nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【観光&登山】R5.11/12_曽爾高原、後古光山、古光山(後編)岩登りですわ

秋だ!奈良の曽爾高原(そにこうげん)でススキを見よう!

としたらスカスカだった。 だから山に登ろう!

岩だ! 岩を登れ!!!   えっ?

 

 

ススキを愛でに来たはずの一行は、なぜか山の奥へと分け入り、マジ化していくのであった。それが山の力である。山は人を奥深くへと招き入れて、その者を内側から徐々に書き換え、そうして山の一部へと変えてゆくのだ。

 

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「最初からススキ見る気なかったのでは」「山のことしか考えてないのではないか」と訝る読者諸兄・諸姉らも多かろうですが、まあその。あのですね。あのあの。

 

作戦のおさらいをします。

左上「①曽爾高原」~お亀池の周回道が一般的な鑑賞ルートです。が、実はその世界の外側に、真の世界があります。まともな山道勝負になり、途中からかなりの急な上り下りがあるとの情報です。

時間と体力を見ながら「②長尾峠」から「後古光山」、「④古光山」、行ける所まで行き、あかんと思ったら来た道を引き返します。万が一、その先までヌルっと行けたら、「⑤大峠」まで行ってしまい、下~左側の灰色の車道を歩いて帰ってきます。

 

( ´ ¬`) 天気どんどん悪くなってきた(帰りたい

 

◆11:40~12:20 ~後古光山

11:40、ササを抜けて、車道を横断し、登り口に来ました。のぼるよ。

ススキ高原にこんなルートがあったとは皆さんご存じでしたか。これが真・曽爾高原ですよ。気持ちがソニってきた。

このあたりは亀山から見えていた、緑色で人工的で青々としたスギ林のエリアですね。普段の登山なら面白みはない(全くない)が、今回はススキ観賞、観光とハイキング、トレーニングと、目的がすごく曖昧に入り混ざっている上、地図すら持ってない制限プレイ状態なので、文句も言わずに初々しい気分です。

 

接待です。山道に階段!なんたるEasy Modeか。

 

と思ったら危険です。あぶない。 ( ´  k` )

 

kは危険のk。

木の階段は朝晩の露や雨で濡れたままになっている。表面は苔やら摩耗やらで完全に凹凸が消えている。つまり「めちゃくちゃ滑る階段」という、単なる危険な罠となっていた。親切心を装っているだけに凶悪。もしかしたら今回のコースで最高難易度かも。

当然、行きも帰りも避けて通ります。

 

さっそく稜線ぽい地形に。木の根がいいですね。道が明瞭でない箇所もあるけどニュアンスでだいたいわかります。

看板では「後古光山」(あとこごうやま)・「古光山」(こごうやま)と「山頂」とが連続しており、古だの山だの山山だのとゲシュタルト崩壊を招きそうな文字列が魅力的です。

 

最寄りの「後古光山」山頂まであと0.7㎞と。スタート地点が「あと1.1km」だったから、階段(罠)を経て、15分弱で400m歩いたことになる。

まあ悪くないペースなんじゃないすか。しかしコース全体のイメージが持てないまま真面目に登ってる同行者は「え・・・ あんなに歩いたのに400??」とがっかり気味です。サーセン🙃 山の中では距離感があれです、かけた労力と数値的成果が平地の基準からすると釣り合わない。山での時間と距離と労力の尺度を身に付ける必要があるのだ。それはまたそのうち自然に。

 

完全に稜線に乗ったようで、視界と頭上が開け、まあハイキングコースという感じ。ただ、人の通行量が少なすぎて、ササやら草が生えすぎている。怖い。誰もいなさすぎる。おういだれか。

「これ何の木園 村道」とは一体? 何か施設があるのか。しかし道はヤブに埋もれている。見渡しても特に何も見えず、どこに続いているのかも不明。わざわざ道を逸れるメリットもないので放置しておく。今こうして書きながら検索しているが、話題はどれもここの道標のことばかりで、道を逸れて探索に向かった話は見つからなかった。

 

道は頼りないわ、風は冷たいわ、小雨の手前だわ、寂しいものです。

これが私達の令和、これが私達の日本。

Yeah、コンパクトシティ。

うっせえ(´・_・`)p

 

ここにきてススキの群生エリアが登場。高原のススキと違って、穂ひと房ひと房の実り、膨らみが太くて豊かである。陽を受けると白い黄金に輝く。これだ!これです!これですよ!デス5段活用。

ここのススキはどれも、一つ一つの白い毛が膨らんで開いている。これが正常な姿である。曽爾高原のススキの多くは黒ずんで固まっていて、開く前に死んだような状態だった。病気ぽかったけどなあ。普通こうですよ、ふわふわでふさふさで、しかし持つと重い。

 

12:05、「後古光山」山頂まであと300m。

なお分岐で、左手は「広場」に続いている。なにそれ。小中学校の林間学校で使うのかな。「朝陽中学校 曾爾登山コース」と木に貼ってあった。

 

鎖が出てきたが、単なる親切であり、ハイキング道レベル。

たまに木の根などを大股で乗り越える必要あり。

 

あと300mと言われてからがやや長く、直線距離は近そうなのだが真っすぐにではなく山を巻いて、回り込むように進んでいく。

長いと言ってもまあ歩いていれば着くどす。

 

12:20「後古光山」山頂。入口から40分。まあまあかかっておる。

なお山が低すぎて周囲のササがすごく、視界は悪く、頂上特有の非日常感や達成感はないです。

 

辛うじて下界が覗き見えたりするので、適宜、自分にご褒美(景色)をやりましょう。

特に休まず先に進むよ。

 

◆12:20~12:40 ~フカタワ

「後古光山」山頂から先、「古光山」への道はいきなり様子が変わる。ハイキング接待色がなくなり、山の植物らの圧力が増す。

 

きたか・・・。ガチの激しいアップダウンとやら、見せてもらおうか。

 

なお、いくら「高原にススキ見に来ただけです、てへ」と言いながらも、最初からこの「ぬるべコース」をやろうと思ってはいたので、トートバック封印 → 軽量ザック+カメラ用ウエストポーチ、登山靴、登山着で挑んでいる。

高原から後古光山までは街歩きの格好でも普通に来れるが、ここから先はさすがに難しい。両手を空けて、ホールドのよい靴を履いておく必要がある。

 

ほどなくして始まる岩のアップダウン。水平なハイキング道だったのが、ほぼ垂直みたいな岩下りになる。

下りきった底地の「フカタワ」まで計2回の大きな下りがあります。逆コースで来る人にとっては登り。

やったらあああ。あああ(´・_・`)

写真だとEOS 5D Mark Ⅳさんが人間様に配慮した道のような画像に仕上げてくれているが、こんななだらかなものではなく、もっときつい。体感的に70度80度とかの斜度で切れ落ちているので足・体重をほぼ真下に移動させないといけない。当然太いロープあり。急にめちゃくちゃしてくるやんか。どしたん。

 

写真が少ないのは足場やら手のホールド確保の作業が忙しかったため。命に係わるコースではないのだが、ちゃんとやらないと落ちるので撮影していられない。むしろ一眼レフを首からぶら下げて行くのがおかしい。GoProを頭に巻き付けて動画を録るのがいいだろう。いやじゃ。

こういう感じ。まあ岩が相当しっかりしてるのと、やはり樹が掴めるので、人によってはヌルい。ハイキングのつもりで来た人にとってはやばい。高齢者にとっては殺人。日頃全然動いていない人にとっても危険。

なお、ヌルいと言っても人体あるあるで、下りの体重移動は見た目の数倍きつい。また、岩やら隙間やらのピッチが大きい=その分足の運動が大きいから、見た目ほどは楽ではない。傾斜やあ。傾斜祭なんやあ。ええかあ。傾斜はなあ。ええもんなんやあああ。あああ。よろこんでいます。

 

実際このコース、世にあまり知られてなくて隠れているが、めちゃくちゃ良いぞ。

こんなふうに岩にすり寄りながら、岩の隙間、岩の凹凸、木の根を掴んで下ります。簡単ではある。もっと危険なルートも想定していたが、「スリリングで、マジにやらないとだめだが、真面目にやってる限りは安全」という絶妙なレベル感となっている。わああい。

同行者氏も登山歴0年、数カ月前に登山着を買ったばかりだというのに、すぱすぱ下りておられる。ただしこの方は地味に結構な運動量をやっているから出来るのであって、あまりに経験もなく運動もしていない人には、このコースはお勧めできない。足が逝くぜぇ。

 

この岩を下りきったところで、ようやく1組のトレラン男女とすれ違う。そしてこれ以降、もう誰とも会うことはなかった。なんたる山。まあ天気悪いし、普通ススキ観に行くよね。ちなみにトレラン者はアスリートか格闘家かってぐらい背中も尻も腿もガチムチでした。強化人種しか来ない山なんや。私はただのか弱いジャンキーですが。心を何かに売り渡してしまっているのは確か。

 

岩の下りゾーン、もう1発出現。

こちらは横にかなり広く、ルートが自由に取れるかのように見える。

が、見えるだけで、安定して足を預けられる箇所はそれなりに限られているので、見た目よりも自由ではない。それなりに選択を、選択、

 

やばい、たのしい。

 

( ´ - ` ) こういうのをやりたかったんや。

 

六甲山ロックガーデンの道よりは難しい。いい難易度でガチい。これはたのしい。

くっくくくわはははははは ひゃっふう

 

12:45「フカタワ」。意味は分からないが、「後古光山」と「古光山」の谷間にあたる。一度下りてまた上るわけで、「古光山山頂」まであと0.5㎞。まあまああるやん・・・。

もう昼過ぎてるから深入りしたくないなあ。やだなあ。登るには遅すぎるんやあ。

だが物足りない、せっかくスイッチが入ったのだから、このテンションは大事にしたい。

悩ましいが、頂上の500m手前で引き返すなんてもったいないことできませんので、行くことにした。これは期待できますよ。まだしばらく岩の厳しい登りがあるだろうと。うふふ。この喜びが一体何なのかは自分でもよく分からない。運動は大嫌いなのだが。なぜだ・・・ なぜ私はこんなところに・・・

 

 

◆12:45~13:15 ~古光山

平凡な山道に見えるね。このまま500m登らされると退屈だが、さて。

 

😋はい来た。岩です。

行き止まりではない。これを前へ進むのだ。

 

ロープも垂れておる。わかってますがな、今行きますからね、行くでな。

 

さっきの後古光山・下り岩場よりも土、地面の凹凸・えぐれととやり合う感じ。一眼レフが当たって泥だらけになる。なので防塵防滴レベルの高い中級機以上を買いましょう。EOS 5D Mark Ⅳとか(宣伝)。

こここそ木の根っこがホールドとして重要な役割を果たす。掴んでもうて堪忍やで。人類をうらんでくれてもかまわんさかいに、私を登らせておくれ。オッオッオッ。

 

なかなかの急斜面を全力で登らされる。見た目以上に斜度は強くて、よじ登る形になる。

だが人体の構造上、登ることはできるのだ。がんばるだけです。全身を使って登ります。こつは、全身を使うことです。上半身、特に胸から上の筋肉をよく使いましょう。普段、体を全体としては使っていませんからね。日々の生活ルーチンに伴う動作、そのパターンに応じた特定の部位の特定の動かし方、私達はその中に閉じ込められている。実は。自ら選んでいるようで。実は。閉じ込められている。そう。解き放て。あなたを。

 

🤤山は良いぞ・・・

 体質改善や健康増進も、自己啓発も、宗教も、薬物も、冒険も、仲間・友情も、孤高も、そして破壊や死も・・・全てが絡み合って、そこにある。どれを取り出すか、どれを棄却するか、己と山との間で選び取り合うのだ。時に、山に全てを奪われることもあるが、まあたいがいはうまくいく・・・。

 

道に看板が出てきたら、あとは頂上まで普通の山道である。かなりの運動をしたので、4~10月なら汗がすごかっただろうが、さすがに寒すぎて汗をほとんどかかなかった。お陰で気化熱で冷えることがないのは助かる。しかし寒い。ひいっ。

 

13:15「古光山」頂上。やりました。

登山口から1時間35分。ほぼコースタイム通り。行動に無駄は無かったですからね。

 

頂上ていうけど、ただの稜線の上です。眺望ない。木やね。

持参したパンで昼休憩をします。寒い。パン。寒いパン。

 

でここからなんですが、

「④古光山」から「⑤大峠」まで行ってから車道を伝って帰ってくるより、少しでも早く戻りたいのと、往路のアスレチックすぎる岩の斜面が面白かったので、まさかの往復をします。

普通なら、来た道をそのまま戻るのは退屈極まりないが、極端な傾斜の場合は上り下りで別の体験ができます。あれの逆モードをやるのは楽しそうだ。密度の高いトレーニングにもなる。最大の狙いは、「大峠」までの40分+そこまで進んだ分の戻り=計80分前後をカットできる点です。山の夕暮れは早いんすよ。

 

ただ、「⑤大峠」に向かう道中にも険しいアップダウンがあるとの話なので、勿体なかったのは確かである。

 

◆13:25~15:10_古光山~曽爾高原への帰路

まず「古光山」山頂~「フカタワ」まで引き返しの下り道。基本的に下りる方が人体によろしくなく、危険が多いので、注意して進みます。ただし経験値稼ぎをしたいので、ロープは極力使いません。ロープは難易度と負荷を大幅に下げる代わりに、得られる経験値も大きく減ります(※持論です。一般論ではありません)。

 

往路のレポでだいぶ省略したが、垂直箇所はこういう感じ。これ下りるのけっこう大変なはずだが、楽しかった記憶しかない。だいぶのうないまやくが回っていた模様。

ホールドがしっかりしているので登りはけっこう楽。下りる時は足の置き場を見つけながら体重移動しましょう。楽しかった。ええ。じつに。

 

もし雨降って濡れていたら最悪でした。土が粘土みたいなだし、岩もあやしい、ずるずるに滑った可能性が。もちこたえてくれてよかった。

まあロープあるんで何とかなる。ロープを握らずとも三点支持していればOK。たのしい。やばい。近所にこの山欲しい。

 

しかし。

下りきった「フカタワ」から「後古光山」の登り返しのところで、罠がありました。

なんと赤いテープの通りに進んだらルート外に突入していた。あぶねえ。

写真は問題の場所を、本来のルートへ引き返し軌道修正中に横から撮ったもの。

ややこしいことに、杉の幹に巻かれた赤テープは、どうやら隣接するスギ林の管理のために「ここからは林業の管理エリアですよ」といった意味で、登山道の目印ではなかったようだ。

道は無かったのだ。

それだけならいいのだが嫌らしいことに、この何気ない斜面、登る分にはぜんぜん普通なのに、横移動したり、下りようとすると、すごく歩きにくい。真横に歩こうとしただけで危なくて断念した。

道でない部分=荒れた斜面は、岩だの倒木だの、凹みだので、足場が非常に少なかったり、そもそも無い。転倒しそうになる。垂直の岩場の上り下りの方が簡単です。

 

正しい道に戻ってきました。やあおひさしぶり。今から君を登り返しますからね。

垂直に近い斜面と、岩の段差のミックス。足場は多い。木の根も多い。アスレチックやね。つまり楽しい。そうなんよな、楽しい。

さっき道間違えて修正しようとしたときに、荒れた斜面を全くまともに歩けなかったのと対照的に、この垂直の崖は簡単に進める。山の恐ろしい/面白いところです。

 

普通の人がハイキングに連れてこられて、説明なくこの上り下りをさせられたらキレるだろうな。しかも往復させられたら泣くかもしれない。何かにつけて取り巻きの男にタク呼んでもらえる高位の女子とかはめちゃくちゃ怒るだろうな。Twitter(X)に齧りついて屋内で生きてる人もキレるだろうなあ。残念だなここにはタクも電波も無いのだ!ふはは!岩を、山を、おのが人生をうらむがいい! 全部妄想です。楽しいな(^<^) 山を登っていると脳波は静かに束になって、角度をつけて、久遠の彼方から何かを形作り、その波形は真空と電流の中からダチュラを生み出すんだ。それは都市を、あらゆる約束と幻想を破壊するんだ。こい。 ※もうそうです。

 

14:20「後古光山」山頂(戻)。往路から2時間も経過していた。まじでか。

山って時間かかるんやなあと実感。それは歩きながらのうないまやくでらりっていたからでは。うるせえ。おまえもダチュラを見ろ。

 

もう寒い。雨もあやしい。よりによって最も天気が悪くて冷え込む日に来てしまった。天を呪う。がんばれや天。

 

このへんの階段は乗っても大丈夫なやつ。

 

出た。こいつや。最後の罠・ぬるぬる濡れ階段。

 

🙄 そっ・・・ (慎重に足を置いて下りてみる)

 

 

🤤 あかんこれ滑ったら止まらん。事故るわ。

 

また脇を歩きます。なんちゅう階段や。歩けない階段。現代アートか。

 

15:10、高原駐車場に戻り。お疲れ様でした。
登山口から3時間半。高原散策から4時間40分。毎週末これやったらすごい身体能力を得られるだろうな、いいなあ、近所にこんな山ないねん。(※あったらあったで絶対行きません)

 

曽爾高原に来ている客は朝よりもかなり増え、車は完全に渋滞している。客は「家族連れ」「学生ぐらい若いカップル」「学生ぐらい若い仲間連れ」の3パターン。若い連中ってススキとか風光明媚が好きなのか?? まあ好きだな・・・ 美しいものへの耐性がない。羨ましいよ。ただ美しいというだけで幸せになれるというのは・・・。

 

 

◆帰路:古道具山ノ葉、道の駅、木津川アート

ハードなコースをやれて満足したのは良いが、まあたいがいな僻地ですから、他に寄るところはないし、昼食の時間も過ぎてしまって飲食店も閉まっている。だいたい店が存在しない。どうしよね。

 

ご近所の名所というと、シャクナゲと土門拳で有名な「室生寺」に行く案もあった(私がプラン立ててましたすんませんイキッてました)が、前日のカフェイン+α連打の反動でしんどくてもうむりと根をあげ(なぜさっきまで山を登れていたのかは謎)、「とりあえず宇陀の道の駅をめざす」「道中になんか見つけたら立ち寄る」ことにする。アドリブだけが人生である。

麓から高原への道、15時台でこの行列である。夕日とススキをマッチさせようと思うと、今の時点でこの列に入ってないと難しいのではないか。こわ。

 

 

あっなんかおしゃれな古道具やさんが見えた。

Uターン。 キキーッ。

 

ゾンビトトロ。

 

「古道具 山ノ葉」さん。おしゃれだ。

店内は広くて整然と古道具が置かれている。

こいきな皿やガラス瓶、小物入れ、ミニ箪笥など、いいなあと思った。

しかし私は皆さんご存じの通り、紙の本・雑誌・写真集を無限に買う生活をしており、こいきな調度品で癒しのインテリアをあれする発想がないのである。無念。あとモノって置いたらホコリたまるんで辛いんすよ。部屋が自分で自分のホコリを吸い取るようになったら考えるけどなあ。空飛ぶ車よりホコリを食う家を開発してくれんか。大阪万博ってそういう新生活の提案パビリオンが並ぶんではござらんのか。嗚呼

 

 

道の駅に向かうよ。

 

宇陀のまちは革製品、皮産業がめっちゃある。独特な町だ。駆除された熊もここに運ばれてくるのだろうか。

 

「道の駅 宇陀路大宇陀」。

土産物がいっぱいある。わあい。

奈良漬と地酒と、吉野葛のくずもちを得た。もちは・・・正義だ。

 

久保本家酒造「初霞」純米酒「旨辛無垢」。おいしいすよ。

 

ご丁寧にススキを持っておる。

 

 

ここからの帰路が長い道になった。電車に乗って帰ろうとJR駅に向かってもらったが、途中からわけのわからない道に突入した。辺りは暗く、どこを走っているのか分からなくなった。一切の地理的な判断をGoogle Mapのナビに任せきり、私達は国の統治や、それに反抗すること、インディペンデントに稼いで生きていく方法について、とりとめのない話をした。当然、それらのことについて私は何も知らないので、目の前の暗いぐねぐね道よりも更に手探りで要領を得ない話になった。だが会話、対話というのは本来こういうものではなかったか、とも思う。YouTuberの喋りやZOOM会議のように、常にうまく発話され、進行するものではなく、その都度その都度、スコップで手掘りするような不安と不確かさの中で、言葉が続いたり止まったりしていく・・・

 

 

気が付くと奈良を抜けて木津川市に入っており、先日見た「木津川アート2023」屋外作品が暗闇の郊外の中で光を帯びていた。そうか。

 

「木津川アート2023」レポ。昼間に回ったので印象が全く異なる。

www.hyperneko.com

 

いい山行というかトレーニングでした。ススキの記憶があやうい。

 

( ´ - ` ) 完。