この境地に居たというのかEUはッッッ!!!

 

おおおっっっ

CEOに直電だ! 苦情を申し立ててやるっッ

出ろよ!!!!!

 

なんで通話できねえんだよ自動翻訳ついてんじゃねえのかッッ!!!

 

あ、冒頭で出てきた「新欧州バウハウス(NEB)」というのは、ワイマールのヴァルター・グロピウスのあれではなく「より持続可能で美しく包括的な生活空間への移行を推進する資金調達・政策イニシアティブです。自然を尊重し、ウェルビーイングを高め、多様性を称賛する取り組みを奨励しています。」ということです。まったくわからん。なんか小泉進次郎が気候変動の取組みスピーチで「セクシー」とか要らん言い回しをしたのも同情する、欧米の感覚でいう「美しい」「スマート」「クール」っていったい何なんだよ??? わかった欧米は京都なんだわ。その言葉の中身に触れることは部外者には永遠にできない。

 

多様性と持続可能性って結局何だったのかという宿題が残った。簡単に言うけどそれ教会に行ったことのない人間に「この世界は神様がつくりましたから」ていうてんのと一緒やぞ。

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なおEU館の入口隣に鎮座するこの「顔」、こいつは一体なんなのかと。

行列に並ぶのに必死で説明板をチェックできなかったのだが、調べるとアーティストの作品だった。まあそりゃ中華料理屋の販促物なわけがない。

Benoit+Bo《ハッピー・ヘッズ》。ヨーロッパとアジアの双方に文化的背景を持つ、フランスのアーティスト・デュオ。20年以上も活動実績があるという。こういう雰囲気のお面を被るイベントがあるような。

もうひとつ話題になったのが、ポルトガル館に登場した「桃」オブジェ、この作者がBenoit+Boだということでニュースにもなっていた。

www.j-cast.com

 

小ネタが多すぎて追いきれない、万博おそるべし。

 

つづく( ◜◡゜)っ

 

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