nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】R5.8/4-6 南アルプス・聖岳①仲間の脱落~車移動~芝沢ゲートの駐車場

初の南アルプスです。三千m級では最南端に位置する「聖岳(ひじりだけ)」です。

しかし途中から車が入れなくて崩落した道を歩かされるとか、山頂最寄りの聖平小屋から山頂まで更に片道2時間かかるとか、そもそも大阪から車で片道5時間とか、ハードル高くて多角的にゲボ出そうでした。あかん。

 

しかもいきなり仲間が脱落(※山はまだです) /(^o^)\

 

まる1年ぶりの泊付き登山で聖岳(ひじりだけ/3013m)を企画するとは、あかん匂いしかしていないのだが、まあ、はい。はい。わかっています。自覚はある。あかん臭が四方八方に立ち込める中で、安全に帰還することを考えるのでありました。保守派だからな。ぶっちゃけ登頂はほぼ諦めていたが、さあどうなるか。ひじりを倒す罰当たりクエスト、開始。

 

■準備やら行程やら

さて筆者は、かつてはそれなりにボチボチ登山を嗜んでいたが、写真の学校に通うようになってからは90年代のライターのようにカフェイン+αのきっついのを齧っては家に籠り倒して何やら書いては寝落ちし、またカフェイン+αを齧っては以下略、ひたすら書籍を買い集めるだけのインナー者を極めています。

90年代は終わっているのに90年代を引きずっているの図。

土日祝日のまともな外出は出勤、美術館・ギャラリーぐらいである。トレーニング?そんなものは不純物(※いうまでもなく『バキ』シリーズを愛読しています)あかん。90年代は終わっているというのに。ゼロ年代も終わっている。何もかも終わっている。私は終わりの中に生きているのだ。

 

こんなライフスタイルなので、昨年、白山に行ったら接待登山道だったのにへろへろで、まあ当然の結末だがひどい有様だった。

hyperneko-daily.hatenablog.jp

 

何をすればいいかは分かっている。にづくりをします。しかし現地の暑さ、稜線に出るまでの道中がどれぐらい暑いか、どれだけ着替えとポカリと水が要るかが読めない。車もあるし、多めに用意していくことにします。

前夜。荷造りに考え込んでいる様子。背後の美術手帖の束は対象外です。

多すぎるようでいて、しかし汗で濡れたり思った以上に寒かった場合への備えで着換えは多めに必要なので、このぐらい要るねん。予想外だったのが、アタックザックがデカすぎたこと。左端の黒いのがサブザック。畳んでも袋に詰め込んでも全然小さくならへん。おかしいなサブになりませんけど( ´ -`)?? デカすぎて持参を断念した。

 

着替えは山で脱ぎ着する1泊分+α、風除け・保温のレインウェア、ダウンジャケットも念のために持参。更に下山後の着替えのために別バッグで着替えとスリッパも持っていく。

水は2リットル、ポカリは500mlを4本。もし足りなければ上の聖平小屋で調達しやう。

食料はみっこはんが持ってきてくれるが、万が一のために自分でも持参。

 

さて今回のルートです。

  • 1日目:車移動(大阪→現地)芝沢ゲート→聖光小屋(テント泊)
  • 2日目:聖光小屋→薊畑(あざみばた)→聖岳山頂→聖平小屋(テント泊)
  • 3日目:聖平小屋→芝沢ゲート→車移動、帰還

 

頂上は諦めてもいい。行程を組んでいて思った。ばりばり登ってる人ならともかく、90年代の底辺ライターみたいな暮らしをしている今の私にとって、このコースはおかしい。

  • 道が崩落しているため駐車場から登山口(聖光小屋)まで片道2時間
  • 聖光小屋への分岐点・薊畑から聖岳山頂まで片道2時間
    (※4時間以上登ってきたうえ更に往復4時間が追加)
  • 聖光小屋から車までの帰路、6時間
  • くるまの運転苦手なのに大阪~現地、片道5時間

 

しかし救いなのは、今回は3名パ(私、師匠オタケ氏、みっこはん)で協力連携プレイが見込めることだ。

一人では車の運転だけでもきついし、登山口までの通行止め区間がどれぐらい荒廃しているのかが分からない。7月上旬のヤマレコ投稿者の写真では災害の痕といった具合で土砂や折れた木が道に積みあがっていた。無茶である。 

パ戦(パーティーアタック)では諸々の費用が折半できること、何よりテントをシェアして宿代を大幅に節減できる点も大きい。山小屋は1泊1万円前後します。そして言うまでもなく、相性のよいメンバーならメンタル底上げ、モチベ維持も図れて、色々とメリットがあるのだ。今のヘロった私にとっては大きい。

 

 

■8/4(金)1日目朝、出発

大阪の地元で、毎度おなじみ山師匠・オタケ氏に車で拾ってもらい、大津ICでみっこはんと合流、ひたすら現地を目指します。そして夜のうちに少しでも歩いて距離を稼ぎ、聖光小屋のテント場で寝ます。そうしないと登山当日に登山口までの2時間歩きが乗っかってきて、登頂はほぼ無理になる。あっ登頂諦めたふりして諦めてないんや。せやな。

 

荷物が多い。車移動ならではの余裕さ。トートバッグは下山後の銭湯で身を清めてかららの着替えと、登山靴を入れておる。登山開始まではクロックス着用で楽にやります。ハイカットで硬い登山靴は車の運転しづらいんよな。

ウエストポーチは腰巻きカメラバッグであるが、一眼レフは首から下げて歩くので、地図、行動食、ティッシュ、スマホ、コンデジ、貴重品などを入れておく。

 

あとは本人がどれだけ頑張れるか(´・_・`)

 

車中では議論が活性化され、「アイドルの推し活の意味が分からない」「ジャニー喜多川の性加害は異常、やつは陰獣」などと議論。前者については「私達の場合、外部に依存する対象がない」「推す対象がない」「”若い無垢な娘が頑張ってる姿を見るビジネスモデル”という見え方をしてしまうので乗れない」という話をした。

後者についてはもう「陰獣」「推定被害者4桁とかどういうことや」「50年以上に亘って性欲尽きなかったのはもう人間ではない」「それをそういうものと見て見ぬふりしてきたメディア界は何やったんや」言葉が尽きません。どうにもならないのに、なぜ話すのか。どうにもならないからである。つまりきゃつは常人の言葉で語れる存在ではなく、言葉が及ばないがゆえに言葉を尽くさねば、きゃつが開けた社会や倫理の穴が巨大すぎて、いち民衆としての見えざる傷が埋め合わせできないのである。

この話は山の中でも断続的に繰り返され、なぜか聖岳とジャニー喜多川とが結び付いたまま3日間を終えるのであった。聖岳もええ迷惑。すまんな。

 

 

■みっこはん合流(事故)

さあ大津SAでムーンブルクの王女みっこはんを回収したら旅の始まりです。おおっ!まだ旅は始まっておらぬ(爆) (※筆者は登山の後遺症で精神と文体が20年前に戻っています)

 

ナビに従って大津SAに行ったら反対方向だったので合流できなかった。

いきなり不吉な風が吹く。ナビにはSA単体で入れていたので上下関係なく近いほうに誘導されたのだ。飯田市への経由地で大津SAを入力すべきだったと反省している。おいナビ~ちゃんとせえや~。なんで大阪から大津行って大阪方面へ下るほうのICを誘導すんねんな。

どうも大津SAは、直線距離は100mしか離れていないのに、車で反対側に移るにはわざわざ京都東ICまで行って上下乗り直さないといけない。というわけで、人間(みっこはん)が足で移動して合流することになった。真夏の灼熱の中を重装備で動き回るみっこはん。

 

あ、いた。

停車して合流しようとしたが高速出口すぐのカーブだったので、車が次から次にガンガン来る。危ない。これは。危ないからもっと先に移動してくれと指示が。へい。動かすで。

 

 

そのとき事件は起こった。

 

合流しようとしたみっこはんが、視界から消えた。

 

「あれ?消えたな」と横目でチラッと見ていたが、車を前の車が停まっていて、中の2人が歩道へ駆け寄っていた。

 

運転席の私からは白いガードレールしか見えていない。助手席のオタケ氏が声を掛ける。「大丈夫ですか」、「大丈夫、じゃないです」と返ってきた。あれ?どうなっとる。

 

 

倒れている。なんでや。

 

 

顔面半分が血だらけになっている。なんでや。

 

流血沙汰。


1分どころか数十秒でのすごい急展開で、全く理解が追い付かず、情報量が激しい。前の車の人にはもっと前から経過が見えていたのだろうが、私にはガードレールしか見えていなかった。

 

とにかく血である。成人が一人で顔面に血を流しているのはただ事ではない。喧嘩ならまだしも完全に一人で流血しているのだ。想像上の敵と戦って負傷したとでもいうのか(バキは良いですよ)。

 

瞬間的に思ったのは、熱中症によるふらつき・転倒だった。この日は理不尽に暑かった。歩かせて無理が来てしまったか。

 

とりあえずザックを回収して車に放り込む。

重い。

なななな なんやこれめっちゃ重い。私の荷物より重い。重量は同じでもザックが小さい分、重さを散らせなくてすごい持ち上げづらい。すごいなーこんな重いものを小柄な体で背負っていたらウェイトバランス保つのも大変だろう(謎の感心)。

 

次に目に飛び込んできたのは、片方だけ紐の解けた登山靴だった。

「ちゃうねん、くつひもが、わたしのせいやねん」「おうちゃくして、くつひもむすんでなかってん」 

 

くつひもビローン × 重いザック × 下り坂 × 熱射 = 転倒!

地味な悪条件カードも枚数が揃うと馬鹿にはできん。山の中でなくてよかった。ここは

しかし熱中症でなくてよかった。熱中症ならもう山行はアウトである。さあどうなる。ドキドキ。

 

目の前で迅速な止血処置が施されていて、これもまた理解が追いつかない。なにがおきてるんですかこれ。仕込みですかこれ。

 

先行する車から降りてすぐ止血の処置をしてくださったのは、医療職の方だった。訪問看護か、移動中の病院職員の方だったのか分からないが、起きてすぐ事態に迅速に対応していただいて、感謝申し上げます。ほんと迅速で。いやもうほんとに。ありがとうございました。そのままブーって行ってまうところでした。ブー。

 

使い捨てウェットタオルを出しては押さえて止血、あっという間に血が止まって、最初、血まみれだった顔の左半分が、早々に落ち着いてきた。切ったと思われる傷が二カ所見えた。ああ~切れてる… でも血は止まってる…

「縫わなくても大丈夫だわ」

言っていただいてありがとうございます。この一言で3人の安心感はブチ上がり、救急車は呼ばなくていいとか、包帯とか処置だけは要るだろうとか、そのまま山に行けるのではとか、思惑が飛び交った。

「痛みはどう?」「痛くはないです、ただもう(超やりきれない顔)いい年してこんなことして恥ずかしいし申し訳ない~~(混乱)」

 

なんかいけそうやな。

 

とりあえず車に乗ってもらう。病院に寄ってもう少し処置してもらうか…

 

 

■病院へin、離脱(悲しみ)

痛みや吐き気はないが、とりあえず登山は止めて離脱しようかなという雰囲気に傾きつつあり、「うち病院のすぐそばやから」「じゃあとりあえず家の前まで行きましょう」と、家で下ろす方向に。「ああ~… 3人が2人に減る…」と哀しみがじわじわと来ている車中。しかし。

「あれ、、、なんか痛い」

「あっ、痛い」「あたま痛い」「いたたたた  痛い

 

 

(  >_<) あかん。

 

症状もないし、何ならだまくらかして説得して「とりあえず登山口まで行こうや」と言うたろと思っていたら、頭痛。これはいかん。車でウロウロしている場合ではない気がする。頭痛はあかん。怖い。

 

 

ブウー(病院)

 

車を駐車場にしまって二人を探しに行くと、

 

なんか問診と受付説明めっちゃ受けてる。

 

「あたま痛いんですって」「痛いのに…」とけっこうイライラしながらAI問診を入力しているみっこはん、これはきつい。

説明しよう。「AI問診」というのは、受診者本人でデバイスにタッチ入力していくアプリで、症状や部位のざっくりした主訴の入力内容に応じて、関連する具体的な質問を細分化してドリルダウンしていく便利ツールである。

健常者、特に職員からすれば、患者側に作業を渡せるし、紙の問診票より詳細な情報が得られ、入力内容が外来ブースの医師が見る電子カルテに飛ぶので、非常に便利である。が、傷口開いてて頭いたいいたい言ってる受診者には、きつい。

 

( ´  ¬` )(頭のどの部位がどう痛いかを選択する欄でイライラしてはる…)

 

( ´ ¬ ` ) (紹介状なしで飛び込み受診するから初診時選定療養費が11,000円別途かかる旨の説明受けてる…)

 

( ´ ¬ ` )  AI問診&説明長いな。

 

 

流血から20分ぐらい? 病院に飛び込んでから10分経たないぐらいだがやけに長く感じる。ここから外来受診で脳神経外科と整形外科を回ってCTを撮ったりしますとのこと。まあ診といてもらったほうがいいよね。頭の中のことは分からない。

手続きしていたら頭の痛みも引いてきたと。よかった。

 

付き添いなくても大丈夫となり、とりあえずみっこはんは山行からは離脱、受診を続けてもらい。荷物全て家に運び込んで、用意してくれていた食料だけありがたく受け取って、我々2人は山を目指すことにした。お大事に~~。うっうっ(泣く)

 

フー。

 

 

■往路、飯田市へ

流血から1時間後ほど、移動を再開、飯田市へと向かう。

謎のショックが車中に漂う。初めてすぎて戸惑っていたのだ。

「これまで仕事でも旅でも、序盤にすら差し掛かってないところで事故ったことってある? 旅行行こうとして家出たところで事故に遭うような」「いや・・・ ない・・・」「ないよなあ・・・」「こういうパターンがあるんやね・・・」「さすがに考えたこともなかった」「まあ山の中で起きなくてよかった」「下山中に転んだらあれでは済まへん、1m以上下に叩きつけられるし、岩とがってるし」「うわあ」「これは山の警告か、聖の選別か」 3日間、暇になるとこの件を思い出しては話していた。やはり血というのは人間の感情と記憶を刺して揺さぶるらしい。

 

大阪市内はひどい渋滞だったらしいが、その後は何ら障害なくスルスルと進み、山の事故やジャニー喜多川の話をしていたら、滋賀県を通過し、伊吹山でかいなと感心し、一宮を過ぎていた。要は高速で行くと琵琶湖に沿って走る滋賀県がえらく長く、米原~名古屋間は逆にちょっとしかないので、記憶にほとんど残らないのだ。

 

小牧を過ぎ、多治見で「虎渓PA」という良い名前の地に来たので休憩する。小さな売店・食堂だが、食文化が完全に名古屋圏で「きしめん」がレギュラーメンバーに据えられている。いいやん。地域特異性の高い飯は好物である。食べます。

13時半。汁がやや辛くて、これは登山中・下山後に食べたい一品。山小屋で出してくれたら泣く。

こういう野郎メシみたいなの、あんまり食べないけど地域特異性が見い出されると嬉しいよね。

 

三河名物「どて」。なにこれ。試しに買ったらよかったな。モツを赤味噌で煮込んだ食品らしい。ごはんにあうんちゃうん。

 

カナヘビがくそ暑い中、ひなたぼっこをしており、動かないので、穏やかな自死を選んだ文化人のようでした。ゴダールと命名。

 

15時すぎには飯田ICを降りて市内へ向かう感じに。

なんか天気いいねんけど安定が悪くて今にも夕立ちが来そう。夏っぽくていいけど登山中にこれ止めてな。

 

「アップル」と聞くと世界的大企業の覇権しか想像できない現代人です。林檎でも作ってるんかな。

 

地方の国道沿いは全てコピーである、違いは要素の足し算・引き算のみにすぎない、という毎度お馴染みの感想が私達を襲います。いつからそうなったんやろうね。ユニクロは便利だ。

 

早めの夕食どこで食おうかと話していたが、芝沢ゲートの駐車場まで1.5時間、そこから徒歩で聖光小屋まで2時間と考えると、あまりダラダラしていられず、またさっききしめんを食べて今すぐ夜も食えるもんでもない。うーん。「スーパーでなんか買って行って、駐車場で食おうや」良案です。

 

( ´ - ` )ノ バローを発見。

地域の品が全然ないな・・・。地酒ミニボトルも2種類しかない。

夕飯+翌朝食として、パンと蕎麦を買い込む。省エネ(めんどくさい)ためコッヘル煮炊きをしない方向に。

車は街を離れて地方色が強まる。

同時に共産党も強まる。戦争の準備をした覚えはないが、イージスアショアどうなったんかな。人が立ち入らなさそうな山道にまで共産党の新しいポスターが立っていたのには恐れ入った。まめに掲示物の取り換えが行われているのだ。強いなあ。

 

天竜川をまたいでからが本当の「旅」の始まりであった。

 

 

■通行止めだらけ、芝沢ゲートまでの道

「ここから1時間半ぐらいずっと山道やで」と言われ、やだぁとか言っていたらマジで両側には山しかないし、ナビは途中から折りたたんだそうめんみたいな道になってるし、登山口が遠すぎて泣いちゃった。ぎゃはは。こんなめんどくさい山、そうそう来れませんわ。南アルプスをやるのは大変だ。

どの時点での被害への復旧工事なのか分からないが、片側通行規制がやたらあって、厳しさを物語っていた。

こんなんばっかり。

 

そして肝心の「聖岳・光岳方面 南アルプス登山口」は非常に分かりづらく、国道152号を進んで「遠山生コンプラント協同組合」から少し先の「上島トンネル」すぐ隣に見える屋根、ここに車を突っ込ませないといけないのであった。わかるかこんなもん。私有地への入口か物置にしか見えんわ。

 

あれですあれ。時速60㎞以上で飛ばしてたら絶対見落とす。反対車線をまたいであの屋根に車を突っ込ませるという判断を初見でできるかどうか。師匠が経験済みで良かった。

 

しかもこのシェードの手前に交通情報の看板を重ねて置いてあって、何を言うてるのか全然わからんから停まってしばらく読んでしまった。パッと見「通行止めだから行くな」にしか見えないのが凶悪すぎる。一人で来てたら帰ってるわこれ。

「この先 崩落のため 全面通行止」てでかでかと書いてあり、赤字がいっぱいあって、びびる。土地勘がないから地名言われてもわからへん。

内容は「南アルプス方面へのは迂回路は幅員が狭い」「ので、上村小学校横から回ってね」(確かに下山時はそういうルートだった気がする)とあり、絶対にここ通れませんよという話でもない。まあもっとよく読んだら「許可車両のみ通行可、一般車はやめてね」と小さい字でダーーッと書いてるか・・・ 運転中にこれ全部読んで理解できたら良い官僚に慣れると思います。

 

ここからの山道が酔いそうにうねうねしており、加えて、行く先々に「通行止」が出てくるので、謎のせめぎ合いになります。

なになにどっち行ったらいいのかわからん。左をアカン言うとるように見えるけど右がアカンねんて。道狭いし運転していると瞬時の判断がむずい。

「上村下栗の里」とか「しらびそ高原」「南アルプスエコーライン」といった、景勝地にふさわしい名詞が看板にばんばん出てくるので、普通の旅なら途中下車するなり、ビューポイントで景色の撮影をするのだが、今回の目的地はそれらと桁が違う相手なので、全部スルーです。登山はケとハレの構造をもさらに底から無化させてしまう。

 

tohyamago.com

 

いやもう通行止め多すぎてわけわからへんねや。「いける!いくわ!」と突っ込んだ先で本当に止められてて引き返すなど。生活者さん宅もあるから、手前で完全に切ってるわけではなく、ちょっと奥まで進めてしまうのがまたややこしい。

 

これは真っすぐ先の道が通行止めで、手前右側の影になってる道が正解です。わかるか。なんて情報量が少なくて多い道なんだ。宮崎で霧島山の噴火警戒のために迂回させられたときはシンプルだったが、あれは新燃岳の周りにマジで何もないから出来たんだろうな。いや火山だともっと強制的に立入禁止に指定できるだけか。

ここは生活道が細かく入り組んでてすごいんや。コンパクトカーで来てるのに通るのギリギリな道とか出てくるし、当然、対向車がきたら超めんどくさい。くるまスキルも鍛えられます。

 

名もなき橋。名前あったと思うけどGoogle Mapに表示されないのと撮ってないので。ここがたいへんよくて、橋が何の主張もなくて地味なくせに谷がめちゃくちゃ深く、眼前に広がる山がとてつもなく大きい。南アルプスというやつらがいかに深くて大きい相手かが窺い知れる場所です。


www.youtube.com

「写真じゃスケール伝わらんから動画とるわ!」て録ったけどや、これもまあ伝わらんなあ・・・。1枚の写真に納まらないフレーム外のスケールは確かに出せるけど、奥行き・遠さや「大きさ」の質感は出せないなあ。むずい。かくしてYouTuberになるのを諦めたのであった。完。

 

ガードレールはどこもボコボコで、車が当たるのではなく山側から石、岩が飛んでくるためひどい暴力沙汰となっている。「このへんは落石が来るから長居せんほうがいい」やだなあ。無人で暴動が起きるのが山です。

17:20頃、「芝沢ゲート」駐車場に着。9時前に家を出てから8時間半、大津の仕切り直しから6時間。予想以上に時間がかかった。
くるまが既にいますね。ここが満車になっても少し手前に駐車スペースあり、更に戻れば駐車場あり、かなり停められる。わりと余裕。

 

で本来はこの先の「易老渡(いろうど)」に30台、聖光小屋のある「便ヶ島(たよりがしま)」に50台の駐車場があるのだが、前述のとおり崩落によって自転車も含めたすべての車両が通行止め、歩行者のみが先に進める状況です。

なお、でかい手書き看板で宣伝しまくってる「かぐらの湯」は小さく「休業中」と書き添えられており、残念。下山後に身を清める作戦が立った瞬間消えた。

tohyamago.com

公式サイトでは「源泉を汲み上げるポンプが落下したのでR2.2月から休業中、復旧の目途立たず」とのこと。がんばってください。

 

( ´ ¬`) ごはん食べてからこの先へ行きます。

なんかドライブ記録になってしまった。つづく。

 

hyperneko-daily.hatenablog.jp