2015.12.5 紅葉穴場・京のお伊勢さん
~日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)@京都山科
Kyotoで紅葉を愛でると副作用で人酔いする。この快楽と不快のラビリンスを抜け出して、快・美の上澄みだけを堪能できないか。その答えが「日向大神宮」にあった。
調べてみると「マイナー、穴場、京都の伊勢神宮」という、分かったような分からないような存在である。俄然気になる。
広角で撮る気がなくてさ。その
京阪・地下鉄の蹴上駅から、例の有名な南禅寺と逆方面へ歩いていくと、鳥居がある。
そこからが日向大明神への道。
どんと構えた巨大な醍醐寺とは対照的に、こちらは鳥居をくぐってから細長くうら寂れた坂道が続く。あげくの果てに陰々しく寂しげな物件が相次ぎ、なかなか鬱る。
「京都一周トレイルラン」東山コースが通っているため、それっぽいスポーティな人々も歩いている。
道の両脇の家々が廃墟なのか、別荘なのか、とにかく生活感の乏しい一角。
10分ほど歩きますと駐車場に到着。ここまでの道のりとこの雰囲気でだいたい納得する。「ああこれはもうマイナーですわ」ええ。「それも上質なマイナー」ええ。
駐車場から見上げる。あれっ紅葉あるじゃん。
お堂へと向かう階段が見事。
日向大神宮はあの伊勢神宮と同様の構成をとるため、内宮(上ノ本宮)・外宮(下ノ本宮)の2つの本殿から成る。神のミラーリングですかね。
階段でずっと見とれていても別にいいのだが、それも発展性がないので社務所のほうへ行ってみる。
日向大神宮・外宮。
青いなと思ったらブルーシートをかけて工事されていた。チーン。
通常見かける神社と一線を画しているのが、この独特な様式。
「神明造」(しんめいづくり)といい、伊勢神宮と同じものである。両国国技館で相撲の土俵の上に建つあの社も同様。
起源は古く5世紀までさかのぼる。勅命により、九州は宮崎・高千穂(日向)から神の宿る神蹟を移したとされる。どうやって神という超強力なデータを移すのか想像もつかないが、内宮にアマテラス、外宮にニニギを奉っている。
内宮。
神域としての風格が一般の神社より何倍も高く、威厳がある。
周りもエルニーニョ現象のせいか、夏のように青々としていてたいへん戸惑う。
私いまここ12月なんだけどな。
日向大神宮・内宮。
立札のとおりアマテラスを奉っている。
「神蹟を移す」ということがどういうことを指すのかいまいち分からず(元の居場所からは居なくなる扱いなのか、オリジナルデータと副データに分かれる扱いなのか??)グーグル大先生に訊いてみるもだいたいこの神社がヒットする。同じ説明文を複数のサイトで使いまわしているせいだ。
内宮。質素だが実に力強い
天岩戸が!!!
あまてら姉さんはひきこもる気まんまんです\(^o^)/
がんばって踊らないと
天岩戸の全貌。なんか納屋っぽい。
くぐるとshi-a-wase になるのだ
※一方通行です。
筆者は欲張って往復したため
落としたはずのいろんなものが倍返しで骨身に浸み込んだ怖れあり
\(^o^)/呪
紅葉は主張ひかえめ、他の木々の間に姿を現すといったふうで、却って陰翳が印象的であった。陰のある女性ほど妖艶だ説。
外宮・内宮だけでなく、竹林の下にいくつか小さな社がある。
縁結び、商売、福全般など、効能が豊富。
こういう感じで立っているのだよ。
基本的にワイルドというか、そっけない感じで好感がもてる。
説明のないものもあって、実は邪神を奉っていましたと言われてもあとの祭り。
ここで優れた空間圧縮装置を見つけた。
「伊勢神宮遥拝所」である。これは交通機関が未発達であった近世以前、「遠く離れた お伊勢さんを誰でも拝むことができるように」という趣旨で設けられたもの。実空間距離を度外視する発想が素敵。
\(^o^)/ 坂道も素敵。
でました「伊勢神宮遥拝所」。
骨太の社だが・・・
\( ゚q ゚ )/ 平安神宮の超巨大鳥居とリンクしているのだった。
そしてその方角はまっすぐ伊勢神宮を指している。
連繋してゆく神域。信仰とは数学・幾何学的センスがものを言うのだなと実感。
急な階段を降りてくるとまた異なる趣が。
京都の表情って感じの光景きました。
陰翳の深い、物憂げな微笑の美貌がまったく映える。映えます。
っ私を苔にして。
けどそれはそれとして紅葉はスパーンと咲き誇っていたりして
マイナー勢の中でも格の違う実力を誇っていることがわかる。
ファルファルする人(騰)を思い出した。
それにしても緑が生き生きしてるよな。どういう12月だ。
お稲荷さんが溶け気味で実に良かった。
咥えてるというより深海魚の釣り上げで内臓出てる感じに近い。
そんな素敵な、京都神社のアングラ勢・日向大神宮でした。
とても好きになったよ。こういう人と仲良くしたいね。
もちろん帰路は、蹴上インクライン跡を歩きます。
直線の快感 \(^o^)/ 無人めっちゃ快感