nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【旅】R5.8/14-15_③尾道の商店街(尾道本通り商店街)

尾道の商店街から動く気がなくなったので「尾道の商店街を散策したらいいんじゃね?」とミニマルを最大化する作戦に出て、尾道本通り商店街を堪能するという、いつになくわりと普通の旅をしました。それで十分面白かったんで散策のしがいがある。お好み焼きはまじでうまい。

 

初日からの動き。

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千光寺の登山(?)で体力を使ったぞ。登山やってるとは信じられない脆弱性です。日本製は繊細なんだよ。

 

 

■10:20 尾道商店街にイン、散策続行、商工会議所

地元の生活に馴染んだ形で神様仏様が溶け込んでいるのが面白い。

 

尾道本通り商店街は、でかい。でかくて長い。

onomichi-hondoori.jp

 

商店街に入ってすぐの店でコーヒー豆のめちゃくちゃいい香りがしてアイスコーヒーをします。「Classico(クラシコ)」さん。酸味がある。ガムシロが脳にしみる。水分が足りないのにコーヒーを飲むという愚行。氷をぜんぶ食うから大丈夫です。店頭で作戦会議をします。

www.classico-coffee.jp

服がビシャビシャでベトベトやねん。

千光寺登りでかいた汗が着ていたエアリズムに全部溜まって物凄い不快さである。吸った水分をうまく外へ吐き出す機能を持っていないらしく、ただビタビタに濡れたままとなっている。不快人間だ。「エアリズムの着替えを探そう」という仮目標が設定された。これは未遂に終わった。

 

また、小唄氏が「気になる紅茶の店がある」と言い、商店街が終わるあたりにあるため、そこをひとまずの目当てとして進むことになった。

 

 

「尾道商業会議所記念館」が気になって飛び入りする。

www.city.onomichi.hiroshima.jp

1923年築、かつての商業会議所(商工会議所)の建物をイベントや展示用に開放していて、明治以降の尾道港のようす、漁業との関わりについて写真と資料が展示されていた。

七福神のエビス様と「ヒルコ(蛭子)」との関わり、尾道沿岸部のエビス信仰の説明などが面白かった。水死体や漂流物を豊漁をもたらす神として扱う。諸星大二郎の世界だ。

 

もう一つ、魚行商「晩寄りさん(ばんよりさん)」の解説が面白かった。この本通り商店街で手押し車に魚を乗せて売り歩く女性のことで、豊臣秀吉の朝鮮出兵の頃から、戦争未亡人に対して許可された商売であったという。林芙美子の短編小説『風琴と魚の街』(1931年)にも呼び売りしている様子が描かれている。

2017年10月末で引退した人から寄贈された手押し車も展示されていた。2010年代初頭あたりのWeb記事では商店街で魚を売っているおばちゃんの写真が出てくるが、現在何人が残っているだろうか。

2階は議場がそのまま残されていた。いわゆる国会等の「議会」をそのままミニマム化したような立派なしつらえである。なんと1000円~6000円台でレンタルできる。

どうも展示系になると活き活きする私。

 

 

■くろねこ、尾道帆布、尾道紅茶

クロネコヤマトがよかったんや。ここの商店街はポテンシャルが高い。イラスト、置物が脱力しながらも良いパワーを持っている。

「尾道帆布」が気になり店を見てみる。いい品が多い。エコバッグやトートバッグを余らかしている私ですら何か買いそうになった。木織物や藍作の歴史があるんだって。

一番気になったのは「柿渋染」、青柿で染めた布製品で、かなり硬さがあり、色が茶色で、全体的に高級感があって大人の風合いが良かった。失われた技法を復活させたと映像で紹介していた。1点1点手間をかけて作られているので万円するので買えず。

www.onomichihanpu.jp

 

5つのゾーンから成る商店街の右から2つ目:「絵のまち通り」に入る。よりチープとディープが高密度になって昔ながらの商店街の雑多さが強まる。ちいかわが繁殖しているのが気になる。ジョゼ虎、ファフナーが多数貼られている。

11:20頃、「今川玉香園茶舗」。

www.imagawa-chaho.com

本通り商店街から脇の小道に入ってしばらく進んだところにあるが、尾道の中心地から外れているし、店先も陰になっていて民家のようで、普通に歩いていても辿り着けなさそうな店舗である。よくこの店の存在調べてたなあ・・・粋人にならはるんかなあ・・・。

くろねこが超かわいく、おしゃれなジャケの「尾道紅茶」。やばい。ジャケ買いしそうになるのをおさえる。茶を飲む習慣がないので確実に数年後棄てる羽目になるのだ。

茶っ葉よりも茶道の道具や骨董がみっしり置かれて店内を占めており、茶碗や懐紙が色々とあった。実用としての敷居の低さがあった。良き。

 

昨夜このへんまで来て、お好み焼きの店が開いてるか見て回ったのだと知って、そらしんどいわと思った。どこまで歩いてんねん。勤勉すぎる。

 

 

■11:35_尾道お好み焼きリベンジ「さんしん」

「朝早くから行動してるのだから早めに昼飯をとるのは理に適っているよね」という共通理解があり、昨夜並ぶも入れず断念した「さんしん」へ行ってみる。まだ準備中かと思うぐらい様相が違う。並ばずに入れる! なんやってん夕べの苦闘は。

「スペシャル焼き」「尾道焼き」とも砂ズリが入っているのが特徴。店主が一人で焼いて完成させてからの提供となるため、かなり時間がかかる。昨夜待たずに諦めて正解だった。写真の時間を見たら40分ぐらい待っていたことになる。

市立和歌山と梅村学園(鹿児島)の戦いは、すごかった。5-0で梅村学園が勝っている中、市和歌山が1点を入れて、おお、がんばるやんと思った次の回で、梅村学園が5点を叩き込んだ。うわあ。うわああああ。なにすんの。歓喜と絶望とが激しく交錯する。

たった3年間しかない戦いの舞台は、強い儚さに満ちていた。蝉が鳴き声を震わせ、蛍が光を放ち、季節の傾きと共にいなくなってゆくように、彼らはたった僅かな瞬きの間にだけそこにいる・・・。

 

 

 

■12:50_古書「Tage Buch(ターゲブーフ)」@オノツテビルヂング

台風7号が着実に近付いてきているらしく、風がおかしいし、陰ってきたし、にわか雨もパラッと来た。これ明日の出勤とかありえないでしょ。「JR西日本 運行情報」「計画運休」などで調べてみるがまだ静観の構えのようだ。

 

古本屋があると聞いて寄ってみる。廃ビル・廃病院「旧小野産婦人科医院」をリノベーションした物件「オノツテビルヂング」に入っている店舗だった。

onotsute-building.com

これが古本屋か!手術室ですよ!わあい。ときめきますね。

本は洋書など雰囲気のあるものが多い。写真集や図録は新刊が主で、赤々舎が主なラインナップだった。アントワン・ダガタ『赤穴』を見つける。

 

2階は1ヵ月以上の長期滞在者用が入れるスペースとなっていた。

1938年生まれのこの建物、2020年頃に取り壊しを回避して保存する動きが始まり、2022年に工事が行われ、2023年4月からホームページが立ち上げられている。まさに旬の物件だったわけだ。ありがたや。

 

 

■13:10_商店街に戻ってレトロみを味わう

尾道に現代アート? 「Gallery Cafe ULTRA」、ワンドリンクでアート空間が楽しめるということで、2階のギャラリー+カフェスペースに入るには注文が必要。もうお好み焼きでいっぱいなんやで。

 

八百屋?さんでなぜかペットボトルを110円とか安くで売ってるので買う(2回目)。

角地のカフェ(閉店)が「kado」という店名なので「なるほど角やからkadoか」と眺めていたら、脳が筋肉っぽいに観光兄ちゃんグループが「角にあるからkadoや!」「アヒャッヒャッハyッ」と大声でウケていた。せやな。せやわ。

昼12時をすぎるとどの尾道ラーメンの店も行列になっていて、「昼飯は12時を回ってから」の不文律をきっちり守る日本人の律義さに感動した。早めに動かないとだめだ。

 

道中で土産物店に3回ぐらい立ち寄り、職場用の菓子を買い求めた。もうこの時点で「明日は台風7号が来る ⇒JRが朝か昼か夕方には計画運休する ⇒職場に行けない or 職場から戻れない事態になる ⇒夏休をはめる」心が仕上がっており、わびの姿勢を見せるためにも菓子がいるのだ。酒と尾道ラーメンは自分用。

 

13:35、商店街の入口にあたる「おのみち林芙美子記念館」「大沢レコード店」に着。

レトロと雑多さを噛みしめて楽しい行程でした。最後はもう駆け足で、次の「倉敷美観地区」への移動もあるからさくさく歩き。本通り商店街とその支線は膨大です。結局「林芙美子」が何の人か全然知らないんですが、また今度尾道に来たらやろうと思います。

 

( ´ - ` )倉敷へつづく。

 

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