nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】R5.8/4-6 南アルプス・聖岳④聖平小屋で夕飯、テン泊

登頂という仕事をしましたので、聖平小屋で飯を食って寝ます。たのしかったよ聖岳。あなたは巨大だった。デカい。しんどい。苔が多い。さすが南アルプス。

 

 

ちゃんと登頂できたのはよかったけど疲れました。頂上まじできつい。きつかった。これを日帰りで登り下りするやつとか同じ人間ちゃうぞという思いを胸に強く抱くのでした。周りそういう人ばっかりでしたね。うへえ。神様、私の全盛期はいつ?今だよ今。うへえ。

 

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泣いていても夜が来てしぬのでさっさとテン場に向かいます。もうヨロヨロしている。ザックが重い。

 

■8/5(土)小屋への道~15:17 聖平小屋

デポしてた薊畑から聖平小屋まで20分あります。

(^<^)長い。

ザックが重い···。

普通にめっちゃ下り道を歩かされる。これなあ翌朝また登らされるんだ。

おっ。柵。格闘技ですか。

可憐な花が咲いているね。説明書きがある。なになに。

かつて聖平一帯は、ニッコウキスゲのお花畑でしたが、シカの食害により絶滅したと言われています。この防護柵は、シカの食害を防いだ場合、植生がどう変化するのか、ニッコウキスゲは復元するのか、その実態調査のため、静岡県の委託を受けて南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークが設置したものです。

平成14年8月

 

( ´ - ` ) シカ食おうぜ(怒)(悲しみ)(怒

 

おい商用ジビエの管理要件引き下げてもっとシカ食えるようにしてくれや。おい官僚。もっとシカ食おうぜ官僚。キスゲさんが泣いてるやないか。泣いとる。

 

義憤に駆られてわあわあ言っていたら夜が来るので下ります。すまんな。省庁を動かす力がないんや。理解のある議員くんはいません。

 

めっちゃ下るんですけど。足がやばい。景色が次々に切り替わって面白いのはいいとして、こうして下った分を登らされると思うとね。景色はとても良い。景色は。

 

なんか楽園みたいなところに出た。接待ですか?_? 白山登山でも終盤にこういう接待廻廊があったなあ。もし今回、登頂を諦めてたらここで植物撮影して遊んでたかな。

 

なおオタケ氏によれば、小屋~テン場には携帯の電波は来てないが、この辺から上に上がるとキャッチできるとのこと。聖岳では山頂ぐらいしか電波がなかった。

 

15:17、聖平小屋に着。

お疲れ様でした。

あかんまじうれしい。

ふがいないけど、今回はただの登頂、ただの山小屋がまじでうれしい。涙腺の緩んだババアみたいになっててヤバい。登頂できると思ってなかったんや。つまりそれなりにきつかったんや。鍛えてから来い。うっせえな今きたえとんねん(何と戦っているのか

 

■聖平小屋~ 夕飯、テン泊

聖平小屋はコンパクトに機能を揃えていて頼もしかった。

hijiridairagoya.wixsite.com

 

近代的自意識は夏目漱石ですよね、あいつの肖像写真て修正されまくってんすよ、であいつヨーロッパ留学中に自我おかしなってノイローゼなんすよ、自我すよ、近代なんすよ、などとブツブツ言いながらテン泊の手続きをします。

テント張り数ではなく宿泊者数で料金発生、1人二千円。

今年はマスク不要。あれ暑いから着用義務なくなって本当にうれしい。

 

今回の山行では、予想外に体力・気力がちゃんと残っていて、宿泊用紙に記入したりお金の支払いがスムーズにできる。自分でも驚いた。昨年の白山登山の時は、山道上がってきただけで疲弊し、山小屋にインした時点で何も考えられなくなっていたので、大幅な進歩╱復活といえる。去年どんだけひどかったんや。すげかったすよ。

 

こういうのはいいなと思います。何ていうか令和だ。

令和というのは多彩で多様であることが、文化・デザインや文体、語彙の形で、様々なところに浸潤している時代のことだ。

 

山が山屋のルールを脱して外部の流れが流入してくるというのは、いい所もあり、つまり私のようなニワカというかクオーター未満の1/8ぐらいヤマな人間が馴染める場になるのでありがたいでwす。ただ山が都会のルールでひっくり返るのは嫌だなと思います。山を都会化するんじゃない。異界のまま、魔々しいまま、人間の側が混然となるんだ。むずいな。

 

がっしりした、新しい感じの建物だ。

 

オリジナルピンバッジ、Tシャツ等があった。飲食物も補充可。外で冷やした缶ビール、氷結、ペットボトルのジュース類が600~800円で販売。

うわあああビール、キンキンに冷えたビール。いくやろ。これはいくやろ。脳が。

お脳がカイジだが、しかし

 

寒い。(>_<)

 

ここにきて日差しはなくなり、空気が冷え、風が吹き、汗に気化熱、急にアカンようになってきた。なんやな夏が急激にしぼんできた。おかしいおかしい。暗くなってきたし。ビールいらん。水飲んだらそれでええわとなり、濡れたシャツ1枚でウロウロしていると寒いので、早急にテント立てて、着替えます。

 

案の定、雨が降ってきた。うわあ・・・ テント張ってる最中に降り始めて、張った直後に本格化した。タイミングが良すぎて完璧であった。にわか雨どころか本降りになった。

ザーーーー。

めっちゃ降るやんこれ。

 

今日の山行の全てのタイミングが完璧だったことを知る。どこかで余分に時間を使っていたら、山行中に雨にやられていたのは間違いない。

昼に、聖平小屋まで下らず、分岐地点「薊畑」でデポして頂上に向かったのは大正解だった。

一つには往復1時間ロスしていたら確実にこの雨に襲われていたこと。もう一つは、小屋が避暑地みたいな奥まったロケーションなので、登頂する気力を完全に奪われていたことだ。インナーを着替えて一息ついていると、後者の実感が非常に大きいことに気づかされた。この小屋は登頂には居心地が良すぎる。

 

すぐ傍で雨がザーザー降っていますが夕飯の煮炊きをします。大きなテントと机と椅子が小屋のすぐ傍に設置されていて、テン泊者にやさしいのだが、普通に雨が吹き込むわ屋根を無視して水が落ちてくるわで1/3の広さしか使えないんよな。水が攻めてくる。

飯だ!!!!

 

冴えない日常を叩き割るのが、飯だ。

割れてくだけたところから日常を取り戻すのが、飯だ。

パーティー幻の3人目・みっこはんから受け取った飯を全開にして食います。うまいうまい。アルファ米がお湯入れて15分もかかる上に、単体では味気なくて辛いのだが、無印のカレーを合わせると大変に魅力的な飯になった。うまいうまい。

作り方を間違え、底はビタビタ・上はガビガビになってしまった。注水したらよくかき混ぜないといけないんだね。上の方を味見したらガビガビだったので、慌てて湯を追加追加してしまい、水を入れ過ぎてしまったが、カレーだったので結果的にはよかった。

 

2食分ぐらい食うつもりでいたのが、水を大量に吸ったアルファ米でカレーをすると、すぐ満腹になってしまった。ありがとう。ありがとう。コーヒー淹れる藤岡弘の心境でみっこはんと飯に感謝。

 

飯を食いながら山行の反省会をする。

ぶっちゃけ、企画段階から「登頂は無理」と思っていた(なんで企画した)ので、登頂できたこと自体、よかった。

 

また、体力的なことは別として、体力へろへろでも集中力・注意力が途切れなかったことは評価できる。これは本当に難しいことで、しんどくなると意識はいい加減になり、歩く以外のことが何もできない「大きな赤ちゃん状態」になるのだが、ずっと何かしら目で読み解きながら判断していた。例えば、歩くのが辛くても前を向いて歩きやすいルートを確認する、赤テープやマル印の有無を確認する、時計と地図を確認する、といったことだ。

なんでそれがちゃんとできたのか?

ダメな要因を挙げるのは慣れているが、成功事例の要因を挙げるのは逆に難しい。

恐怖心や不安、危機感が強かったのが良かったのかも知れない。普段の生活でも活かしたいところだが、私のようなサブカルクソ人間にとってそれらは意識下にスイッチがなく、追い詰められて初めて本能的に発動するため厄介だ。であれば訓練・学習によって、飲食・接客業のようにたえずスイッチオン状態に持っていくのが望ましいが、あいにくサブカルクソ生活を送る=あらゆる危機感を遮断する、なので望むべくもない。ああ、雨がよく降るなあ。

 

飯を食べて片付けて~、まだ17時台である。寝るわけにもいかない。電波はない。

仕方ないのでオフライン式のメモアプリで山行の記録をつける。いつもクラウド保存式のメモアプリしか使ってなかったので苦労する。電池使いたくないんやけどな。

 

今、ブログを書きながらメモを確認して分かったが、1~2週間でこうして書き起こすなら想起記憶はほぼ減じておらず、メモは不要だ。だが1年、2年、5年と経てば行った事すら思い出せなくなる。どこかの時点で写真からさえもエピソードは連想されなくなる。メモをどう残すかは重要事だ。

 

言うてたら雨が上がってきた。タイミングが完璧である。今日という日のデザインがすごい。

 

短時間でなかなかの雨量だった。テント内の四辺が少し水溜まりになっていた。レインフライのチャックは閉まっていたが、本体の入口が開いていたせいか。だがインナーの内側が濡れていたので、そもそも防ぎきれていない気もする。

シュラフを濡らしたくないのでタオルで拭き掃除をする。

水が無制限に使えるので、タオルを洗って絞る。蛇口からの水がギンギンに冷えていて、指が痺れる。この水が、汗まみれの顔・頭を洗ったり歯を磨いたりとたいへん快適で、ありがたすぎる。ありがとうの嵐。

 

気温は、上だけレインウェアを羽織れば十分だった。朝4時アラームをかけ、シュラフを出しておいて、19時頃にもう寝ることにする。それでも眠れてしまうのが山の面白いところだ。人間とは畢竟、動物にすぎず、本来的には食う・寝る・やるぐらいしかない・・・そこに文化だの経済だのが付与され、記号と情報と電波と肥大化し、そこに感情の激流を乗せて日々を送っている・・・ 例えばTwitter、、あれは神経の一部分を過剰に刺激しすぎていて、、、こうして距離を置くと、、、Twitterは毒の針だ・・・ 脳に刺さる針だ・・・・・・ スヤッ

 

スヤッ( ´ ¬`)

 

 

つづく。最終日どうなる。