nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】凍った伊吹山(前編)

2010.12.19(月)【登山】凍った伊吹山(前編)

滋賀県は琵琶湖の北。長浜という駅で下り立ち、滋賀県岐阜県の県境に位置する「伊吹山」に挑みました。
さむかったです。
あたりまえや。

 

伊吹山は標高1,377m。
比良山系・伊吹山系など色々な山が並ぶ中で、滋賀県の最高峰を誇っています。
とはいえ、ゴンドラと伊吹山ドライブウェイがあるので、手段を選ばず登るだけならアホほど簡単な山です。
手段をあえて選ぶとなかなか厳しい。さすが千m超えの山である。


ちなみに、伊吹山スキー場は閉鎖されてしまっているものの、その後はゴンドラ等を整理してパラグライダー施設として活用したりしている。

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【参考】「ピステジャポン」伊吹山スキー場、伊吹山ゴンドラの経営を引き継いだ会社のHP。
★Link http://www.ibuki-pj.com/hiking.html
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ではさっそく


一人で登山するほどの度胸やレベルはないので、今回もまたオタケ氏についてきてもらっています。
彼曰く「伊吹山は普通に登っても、一本道で、何のレベル上げにもならん」「どうせやるなら山頂で夜明けを迎えて、琵琶湖北岸を見渡す絶景を撮影しようや」とのこと。


→深夜出発のご来光登山に決定。


暗闇+低温+歩道凍結、積雪という、今までに体験したことのないコンディションでの戦いが望めそうです。まあ実際そうなったので有難迷惑なぐらい経験値を得られました。ありがとうございました。本当に疲れました。転倒しかけたこと無数。


まずは、伊吹山の近く、「三島池」にある「グリーンパーク山東」にてキャンプ泊と洒落込みます。
早めに幕営、夕食そして睡眠を取り、
深夜1時半起床→超早めの朝食&荷物整理→2時半をメドに登山開始、とします。


というわけで、JR長浜駅の駅前レンタカーで車を調達し、三島池と伊吹山の間を快走します。
この散策の時間が大好き。


さっそく、


出たな伊吹山

登山で有名な山というからもっと富士山みたいに尖っていると思っていたが、頂上がやたらと平べったい。なんだこれは?
元は数千年前にできた海底火山で、サンゴ礁に由来するカルスト台地となっているとか。

 

おっと、
くるま急
ブレーキ”!


キキー


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219144757.jpg
電線などに邪魔されずに伊吹山を堪能。
山の前方をずっと走っているラインはおそらく、山から削り出した石灰石を運搬するためのもので、延々と続いていた。


wiki伊吹山」の項目より、
「1952年(昭和27年)6月に、大阪セメント伊吹工場が石灰岩の伊吹鉱山を開業。山腹から専用のベルトコンベアーで、麓のセメント工場まで原材料が搬送されている。」



これ。
中がどうなっているかは分からなかったが、ごりごり石灰岩を運んでいるらしい。


さて、我らが幕営地点だが、「グリーンパーク山東」という非常に大きめのアウトドアレジャー設備があり、悠々と使えた。

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公式HP「グリーンパーク山東
★Link http://www.za.ztv.ne.jp/greenpark/
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普通に宿泊施設あり、コテージあり、キャンプサイトあり。なんと130サイトも幕営できます。むちゃくちゃ広い。
一晩2,000円。


そしてこの時期、ぐっと冷え込むわけで、私たち以外誰も客はいませんでした。
やったー超貸切。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219153144.jpg
完全貸切の図。
mont-bellのイメージアップに地味に貢献していると思う。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219153717.jpg
快適。mont-bell。


実際、かなり快適です。
雨・風・雪を防ぐ。
これが無ければ何処に行っても死ねます。ライフシェルタ−。
いつもオタケ氏が持って来てくれるので私は楽ばかりしています…。


幕営地点からの景色が秀逸で、


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219153850.jpg
頂上のっぺりの伊吹山がすぐそこ。
確認したところ、登山口がちょうど写真中央の山肌茶色いところの下あたりになるかと。
小山を一つ越え、スキー場跡を登り、一旦なだらかになってから、白く雪の積もったところを踏破して山頂に向かうという予測。


地図によれば健脚でも登山口〜山頂が片道6時間半ほど。
めちゃ長いです。気合い気合い。


テントを早めに張ったので、ついでにすぐそこの三島池でも見ます。


なまめかしい立ち方をする銅像があって、FFのモンスタ−っぽかったりして。

http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219154533.jpg
●ファイガとか○ホーリーでさっさと焼き殺さねばならないたぐいの敵。
こいつが三島池を牛耳っているのだ。ぬらり。


さて、池の前に「県営ビジターセンター」なるものがあり、自由入館できたので入ってみました。



うわあ。
ボタン押したら羽が動いたよ。
( ・_ ;) 場末の博物館くずれ。


学校の資料室の延長線上です。
あるものすべてがくたくたに脱力している。B級スポットどころか脱力ひどすぎてC級です。

 


こういう資料室めいた施設ならではの特徴;剥製・標本がやたら多い。
どこで買ったのか、はたまた近所で捕えて作ったのか。妙にマイナーな鳥類や昆虫の剥製などが揃っている。



ゾンビうさぎ
( ・_ ;) しんどる。
ガリガリやんか。



本当に地味です。展示数多いです。全部剥製。
調べてみましたが小型〜中型の鳥類で、本体のみ、余計な装飾が施されていない品だと
一体2〜3万円台から売られていますた。


アンデッド軍団を堪能して外へ。
もう日が沈みかけていますが、



三島池から望む伊吹山

このシーンは割と有名というか、名場面として使われていて、「山と高原地図伊吹山の頁に載っている。
残念ながらカモがめちゃくちゃ動き回る上に、風がやたら吹き付けてくるので
水面の乱れが止むことなく、美しいリフレク伊吹山は撮れなかった。
粘ったのだが・・・


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219160645.jpg
※本来は水面に反射伊吹山がきれいに映ります。
本来は。。。


このカモどもがまったく
すごいうろうろするんよ!


対岸でおやつを撒いていた家族が撤退したら、今度は我々の方に「すいーーー」と向かって来て、何ぞくれへんものかとぐるぐるし始める。手に負えない奴らである。何も持ってないと言うのに水面かき乱すこと限りなし。

 

日没が極めて切迫してきたので、車を駆って、伊吹山にかかる夕陽の赤みを撮ろうと挑む。
しかし最良のアングルは何処にあるのか?
いかん、17時を過ぎたら太陽がほとんど消えてしまう。
夜が訪れてしまう。

 

石灰石を削り出している工場周辺の、切り立った山肌が撮りたい。
奥伊吹スキー場へ向かう道に乗って走ると・・・


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219162344.jpg
伊吹に赤い陽が。
もはや山道。車道の端に車を無理矢理とめて撮影した。
とても暗くなってきて、空気もどんどん冷えてくる。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219162431.jpg
採掘用の重機なども見える。
登山で有名な山の一部でここまで大胆な削り取りをしているとは知らなかった。
かっこいいが素直に喜べない…。



近くの看板。
姉川に関する漁場マップ。勝手に釣るなということ。
今の時代、人間が野山で勝手に自給自足することも出来ないのだなあ。管理社会だなあ。等と思いつつ。


伊吹山の山肌へ更なる接近を試みるが、太陽はもう沈んでしまう。
周囲を山に覆われていて日差しは途絶える。
国道40号線姉川沿いに、寒々と閉ざされた山間部の集落を走っていると、途方もなく侘びしくなる。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219163241.jpg
さむいです。
グーグルマップでストリートビューしようとしたが、このあたりの集落がどうしても表示出来なかった。。。
たぶん「小泉」あたりだと思う。
さむいです。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219163326.jpg
姉川を渡って山の方に。
「七尾山」がある。スギ林が鬱蒼と続く。
これは鬱だ。全く気分が晴れない。
足もとも雪が若干残っていたり、溶けてぐちゃぐちゃになっている。
じめじめ、じわじわとした底冷えと薄暗さが支配している。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20101219/20101219163657.jpg
夜中に子供の霊とか、地霊とかがうろうろしていそうである。
何が遊園地なもんか。
暗いぞ。


というわけで姉川沿いの散策も終えて、真夜中の伊吹山登山口よりの突破のため、登山口の位置確認に。



看板老朽化しすぎ( >_<)
いやあ雰囲気ありますけどね。
スキー場が閉鎖されて産業あがったりなのが伝わる。



これが伊吹山登山口だ!


後ろのスキーグッズ屋は商売をパラグライダーに切り替えてはいるが、しかし哀愁が否めない。


これより7〜8時間後、月の明かりだけの真夜中に我々はヘッドライトを頼りに、
再びここへ来なければならない。
( ・ _ メ)ノ オシ。


つづく。

 

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