15時半、やっと「室堂ビジターセンター」に辿り着いて一息ついた私達3名は、売店をあさり、すぐ傍の「白山神社奥宮祈祷殿」でお祈りをし、生ビールをあおり、夕食し、日の入りを拝み、幸せになりました。めでたしめでたし(^<^)
- ◆15:30~16:00すぎ 「室堂ビジターセンター」宿泊部屋、設備
- ◆室堂ビジターセンター:売店
- ◆16時~17時すぎ 「白山神社 奥宮祈祷殿」、生ビール乾杯
- ◆17時~18時すぎ 夕食、外を散策
- ◆18:15~18:40頃 日の入り、夕焼け
縛りプレイ3人衆(低レベルクリア、ステータス異常、呪い)がお送りするゼーゼーハーハー登山。
◆15:30~16:00すぎ 「室堂ビジターセンター」宿泊部屋、設備
基礎情報です。
<宿泊> 素泊まり:8,200円、1泊2食付:11,300円(夕食1,900円、朝食1,200円)
<夕飯> 17:00~17:30
<消灯> 20:30
コッヘル&バーナー持参なので飯は何とでもなる。夕食はまあ当然つけるにしても、朝食を自前とするか注文するか少し迷った。が、煮炊きは食堂と別の場所になりそうで、グループ行動で単独やらかして作戦すり合わせできなくなったらいやだし、何よりも、ここで1,200円をけちるより室堂ビジターセンターの味や雰囲気を味わいたい、ていうことで2食をつけたよ。結果的に正解でした。
朝・夕食とも白ご飯と味噌汁がおかわり自由なので、しょぼいアルファ米をクツクツ焚いて食うよりも、遥かに良いと思います。
更に朝食は「お弁当」に変更可能で、早朝から頂上&お鉢巡りをやる場合に強力な武器となります。行動派プレイヤーには必須でしょう。
あと宿泊は新型コロナ感染対策で、布団はインナーシュラフ持参のうえ使用してくださいとのこと。はい。
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施設の案内・説明を受けて、自分の割り当てベッドに荷物を置きに行くよ。飯の時間、売店の営業時間、靴箱の使い方、ゴミの処理(売店で買ったものも全て家に持ち帰り)などの説明を受けます。このへんは山ルールです。
でかい施設です。トイレも水場も2カ所もある。
今日のお宿は「くろゆり荘」、女子も男子も建物は一緒。部屋だけ分かれている仕様。
宿泊棟を逆側から見たところ。でかい。合宿所です。
左「こざくら荘」と右「御前荘」、正面がビジターセンター。
今夜のお宿「くろゆり荘」、入口・たたきから見たところ。きれいです。
郵便局の看板「標高8930尺(2702M)から涼しいお便りを」がレトロでいいですね。昭和の記念切手を思わせます。
ああ~~~( ´ -`) NTT小松支店のこれ。
レトロ ( ´ - ` ) これもよい
感銘をうけました。しかし決してエモいという言葉を使ってはいけません。語彙が減る呪いに罹ります。ヤバいもすごいもだめです。やば。酸欠になりそう。
部屋は2段ベッド式、1段を2人使用だが今回は空いているので1人で使わせてくれる。つまり1部屋12人収容。ひゃっほう。荷物整理・着替えに便利でありがたい。
手入れをしましょう。ああー広くて助かる。
ギアが汗を吸いまくってえらいことになっていて、放っておくと翌日の帰路で悪臭が大変なことになる(経験済)ため、汗拭きデオドラントシートで入念に拭きまくります。消臭スプレーもふんだんに振っておく。どうせ下山でまた汗ビチャになるんですが、こういうのはこまめに対策しておくに限ります。魂を下界に縛られた者って感じ。しゃあない。帰路に電車を使うんです。はい。
着替えも多めに用意しているが、ズボンは2本しかないので、行動用とオフ時・帰宅用に分けて使う。よく拭いて脱ぐ。そのあと登山靴も念入りに拭いておきました。過剰な気がしますが、下山後に帰路の電車やバスで周りに嫌がられた苦い経験があり、つらい。
あ。しまった、パンツの替えが足りない。
仕方ない。よく拭いておく。汗でびちゃびちゃなので冷たい。拭く。デオドラントデオドラント。全然知らん人が真横にいたら気まずいところだった。1人で使えてよかった。まあ全部屋2人組体制になるのって相当な激混み時だけの気がするが。あるいは団体客。そういえば修験道の修行の恰好した御仁らが数名いました。ごくろうさまです。
山の水が使えるの超ありがたい。飲めるんですって。
私ここまで家で汲んだ水道水2リットルを持ってきた(煮炊き用)のですが、もういらん。使い切り、白山の天然水を積み直して、できるだけ家に持って帰る作戦に。枕元に置いておかないと目が覚めたらノドカラカラになるんで。飲むすよ。のむ。おいしい。
室堂の敷地は広くて、燃料とか資材あれこれ置き場。長年人の手が入った場所であることがわかる。
トイレはすごかった。2カ所のうち1つは水洗式、しかもシャワートイレ!!!
ここまで都市化されたトイレを備えた山小屋は今までなかった。白山のメジャー感は格別のようだ。「登山」の中でも、富士山とかそっちのジャンルに近い。
室堂ビジターセンターは立派です。巨大ロッジの趣。ごはんは屋外席でも食べられます。で食べたら夕暮れの風が寒くて仲間がこごえてました。難しい。
◆室堂ビジターセンター:売店
売店を観察しましょう。
飲み物は充実。なんと生ビールがある(800円)。ここまできて生ビは熱い。のむよね。のみました。日本酒も冷と熱燗がある。うわー。うーわーー。昼過ぎに到着してたら確実にやってましたね。夕飯が17時からとあまり間がないので今日は見送りです。
「いらすとや」を見ると一気に現世(下界)感が出る。なんだろう。デザインは非日常を分解する酵素となる。
食料はこれ。ああ~(納得)。最低限の菓子や乾物。凝った食い物はやはり自分で持ってくるのが吉ですね。
その他アイテムは満遍なく売られている。頼もしい。
他、記念グッズがかなり多く、むしろこっちの方が特徴がある。にぎわい。ただの山じゃなく観光地の性質も備えていて、団体客が来てそうな雰囲気がありますね。
ゴミの処理ルール「売店で買ったものも全て家に持ち帰り」のため、ビニール袋が無料で提供されている。袋が振舞われているのはいいですね。たいがいゴミの管理がずさんになるのってゴミ用の袋が無いからなんで。私は初めての登山でぐちゃぐちゃになったから袋スペアめっちゃ持ってます。あっポケットティシュ持ってくるの忘れた。あかん。
◆16時~17時すぎ 「白山神社 奥宮祈祷殿」、生ビール乾杯
さて、ビジターセンター裏手・山頂側の広場にでんと鎮座ましますのは「白山神社 奥宮祈祷殿」。なお、奥宮は山頂にあります。遠い。
霊山ですからね。山がご神体という定番の設定です。登山口の鳥居で有難がっていたのに、登山中長い間、ご本尊(=白山本体)が出てこなかったので設定を忘れてました。
この鳥居だけを見ると「おお、山に鳥居がありますなあ」「ありがたや~」で、シンプルにありがたくて尊いのだが、「白山信仰」としての世界観で捉え直すと、深くて広い何かがあれする。あれです。知らんから分からんけどあれだ。
霊峰という響きに弱い私達。スピリチュアルは大嫌いなんですが、マジモンのガチスピは尊重しています。人為や個人や近代化を遥かに超えた自然の力というか、天文学的な力というか。ああっ言葉で違いを伝えるのが難しい。例えば立山の地獄谷とか、真っ白で美しくて現実離れしたあの世感があるけど、それは毒ガスとかで人が即死ぬ酷薄さと密に一体のもので、そういう人間をどうしようもなく度外視した力や存在の在り様を尊重している、ということです。死にたくないよう。がんばります。
おみくじ引くついでに、「白山比咩神社」紹介冊子を購入。
「神が住む山」という信仰自体は大昔からあったようだが、禁足地だったんですって。本格的に歴史が刻まれたのは、714年に泰澄(たいちょう)が開山してから。
泰澄は名前の雰囲気のとおり修験道の僧で、当時かなり有名だった。白馬に乗った白山比咩大神(しらやまひめおおかみ)に「白山に来たれ」と告げられて登ったと。それ強烈に「白山登りてえ」って思ってたからそういう超知覚体験を引き起こしたんじゃ・・・。いや何でもない。そして登頂してからも修行を続けた結果、観音が現れ、さらに周囲の別山、大汝峰でもそれぞれ観音や如来を感得したという。
まあ平たく言って超人ですよね。まずヤクとか何も使わず観音や如来を自力召喚できる時点で超人。高山には秘伝の幻覚系アルカロイドでもあるというのか?
インフラがないんすよ奈良時代は。モンベルで買い物もできず、ゴアテックスの山装備もなく、接待のきいた階段もなく、それどころか市ノ瀬や別当出合の駐車場もないのに、徒歩で登頂。いろいろおかしいです(驚嘆)。しかも登頂後、室堂ビジターセンターもないのにその場で修行続行。くるってます(驚嘆)。超人か。
なんだろう、山って単発の奇跡はあっても(崖から落ちても偶然助かるとか)、奇跡が長期に亘ってずっと継続するなんてありえないんで、個人の努力を超えたレベルの支えがないとこれは無理な気がする。
部下やフォロワーが次々に後からバケツリレーで水や食料や生活物資を送り込む原始極地法をやってたのだろうか。呼吸や心拍を常人の半分以下にして消耗を抑えてたのか。実は当時既に山のある程度のところまで人が入り込んでいて、拠点として使えるポイントが確立されていた、というのなら納得はいく。
興味深いのが、物凄い霊験のある偉い人が、修行によって観音や如来を呼び出して初めて山が「開かれる」、そして修行の場として他の人達も立ち入れる場へと転換されるという点。「開かれる」までは、山は一体何だったのだろう。現在の私達が見て感じている「山」とは別世界と考えるべきだろう。神や仏=秩序とすると、人間が立ち入っていい場ではない、何やら宇宙のような、混然・混沌とした場だったのだろうか。
この白山が修験の聖地として、下界の3カ所と関連・連動していることを考えると、非常に巨大な規模の聖域である。
3カ所というのは以下の「三馬場」を拠点とした禅定道のネットワークである。
・「加賀馬場」白山比咩神社(石川県)
・「越前馬場」平泉寺白山神社(福井県)
・「美濃馬場」長滝白山神社(岐阜県)
どうやら頑張れば3地点から禅定道を歩いてここまで登ってこれるらしい。所要時間は不明。確かに昭文社の地図にも禅定道ルートがありますわ。寒気がしそうな長さだ。
拝殿でさいせんを投げ入れて祈願。我にとにかく良いことを・・・良いことがありますように・・・因果律をあれして・・・現世のことわりをあれして・・・チート無双で・・・ はい。
( ´ - ` ) こまいぬかわいい。ちいさいんですよこれ。kawaii.
元々はこの白山登山計画、仲間が思い付いたもので、2020年の夏に「白山比咩神社」に訪れた際、それらが単体の神社ではなく前述のとおりネットワークから成っていて、「奥宮」は白山山頂にあると知ったのです。それは行かねばならぬと。此度実現。いやまだ山頂には登ってないですけどね。明日早朝には着きますけどね(死にフラグ)。
なお2020年夏に行った白山比咩神社は、森が深くて超よかったんですが、多忙ゆえにレポは未作成のままとなっております(白目)。つらい。
仲間が誕生日を迎えていたので、サプライズで祝しました。祝電を打つなどすればよかった。この時点では風も強くなく、太陽光もあり、外の机で生ビールをあおりながらケーキを食べる余裕があった。
( ´ ¬`) 汗水たらして登ったあとの生ビールはやばい。誰がカイジ(@帝愛地下労働施設)を責めることができようか。泣くほどうまい。人類、麻薬を禁じることはできても、酒は永遠に不可能だろうと実感。
見上げるとミニマル虹。なんだこれ。天気が崩れるのではと一瞬思ったが、天気の予兆系の知識がない。あと電波が基本的にかなり弱いのでスマホは機内モードにして節約。ぐぐりません下りるまでは。ぐう。
◆17時~18時すぎ 夕食、外を散策
三度の飯より楽しみなのが、三度の飯です。自然界に身を置くと、食うか寝るかに関心が偏ります。動物化するのだ。めしを食うために登っている気にすらなってくる。
17時から夕食という、普段ならおやつ2.0みたいな時間帯に食べるわけです。実際ついさっき生ビールでケーキ食べたところである。がデザートと主食は別腹。白ご飯は大中小でよそってくれて、一番でかいのを選ぶ。食います。食う。
メイン料理がハンバーグと焼き魚で選択可。サービスがすごい。テント泊だとアルファ米を湯で戻してモソモソやってますから、汁物だの肉だのゼリーだのと豪勢。テントはテントで楽しいんですが。
汗をあほほどかいたので、みそしるの塩気が超ありがたい。
17時半頃になってきて、陽が傾いてきて雲もかかってくると、さすがは2448m、屋外席に吹き付ける風が寒くなってきました。食べ終わる頃には仲間が険しい顔に。エネルギー補給しながら体温を奪われる。
日の入りは18時40分頃なので、それまで散策して時間つぶし。レインウェア上を羽織って風を防ぎます。陽が照ってるといいけど、陰ると風ですごい寒い。平地の10月下旬のような気候。
建物すぐそばにトリカブト群生。青い。きれいですね。
猛毒があって青いって超かっこいい。人を終わらせるブルー。よってブルーピリオドと呼んでいます。うそです。
マルハナバチが蜜を吸うために潜り込んだ際に受粉できるよう、烏帽子の形をしているって聞いたことがあります。
散歩できます。楽園や。
あれが明日の朝のぼらないといけない山頂。これやばいな。でかいぞ。
片道40分て書いてある。楽には登れないこと確実。ザックは置いていくとして、サブザック持ってくるの忘れたから、また装備考えないといけない。ご来光を待つのであれば、風にやられてくそ寒いから、防寒具がいる。ああっ。
足元に小さい赤い実の植物。コケモモかな。
開けた岩場があって、人々がたむろできるようになっていた。登って来た時には通らなかった。日の入りまで人々が時間を潰してました。平和だ。
歩き回れるところ以外はほぼハイマツ。ライチョウがいそうな雰囲気があるが、白山にはいません。
◆18:15~18:40頃 日の入り、夕焼け
18:17。
18:18。
18:27。
18:30。
だいぶ日が傾いてきた。風がさむい。あともうちょっとがなかなか沈まない。
18:33。
18:37。
18:37。
18:38。
( ´ - ` ) 超久々に日の入りを真面目に見ました。普段社会人をやっていると太陽が沈む姿なんて見れません。何を見てるかって? Twitterか漫画。あかん。
18:40。完全に沈んでからしばらくして、空がめちゃくちゃ焼けることもあるので、少しだけ留まってましたが、寒いし、暗くなるだけっぽいので戻ります。
これで一日の仕事が終わりました。なんか長い1日だったな。
後は歯を磨いて、明日早朝に持っていく装備を用意して、アラームかけて寝るだけです。
カメラ用のウェストバッグがでかいので、そこに菓子や貴重品や収納型フリース類をぶちこんで、カメラは首から下げて登る。水はいらん。
朝4時に起床、身支度、4時20分出発を目標とする。そして5時10分頃のご来光に備える。よし。
19時過ぎ。寝ます。おやすみなさい。
( ´ - ` ) 翌朝どうなるか。つづく。