nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【紅葉】R2.11/14_万博記念公園のコスモス、すすき、もみじ、チーズEXPO

「コスモス30万本」と聞いてやってきました万博記念公園です。数で決めました。花は多ければ多いほどえらい。麻薬的であります。けれどサイトによって本数の情報がバラバラで、「20万本」「15万本」とかバラつきがめちゃくちゃ大きい。現地に立てば数万本の差すらもよくわからず全体的に満足しました。

あと地味にもみじやススキが色づいていて、かなりお得です。入園料250円のもとは確実にとれます。とった。ちょうど「チーズEXPO」も開催してましたが、そちらは別途入場400円でした。

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2、3年に一度、思い出したように万博記念公園に来ます。人と撮影に来たり、太陽の塔を拝むためです。大阪人の心身には太陽の塔の存在が幼少期から確実に、ポリオワクチンぐらいの確かさで植え付けられています。

 

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12:36 塔。

 

( ´ - ` ) 晴天に映えます。神だ。

 

しかし太陽の塔への信仰が強いわりに、すぐ傍から広がる「自然文化園」を今まで一度もちゃんと歩いたことがなかった。当然のようにコスモスなんて愛でたことがなかった。

なぜ急に?

そうです。これが老成というやつです。恐ろしいですね。別の人間になってゆく、この感覚。老人福祉の時間です。皆さんも「あの人、最近急にキャンプだの紅葉だのに興味持ち始めたよね?」と思ったら、老成を疑ってください。思うに、人生折り返しに差し掛かると、来るべき死の時に向けて、無意識で、土や風に還るための準備が始まるのでしょう。おほほ。

 

 

( ´ ¬`) おほほじゃねえよ。

 

 

1.自然文化園の道中(上津道~渡りの沼~花の丘)

「自然文化園」はエリアごとに大まかに植栽が分けられている、と思うのですが、どうなんかな。植物園のように原産地が北米だの南米だのとあっちこっち飛びません。森の遊歩道という感じです。健康によい。かなり良いと思う。

 

道の一角にもみじを発見しました。

 

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日ごろあれだけ紅葉やフォトジェニックな光景をばかにしておきながら、いざ撮るとなると目の前の時間がゆっくり流れ、アドレナリンがめぐり、こう、時の流れが結晶化します。

 

( ´ - ` ) 今まさに生きている血や内臓のような色の濃さが、観光だの美だのを超えていて、良かったんです。色が生きているのは良いなあ。

 

KYOTOじゃないんですよ。大阪の北摂ですよ。こんなに色付いているとは。ええやん、ええやないか。大阪で色付くのはもっと先かと思ってましたが。大阪にもみじがあったんですね。ああ。京都の紅葉スポットのことが気になりだします。ああ(浮気)。

 

 

ただ全体の植生としては緑の樹の方が圧倒的に多く、公園の季節感はあってないようなもので、もみじは例外的です。逆になんであったんかな。あとはみどりみどりしています。陽射しの色味や傾きには秋を感じますが。

 

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植物のことはよく分からないので、光を見ています。

 

( ´ - ` ) 光光光。

 

昼下がりに庭園を歩いて何が楽しいのか。昔の私には疑問だった。いや、楽しいのは楽しいだろう、が、優先度はもっと低いだろうと思っていた。確かにそうだった。今までは。目的と目的地のある行程に比べれば、何も持たない道を何も準備なく歩くことは、劣るだろうと考えていた。しかし、次々に現れるどうということもない木々の重なりや、名もないせせらぎ、斜め上から射し込んでくる太陽光などが、いつもと異なる世界を見せてくることが、今は喜ばしく感じます。今、触れている外界が、写真によってどんどんこちら側の実体験へと転換されてゆくのは、たまらない力があります。

 

よろこんでいたら緑の森の道も尽きて、広場に出ました。

 

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12:59 「花の丘」

1970年の大阪万博当時、ここには「住友童話館」なるSF的なパビリオンが建っていたそうです。まじかよ。万博ってより良い未来の空想を、現実のハードウェア、特に建築で見せてくれるイベントだったんですね。今の我々が夢見る「より良い未来」・・・ そうですね、アジア圏内の友好・平和的な関係の強化と、経済的な安定・発展ですね。現実的課題しか見えない(死)。

 

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「花の丘」。ここにコスモスが30万本~15万本あると。そうすか。

 

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余裕のある人はクイズラリーをどうぞ。これは初級編。中級、上級もどっかにあるよ。

 

 

2.花の丘・コスモス

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「花の丘」広場全体が花で覆われているわけではなく、奥の方の一角に限ってコスモス畑になってました。思ったよりしっかり区分されているます。そして背の高さが画一的で、ますます畑っぽい。

 

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植えられているコスモスは3~4種類ぐらいで、よく見かける代表的な種「センセーション」のピンクと紫、黄色~橙色の「キバナコスモス」、白い「センセーションホワイト」等が、エリアを分けて植えられています。

 

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ざっと見たところ、どの畑も3割位は枯れて花が落ち、さらに3割位は枯れつつあります。コスモスの旬としては恐らく10月中~末がピークで、この日はもうけっこう下り坂でした。中には根元から踏んだように倒れている株もあった。踏まれたのか弱ったのか分かりません。

 

枯れている。

けれど写真作家の作品などを追っかけてきた身としては、「何が美なのか」「美とは何か」というメタな(めんどくさい)問いが常にありますのです。「枯れた花は美ではないのか」「枯れた中に美はないのか」という声がやって来ます。否。美はある。広く出回っている「美」の基準に合わぬ様態こそ可能性があるのではないか。などと唸り始め、仕事もそのぐらい熱心にやったらいいのにと思いますが、まあ、その。枯れコスモスを全面的に肯定するための写真を練ります。 

 

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コスモスはメキシコ原産で、明治に日本へ持ち込まれたそうです。順光で上から見ているのも綺麗っちゃ綺麗ですが、のっぺりしています。横や下から逆光で見ると、紫の花弁が太陽光を透過して、たいへんよい。

 

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花が落ちた後も上に向かって伸びたまま、子房あたりのパーツが残っていて、シュールです。別の生き物に見える。

 

 

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黄色~橙色のは「キバナコスモス」、花の形がややずんぐりしています。こちらはかなり花が枯れ落ちていた。植物に関してはものすごいアホなので分かりませんが、これはたぶん花が落ちて種子が出てる状態。

 

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枯れ花と生き花のコントラストが気に入りました。嘘がない。枯れた後の花弁は不規則に折れ曲がって別の生き物のようだ。そういうのが好きです。

 

白いコスモス・センセーションホワイト。

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白コスモスもかなり枯れていて、花が散っていました。白の密度が下がっているので上から見るとボソボソしてます。そういう時はしゃがんで、花と同じ目線になって、真横から覗き込むのがよいです。花の密集を森や建築の中へと分け入るように見たいなあと思います。鞄を放り出してもそもそします。

 

そうしてコスモス畑を相手に50分格闘しました。ちょうどいい具合です。スナップでも何でも小一時間がファーストダッシュ、ひと呼吸としてひとつの区切りです(体験談)。集中ってそないもたないんですよね。

 

3.西大路広場~万葉の里~自然観察学習館

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丘を出ると再び緑色の森を歩きます。西大路広場から西口に向けて、万博外周道の上をまたぐ橋か、やたら黄色く光るものが見えます。光ってるぞ。銀杏か。

 

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銀杏なんて、御堂筋を歩いている時には見向きもしませんが、紅葉に飢えている中では存在感がすごい。価値は相対的なもので決まるというやつです。まだ完全な黄色ではなく、扇形の葉の外側は緑が残っています。

 

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外周の車道ともう一本、何も通らない車道がありました。美しい。なぜ何も走らない道は美しいのでしょうか。誰のものでもなく、生きているのに起動していないシステムというのは、いいですね。公共の場はそうあってほしい。そうあってほしかった。

 

西大路、とても広い歩道はプラタナスが立ち並び、落ちた葉の一枚一枚が大きくてお面のようでした。ここで遭難したら布団代わりにしますか。

 

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葉がでかい。

 

 

しばらく歩いていると、ススキが植わった一角に出ました。

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( ´ ¬`) 黄泉の国のように輝いていて綺麗です。死んだか私。

 

ススキ畑というより、こういう塊となった株がいくつかあって、断続的にススキが光っています。比喩ではなく本当に銀色に光っている。

自然文化園は本当にうまく作られていて、四季に応じた色々な植物が少しずつ出てきます。旬のものを少しずつ出すのは実に日本料理的です。

 

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死の国やあああ。このススキのあたりが「万葉の里」です。和歌でも詠みますかね。教養がないのでむりです。ススキの輝きがとにかく神々しい。あの世を感じます。

先日、『奥大和 MIND TRAIL』と抱き合わせで回ろうとして断念した奈良の曽爾高原(そにこうげん)のススキも、夕暮れのゴールデンタイムを狙って渋滞にハマらなくとも、昼下がりのシルバータイムで十分に堪能できそうな気がしました。来年そうしよう。

 

 

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名前は分からんですが、樹がオレンジに光っています。この日はほんまもんの晴天で、太陽光が全ての葉を透過してきます。色と光の間のものになる。

 

もみじがまたありました。もみじの木が単体で植わっていて、太陽光をぺろっと浴びていると、全然よろしくありません。木々の陰影、光の奥行きがないと、紅葉というのは赤い色だけになってしまうようです。難しいな。

 

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( ´ - ` ) 光と混ぜ合わせて紅葉を溶かすことで、おいしくいただきました。紅葉だけを綺麗に色と形で撮っても記号的で、実に説教くさくて嫌です。なぜ「伝統の美」だの「日本の美」に拘らなければならないのでしょうか。いやどす。そこでこうして、くそ甘ったるい砂糖まみれに溶かしたヴィジョンに転換して、麻薬的な力を得ます。

京都の紅葉の名所に行って、純度の高い麻薬的な色を得たいところですが、今年はもう無理かな(※インドア生活が忙しいせいです)。

 

 

ついでに「自然観察学習館」なる建物をひやかします。たぶん昆虫の標本とかドングリの標本があると思う。

 

 

∴ あった。

 

予想以上に生き物が多く、生きた昆虫:カマキリやゲンゴロウ、生きた魚が展示されています。なかなかいい。どれも万博公園にいる生き物です。いない生き物もいます。なんやら分からん。昆虫標本もあります。オオクワガタまで。公園内にいるのかな???

 

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これはThe Prodigyを想いながら水槽越しに私と気持ちを通い合わせるモクズガニです。

 

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モリアオガエル。5~6㎝あり、普通のアマガエルの3倍ぐらいのデカさにびびります。思ってたサイズ感と全然違う。まるまるっとしている。

 

 

( ´ - ` ) どうぶつは楽しいですね。

 

 

4.第2回「チーズEXPO」

太陽の塔のほうに戻ります。なんか「チーズEXPO」なるイベントをやっているそうで、チーズ好きとしては無視できません。しかも第2回。

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向こうに見える巨大な建物、あれは阪大病院でしょうか。高層階の病床は眺めがよさそうですね。しかしできれば一生無縁でいたいものです。南無。

 

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小躍りしているみたいでかわいい。 

 

「チーズEXPO」は飲食、その他物販の色んなブースがたくさん出ていて、入場料400円を払わないといけません。はい。

 

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15:10 チーズEXPO。

密を避けながらのイベントなので、食事エリアも広いようで、椅子が間引きされていてあまり人数は座れません。

 

チーズ等の飲食ブースが30店、チーズバーガーが11店、ロハスフェスタ蚤の市が22店、チーズやワインの販売ブースが7店。多い。

 

しかし胃袋の現実は残念なことになっており、チーズ4種を載せたピザと、安納芋の大学芋スティックを同行者とシェアしたら、それだけで満腹になりました。なぜだ。満腹が早すぎる。あわよくばチーズバーガーを食べたかったんですが、大学芋が満腹中枢を腹パンしていったので全然だめでした強い。帰路も血糖値がワーワーして眠りです。強い;。

 

 

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ステージでは吉本の芸人とか、歌手の人とかがライブです。この時は元気のある女性シンガーが90年代ユーロ×ロックっぽい懐かしいテイストの歌を歌っていました。自己紹介で3児の母親であると言っていて驚愕でした。妙に応援したくなった。曲はShampooをJ-POP寄りにした感じのノリでした。 

 

古本ブースも出ている。見たら、太陽の塔の顔の陶器が4千円で売ってました。あっても別に困らないけど無くても別に困らないので買わなかった。

 

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帰路に向かいます。太陽さえ見方してくれたら、紅葉はとてもいいですね。色と光のはざまのビジョンに迷い込むのは楽しかった。言っちゃアレですが、インバウンドがない方がゆっくり落ち着いて色んなものを賞美できるのもまた事実です。

 

( ´ - ` ) 完。