nekoSLASH_記録編(日常・登山)

『nekoSLASH』分家。日常、登山、廃墟、珍スポットの記録集。

【登山】2025.7/19_大峰山脈 / 弥山、八経ヶ岳

奈良南部である。初めての弥山・八経。…と思っていたが、後で調べたら約10年前に同じルートを登っていた。記憶が一切残っていない。そんなばかな。

今回は6時40分スタート、15:45下山。

登り5時間・下り4時間の、計ほぼ9時間。

だが地図上の標準コースタイムは登り3時間、下り2時間半、計5時間半。

昼飯など途中休憩を1時間ほどを考慮するとしても、3.5時間もの差があるのは理解不能だ。

 

そして2017年、既にほぼ同じコースを登っていることが後に判明した。え? 記憶がないのだ。完璧に初見の気持ちで登っていた。うそやん(ショック)。残念ながら過去の山行ブログも残っていない。10年近く経って振り返ろうとしても遅いのだ。記録に残さなければ、記憶は残らない。しかし完全に消えていたわけでもないのが厄介だ。

同年、ナメリ谷の「双門ルート」から頂仙岳経由で弥山のすぐ傍まで行った時の記録は遺している。自業自得なのだが凄まじい山行だった。

hyperneko-daily.hatenablog.jp

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この時は力尽きて、狼平避難小屋でぶったおれ、片道1時間の弥山にまでは到底足を延ばすことができなかった。この2つの記憶が混在していたので、今回弥山小屋についたとき「双門のときこんな小屋だったか…?」「もっと人がいなくて森がなくて小屋も小さかったはず…」「なんで…」と静かに混乱していた。刑事の尋問などがなくてよかった。

 

双門コースは殺人級にしんどかったが、今回のルートはたいへんシンプルですからね。大丈夫や(不安

 

■4時すぎ 家出発 ~ 6:30 駐車場(行者還トンネル西口)

車で片道2時間半かかること、登り下りに6~7時間かかること、何より真夏で殺人級に暑いことが懸念された。標高たかだか千m台なので、日中だらだら登っていたら死んでしまう。

そこで可能な限り早く出発するために、仲間はうちの家で前泊し、早朝4時からマイカーで乗り付けることにした。

 

これは功を奏した。時間の余裕は気持ちの余裕に直結した。下山まで非常に時間はかかったが、それでも17時には天川村の温泉で身を清められたりして余裕があった。何より朝、車がスムーズに登山口最寄りの駐車場に停められたのが良かった。

更に道中は曇ったり風があったりと、夏にしてはかなり恵まれた気象条件で、直射日光をかなり防ぐことができた。幸運でしたね。

 

ただ奈良県天川村に入ってから駐車場までの道は本当にヒヤヒヤした。山の斜面や崖と切れ落ちた川に挟まれた、車1台分しか通れない細い道がぐねぐねと続いていて、たまに岩が落ちて割れている。川は透明なブルーの渓流でとても美しいが、一体自分がどこに向かって走っているのか全く分からなかった。唯一よかったのは、早朝で対向車がいなかったことで、時間帯によってはかなり往来で面倒なことになるだろう。

こんな渓流釣り師御用達みたいな道が正解とも思えず、道を間違えてどえらい所へ着いてしまうんじゃないかと、全く自信がなかった。Web情報では、行者還トンネル西口駐車場は数十台が停められる広いもので、その手前にもいくつか駐車場が出てくるという話だった。話が違う。車1台分の道と、崖と、川しかない。

 

最後の最後まで走って急に道が拡がり、大きなトンネルと大きな駐車場が出てきたのだった。なんやねん。びびらさんといてな、🙃

 

■6:40開始 ~ 7:55 奥駈道出合

Web情報通りのまともな駐車場にたどり着けたので、もう私の仕事は終わったも同然。いや。登らねば。ぐう。

6時40分に着いて、トンネル最寄りはほぼ満車。

トイレ、靴の洗い場があり、わりと新設設計だが、駐車料金千円です。世の中は金。

 

しかし金の通用しない奴がうろついているとの報があり、それは、熊だ。おいやめろ。くんなや。帰れ。どこに? えーと…。

登山届BOXは手前のボロボロのよりスロープ上がったとこの新品のがいいです。

行者還トンネル駐車場は南に弥山・八経ルート、北に行者還岳・大普賢岳ルートがとれて有能です。だから利用者がそれなりに多いのか。

登山届を出さないと見つけてもらえないので怖いぞ。ヤマレコとか入れとくと良いらしい、ヤマレコの「緊急SOS機能」は電波の無い所でさえも「au Starlink Direct」で衛星経由で家族などにSOSの報を発信できる。て言ってた。

 

登山ですが、小一時間は急登です。ウェー。まあ普通の樹林帯なので普通にじわじわ歩いていたら着く。今や私は意識カット術を使えるようになりましてね、登ってる最中は自我を6割7割とカットしているので、記憶がない。

※下山のときに傾斜けっこうあって驚きのあまり「こんなとこ登ってきた記憶ねえぞどうなってんだ!?」と何度も叫んだ、記憶がないのである。狂っている。

これは典型例として参考になる。皆さん弥山の序盤はこれです。きつい勾配に、木の根と石がセット。登りだと、運動いっぱいさせられるけど、足場が豊富でどこからでも登れるからあまり苦ではない。下りで猛威をふるいます。躓いてこけるんや。

 

駐車場あたりは川と滝があって、気温20度前半と半袖では寒いぐらいだったが、ガシガシ登らされるのですぐ暑い。それでも直射日光がなく、風が吹いていて、恵まれている。植物も多いので楽しい。今は。

汗をかきたくない&体力をできるだけ温存したいので、じわじわ登りを敢行する。もれなく後から後から抜かされた。みんな速い。いや速いy ある程度の心得のある層しか登りにきてない気がする。

低山あるあるで、道が一部不明瞭なため、この先行くなロープが引いてある。登りでは大した問題ではないが、下山時はこれが命を守ってくれる。下から見上げる時には、道が見えるのだが、上下逆になると道が見えず、道っぽい窪みや木と木の隙間に騙されるのだ。危なすぎる。

あまり古くない倒木が目立つ。平成30年台風21号だろうか。

コバエがけっこう飛んでて目のまわりがうるさい。それ以外に支障はない。蚊もヤマビルもいません。

ジブリ的な苔むした一帯が拡がっていて驚いた。南アルプスの山をもっと浅くしたような雰囲気がある。

昨夜に雨が降ったようで、木々の潤いがあり、そのためか気温も抑えられている。朝日が良い角度で射してきて、なんだか神々しく、邪念のたぐいが浄化され、私達はスピった。ほらごらんなさいシャクナゲが笑っているわ。これは地球なのよ。地球がわたしたちを呼んでいるのよ。あああ"(のうをかきむしる音

なぜかシャクナゲには部分的に大きな白い玉が膨らんでおり、ぶよぶよとしていて、種ではない、虫でもない、菌類の寄生か? これは「もち病」、病原菌が中で悪さをしているっぽい。人体には影響ないがまあまあ不気味だ。

最初から急登が続くと言われていた通り、まあまあきつい。やるしかないんでがんばりますけどね。この時点では最初の小一時間の急登だけがハードルだと勘違いしている。実は稜線に出てから、弥山小屋までもう一回けっこうな登りがある。ひい

危険個所がないので気楽ではある。たのしいですね。普通にしんどいだけ。しかし序盤というのは怖いもので、体力があるからキャッキャできてしまう。後でツケを払い、しんどくなる。

あ、もち病again。

森が豊富で実に楽しい。太陽の光に、霧が掛かって、かなり神秘的な雰囲気がある。神秘的。陳腐な表現で、普段は唾棄しまくっているのだが、山の中では別だ。素直に感銘し、痺れに任せています。

ナガレヒキガエル。空気も地面も湿っているからのしのし歩いている。天敵おらんからって強気すぎる。野食ハンターか誰かが毒抜き調理して食ってたな。その気になればタンパク源になる。

やっと稜線が見えてきた。稜線が大峰山脈を取り巻いて貫いていて、それが「大峯奥駈道」と呼ばれている。行者・役小角が8世紀頃に開いたとされる修験道のルートである。千年以上経った今なお皆、登山とはいえ、好き好んでデカ荷物を背負って渡り歩いているのだから、修験道は不滅という感がある。

 

 

■7:55 奥駈道出合 ~ 8:25 弁天の森

奥駈道出合から次の登りまで約1時間、高低差のほとんどない森林トレッキングのお時間です。わあい。実際には微妙なアップダウンがあり、帰路では疲れていて僅かな傾斜もしんどく、結構ナーバスになったが、往路は元気なので勢いがあります。ましてや太陽光が最高で、霧によって光のカーテンが至る所に出現し、我々はスピった。

奇妙な形状のキノコ類、菌類だなと思ったら手袋でした。期待させやがって。

なぜか風が豊かに吹いていて、暑すぎず涼しくて助かった。盛夏が本気を出せば標高1500m程度の涼なんて秒殺のはずなんすよ。てごころをくわえてくれたわけだ。神よ。我々はスピった。

しかし良い道です。光と緑に祝福されている。生えている樹も良いが倒木がまた神秘的な雰囲気を出す。神秘的。作品を評する時そういう言葉を使ってはいけないのだが、山は無責任になれるから良いですね。

五体に重く刻み込まれた責任、特に言語的責任を放棄してゆくことになるのが、登山の真価なのではないか。薬物だとそれがもっとダイレクトかつ高速すぎて言語どころではないのだが、登山ぐらい時間と労力をかけると解除(解呪)の作業工程が見えてくる気がする。

「弁天ノ森」というスポットに着。弁財天のことだが由来は不明。ハイキング程度のなだらかな稜線おいしいです。3人はホクホクしていた。ぬるい登山は天からのご褒美である。小休止だけしてさっさと出発。

 

 

■8:25 弁天の森 ~ 9:10 理源大師像、聖宝ノ宿跡

高低差のない道は楽なのだが、普通に歩いているとかなり時間を食う、そしてなぜかコースタイムよりかなり時間が掛かってしまう。みんな飛ばすのだろう。我々は光の帯を見るや立ち止まって撮影しており、タイムアタックを無視しまくっている。そら時間かかるわ。

 

TAゲーはしんどい、自分には向いてないという話で盛り上がる。同じ「山が好き」「登山してる」クラスタ内でも、趣味や傾向が微妙に(とても)違うので、のべつまくなしに仲間を増やせるわけではないのだ。むしろ生態の近い者同士で手堅く完結してゆく。

倒木は重工業や建設現場のマシンそのもので、未来の光景がある。山は最先端に繋がっている。人類がいなくなった後も太陽光や核エネルギーで自律起動し続け、何千年もかけて風化してゆく機械たちの群れ。都市は何のために発展するのか誰も知らない。という。

ぬかるみが増えてきて、足元が浅い沼のように埋もれる。

五体で体感する光のカーテンは格別だった。

光の熱と霧や風の涼とが全身で体感でき、それらはずっと動いて揺らめき、光は刻々と強弱のうねりを見せ、時には全く光の白い帯が無くなってしまう。そしてしばらくするとまた光がカッと照り出してきて、白い光が降り注ぐ。神秘的だという感銘は、人間の手の全く及ばない領域を手放しで認め、ただただ受け止める

そんな体験は写真はおろか動画でも写らない。つまり幾ら頑張って写真を撮っても実はあまり意味はないのだが、しかし写真がないとそうした体験をしたこと自体を思い出せなくなる。記憶を握っているのは、写真だ。脳ではない。

虹になる寸前の光があり、私達は狂ったように悦び、虹の幼生だとわめいた。もう後から上がってくる登山者は少なく、最後尾のようだ。ええんや。虹の源泉を見よ。ここから私達の感情もやってきたのだ。スピを通り越して狂気が芽生える。わあい。

いやあ高天原の接近を知覚するようなゴールデンタイムでしたね。早起きしてよかった。睡眠時間が3時間あるかないかだが全然眠くないし疲れてない。全身が太陽で興奮している。

中盤以降、バイケイソウがやたら出てくる。台湾の市場のような臭いがする。日本にはない香辛料が入り交ざったような。最も近いのは台湾のゲーセンで景品で貰った紙パック飲料の、印刷の匂いだ。本来ありえないと思うが品質が粗雑なせいか、パックの印刷が独特のケミカルな臭みを放つ。バイケイソウはその匂いにそっくりだ。ちなみにこいつは全体に毒を持つ。

「理源太子像」に着。由来が書いてないが、「聖宝(しょうぼう)」という当山派(真言宗系)修験道の派を興したそうだ。どうりでボス級の存在感で座っている。

昔通った時もランドマークとして圧倒的な分かりやすさに痺れたためか、自分の地図に「立派」とメモ書きがしてあった。まあそうやな、

理源大師、目が暗黒である。メンバーが「目が真っ黒で怖い」「世界の闇を全て引き受けているのではないか」と考察を述べる。修験道とは行者が世界の闇をその身に吸い、引き受けることで世界を安定させる行いだったのか。そういうことにしました。

 

■9:15 理源大師像 ~ 10:20 弥山小屋

この先、予習が甘くて地図を見落としていた。ずっと平地を歩いて楽できると勘違いしていたが、残念ながら更に小一時間の登りがあり、300m弱も高度を上げさせられる。ヒエッ。最初の急登と同じかそれ以上やんけ。

ケルン化した切り株はよいランドマークになります。

おうおう、登らされるじゃねえか。きつ。セーブ気味に登ってきたが圧倒的に素の体力が足りない。去年の11月から何もしてなかったので当然なのである。きつ。

おクリスマスツリー。これもキャラ立ちした目印。

以降はつづら折りでジグザグ歩きを強いられる。もしかしたら直登できた方が楽なのかもしれないが、そんなことを試す余裕はない。

つづら折りは休まずに同じペースで一気に歩き続ける。しんどいな。

そして終盤、階段が現れる。もう弥山小屋は近い。と言っても30分あるが、ここはまた意識的に判断停止しながら地道に歩く。どうせすぐには着かない。山での「あともうちょっと」は15~30分は見ておかねばならない。

金属容器に刻印された掲示がちらほら出てくるが、どれもいまいち意味が分からない。「7.5中間」、「7.5合目」なのか「あと7.5分」なのかわけがわからん。陰謀か?

とりあえず木の階段が滑らなかったのだけは良かった。

つづら折り、木製階段を終えると、ようやく本当に稜線ぽいスポットに出られた。山の端が切れ落ちていて、その先が空に繋がっている。これですこれ。山といえばこれ。山と空とが繋がっている。ずっと樹林帯だからよくわからんかってんな。小休止します。汗がすごい。

雲が薄く掛かってくれているため、直射日光を免れ、帽子を付けずに行動できている。ポカリ500mlもかなり節約できている。しんどいが概ね優秀な登り方が出来ていると思いました(自己採点)

傾斜はまだまだしっかりきつい。倒木があるが大台ケ原のような壊滅的なものではない。結局はずっと樹林帯なのだった。すごい。そして、階段再び。えーめんどくさい。

ちょっと行ったらまた切れ落ちた山の端スペースがあった。こっちで荷物下ろして休んでも良い。

また謎メタルメッセージ「弥山200」、これは「あと200m」てことですかね?単位すらわからん。

 

階段を頑張りましょうね。 メンバーの顔がもう生気がなくて死相浮かびつつある。太陽光で祝福されてはしゃいでたあたりで既に体力けっこう削られてた気がする。

「あとちょっと」なのだが終わらん。しかし明らかに施設のモーター音がブーンと鳴っていて、これを登り切ったら山小屋のはずなんすよ。

あ、これはもう終わるな。頂上ぽい。

いや騙されないぞ。私は長年の騙し討ち、偽ピーク等に心を切り刻まれてきたから希望を抱かない。これはまだ、

F○CKの枝に阻まれつつ、階段を一歩一歩

はい「弥山小屋」到着。お疲れ様でした。もう疲れた。

 

 

■弥山小屋 ~10:40 弥山山頂、弥山神社(天河奥宮)

わりと大きな施設なのでびっくりしている。本当に私こんな所来たことあったか??記憶に全くない。下の写真の建物はトイレ。ちゃんと紙もあるし手洗い用にペットボトルに水を入れてくれていた。まともに用を足せるだけでも有難い。

小屋の裏側から上がってきた。正面側に回り込むと、テント泊をしている人も。やはり記憶にない。テント場は他にもあるのだろうか、4~5張りしかできなさそうだが。

(※この時私は双門コースで力尽きた時の、狼平避難小屋の記憶を弥山小屋と勘違いしており、雰囲気が違いすぎて混乱しまくっています)

 

小屋やってんすかね、泊まる必要はないけど拠点で使えたら縦走ルートが拡張できるな。

ちゃんと小屋営業していることがわかった。売店メニューだと!?酒もソフトドリンクも水1lも売ってる。14時にならないと管理人が来ない日もありそうだが、山の上で飲料補給ができるのはでかい。

 

ひるめし休憩をします。汗がどろどろ。どんだけペース抑えて登っても汗をかかないなんてことがない。そもそも汗をかかない登山者って存在するのか?涼しい顔立ちの超有名女性登山YouTuberですら汗めっちゃかいてますよと言っていた。無汗登山なんてむりやろ。しかしこの発汗なんとかしたい。ぐう。

ハエとアブが多い。そこいらじゅうにマルハナバチとホソヒラタアブがわんわん飛んでる。後にアカウシアブが出て来て、飛び回る姿があまりにキイロスズメバチに酷似していたので皆若干パニックだった。道中もキイロスズメバチがつけてくる事件があったが、案外アブだったのかもしれない。

 

飯は、家でおにぎりを多めに作って持ってきた。いつもはコッヘル煮炊きでレトルト飯だが、握り飯にしたことでコッヘル・バーナーセットは不要になり荷物から外すことができた。ザックの容量が空くのは嬉しい。何よりアルファ米は時間がかかる、15分+αも待たずに即・食べられるのは大きなメリットだ。日帰り登山なら握り飯+コンビニパン補充で十分かもしれない。だが一方で、やりがいは減少する。

 

弥山小屋から数分登ったところに弥山山頂と弥山神社がある。これを見落とすと気持ち的にクリアしたことにならないから注意しよう。入口の鳥居は小屋の近くにある。

ハネカクシかな。どいつも交尾していた。よかったですね。

弥山神社(天河奥宮)。霧によってたいへん良い感じに仕上がっており、生者の現世ではない。異界に入りました。感性が死んでいるので俳句とか何も思いつかない。

主祭神が「市寸島比売命(イチキシマヒメ)」含めて4体。聞いたことない。密教・修験道と神道の神々は別系統やんね。なんかこじつけっぽいな。御祭神は9体。習合させて「天河大弁財天、法弁財天」と称すると。あ、それで「弁天の森」があったのか。

弥山とは、宇宙の中心、万物の根源をなす須弥山の略称であり、役行者が大峯連峰に修験道場を開山、弥山において鎮護国家の神を祈ったところ天降る天女を辨財天と感得せられ山頂に祀り、これが日本辨財天の初めとされ弥山大神と崇められた。

宇宙の中心でしたね。だいたいそういう感じであってる。疲れてると往復がめんどくさい。気力で。私は宇宙を見たんやぞ。

 

 

■10:53 弥山小屋 ~ 11:35 八経ヶ岳・山頂

八経ヶ岳はこの先、往復1時間の距離にある。道は明確で迷うことはない。しばらくはぬるいトレッキング道、苔とバイケイソウ群を見ながらまったり癒されていくんだ。

倒木が美しいのだが、気になることがあって、頂上から帰ってくる人たちの顔が死んでいる。やばいぞこのルート、アップダウンが激しいぞ。

帰路まあまあほんとに激しくて疲れた。

これから頂上に行くというのに、なんでしっかり下らされているんでしょうか。やばいぞ後でこれ全部登り返しさせられるんや。もうやめてやあ。※登らされました。つかれた。

一部、道が崩落気味で、仮設ルートを通る。

修験道の修行ルートなのだろうか。随所にお札?がある。

八経ヶ岳は国指定天然記念物「オオヤマレンゲ」生育地となっているが、鹿が食い荒らすので保全ゾーンとしてがっちりと柵で囲まれている。一応全国に分布しているものの、奈良県(大峰山系)は鹿の食害によって絶滅寸前に追い込まれている。

レンゲというから足元の草を注視していたが、モクレン科の樹木に咲く花だということを下山後に知った。全然ちゃうやん。なので写真もない。鹿は木も食い荒らすのか。そんなやつらは積極的に撃って食ってやるしかない。

普段ならなんてことのない道だが、一度まあまあ体力使ってると、地味にしんどい。私は欲張ってザックに水とか重りを仕込んでて、まあその、トレーニングになるかなと思いまして、しんどい。全部鹿が悪い。食おう。

八経ヶ岳に登頂。1915mもある。近畿で最高峰なのだ。特に感懐はない。もう山を15年やってるから感情が死んでいるのだ。ついでに視界もあんまりない。ガスで真っ白、位置関係が不明。

トビケラ? 調べるとシリアゲムシだった。生態がよく分からないが腐肉食らしい。高山では天気が曇ってくると昆虫類は岩に張り付いたりして動きを止める。

枯れ木に苔が食い込んで繁殖してるのが野性味があります。

 

■11:50 八経ヶ岳山頂 ~ 12:17 弥山小屋

山頂に滞在してても別にいいことないんで下ります。

この時点ではオオヤマレンゲを田んぼに生えるレンゲの近縁種と思ってるため、足元の細かい草をチェックしています。

どれやー。これはあやしい(全部間違い

植物との戯れも終わり、弥山小屋直下の登り返しが始まり、一同はげんなりします。いやこれきついんやけど。暑いわけでもないのに汗が噴き出てくる。不快でならない。汗とは何なのか。

3人とも顔が死んでる。この程度の山で、、、1か月後に白山行くんですけどね、どうなるんですかね、

 

■13:00 下山開始 ~  15:45 登山口

小屋で荷物を下ろして小休止。握り飯の残りを食べるなどして、下山の準備。なんだかんだで昼を回ってる。コースタイム3時間で下りられるから余裕のはず。いうて4時間弱掛かりましたね。

この鉄の階段こわいよ。登ってる時は判断停止してるせいか、人体の構造のせいか、下る時になって初めて斜面のきつさを実感する。けっこうやぞおい。けっこうや。そして四肢のリーチとか足全体の使い方、体重の乗せ方、体幹など、個人の体格差がもろに出るのも下山である。重力は人間の本当の個性、個体差を露呈させ、内面以上の差異が引き擦り出される。わあい。

気まぐれで晴れてきた。周囲の山の様子が分かる。分かったところで、延々と山に囲まれた、逃げ場のない世界なのだが。こんなもんルート外れて迷ったら誰にも見つけてもらえない。

階段が長いですわ。木がまだ劣化してなくて靴が滑らない。よかった。

これ読める人います??? さすがに発狂しすぎでは。

よくこんな地味でめんどくさい斜面を登ってきたなあと思う。当然、下りるのは楽なように見えて、体力はどんどん使ってます。もつれたり滑って転びそうになった時にやっと自覚するんよな。

13:40、「理源大師像」。40分で下りてきたのでほぼコースタイム通り。ここからしばらくはアップダウンなしの平地だ。楽になるかなと期待したがよく考えたら平らなところを歩かされる方が時間かかるし体力も使う気がする。気がしたところで逃げ場はないんです。

あー青空と緑。これは夏っぽい。夏が来ましたよ皆さん。祝福です。暑い。

陽射しが来ると暑い。夏は嬉しいのだが汗がだめだ。

往路で私達の足を地味にハメてくれた沼地みたいな泥地帯も、かなり乾いていたものの、一番デカいところはまだ沼沼していた。

下りのはずが微妙に登りの傾斜がついている。岩もクリアしないといけない。少しでも傾斜がつくと歩調がものすごく遅くなる。体力の減り方がやばい。あるいはあんまり残ってない。足さばきが悪い。半年何もしてなかったからや。こんな調子で1か月後の白山に耐えられるのか?また登頂できない気がしてきた(※2022年夏、山荘で泊まっただけで下山)。ぐう。

この場所に立ったとき、正解のルートって皆さんわかりますかね。

惰性で真っ直ぐ歩いてれば結果的には正解なんだけれども、よく見ると全部ルートに見える。人間が往来している道に見える。低山の怖いやつです。

これも。真ん前だけでなく左右も歩けてしまうので、絶対のルートがなく、どこをどう歩いても良いように思えてしまう。

判断がいい加減になる × 何かの拍子で正解のルートを逸れすぎてしまった場合、けっこうリカバー困難になるのでは。

 

ルートの見つけ方は、鉄則として赤・ピンクのテープを辿ること。

Web上では「林業関係者をはじめ色んな人が勝手に付けてるから要注意」と注意喚起がなされているが、もっと基本的な次元では、判断に迷う場所における決定打として、まずピンクテープを探さなければならない。足元だけ見て勝手に判断して突き進む方が遥かに危ない。どこでも歩けてしまうので。

あ。ナガレヒキガエル。

夏の憧憬を発見。夏が来ましたよ。儚い夏が。いかないで。

14:37、奥駈道出合。コースタイムから+20分弱。

(´・_・`) どうやってみんなそんな飛ばしてんすか。おかしいな休憩も最小限にしてるのに。

確かに時計見ながら「あと10~15分かな」と思ってからがえらい長かった。自分がどのぐらい遅いのかに道中で気付くのは難しい。気付いたところでスピード上げようがないんですけども。

登山口からの急登をおりていく。最も厄介な部分です。なんか木の根っこに躓いてこけそうになったんやけど。

岩が生えてて木の根が絡まり合ってる。体力さえあれば楽しいアスレチック。足に力が入らなくなってると単に危ない。あぶないよ。段差でかいし。全身を使っておりましょうね。横着して片足だけで落ちるように下りると、木の根で滑ってそのまま持っていかれて横転。

どこが最も安定的に足を乗せられ、かつスピードを殺さずそのまま下れるかを見つけ出し、体を狙い通りに正確に動かし、体重を移動させるゲーム(むずい

しかしこれはまごうことなきゲームだ。

傾きと歪さの中で、体重を運んでいく、重力系ゲーム。

木の根っこで着地した足をスルーッてスライドされて超あぶないんですけど!??!?? おい港区女子、おまえらの足元もたいがい危ういが、私の足元はそれ以上に危うい、ちくしょう。足が木の根の輪っかに引っ掛かって超あぶない。本当に危なかった。おい大久保公園女子おまえら。畜生。お前らは木の根っこを凝視したことがない。する必要もなかったんだ。畜生。まあどうでもいいんですが

これ降りてくるのに苦労しました。一枚の岩です。立派でしたよ。そういうことしてるから体力がなくなる。

あっ陰謀論。5G電波から防御しながらご神体のパワーストーンを崇め奉っているに違いない。

どう足おきましょうかね。ザックは8㎏ぐらいと思うがカメラ首から下げてて10㎏あり、細かい足の操作がむずい。

根っこと石で足元の安定がむずい。この程度で躓いているのが人生終わり感がある。

弥山の序盤ってこんなに傾斜あってアスレチックな道だったっけ???記憶が全然ないんですけど???登りと下りで印象が激しく違う。登る方が単純作業で楽なのかもしれない。下りは重力ゲーで、常に判断をし続けています。

ボルトが打ってあって、もしかしたらかつては木の階段があったのかもしれない。ボルトだけが残っているのが、下りでは見辛くて非常に怖い。

ああこれ木の階段の残骸やな。整備するのはいいけどメンテし続けないと逆に厄介になるという。

ロープがあるから「横に逸れたら道迷い」だと分かる。無かったら逸れて行ってしまう人もいますよ。ありがたい。

トレーニングにはたいへん良い山であることは疑う余地もない。全身運動。往路で余裕ぶっこきまくってたのは何だったのか。

しかし徐々に滝・川の音が聴こえてくる。あー、長かった山行もいよいよ終わりか。朝3時に起きてから、もう終了か。時の流れが速すぎる。

15:45、下山。

トレーニングになりました。ありがとうございました。

こんなんでへろへろになっていたら白山とかまた詰むんじゃないですかね???

しらんしらん。

 

 

■その後

駐車場の脇に、川の水を引き込んだ靴洗い場があり、どろを落とせる。

へんな沼地に足をとられてドロドロになったからな。

 

帰り道は例の車1台分の細道を戻るわけだが、通行量が多い。川遊びの人達の引き上げ時間と重なったのだ。そうか盛夏はみんな川迫川に下りてキャッキャして涼をとるのか。「みたらい渓谷」もあるしな。

www.vill.tenkawa.nara.jp

当然ながら手前、町に近い方になればなるほど川遊び客は多くて、単純に車を停める場所がないからだろう、川から上がってくるファミリーや学生くらいの若い衆が多くて、いっぱいおるなあと眺めていたが、みんなキラキラしている、若くて、幼くて、楽しそうで… 木の根っこに足をとられて転んで顔面を打ちつけそうになったりはしない、汗でドロドロになった体でウシアブを追い掛け回したりはしない…そういう断絶を見たんだ。私は何処に来てしまったのだろうか。私が望んで行ったのではなく、私は呼ばれたんだ。

陽が傾いてゆく中に、川から上がってきたファミリーやパーティーが歩いている。駐車場まで少し離れているからみんな遊具を手に歩いて戻るのだ。なぜかとても眩しく見えた。魔物に取りつかれていない背中だったからだ。軽くて、ピュアだった。傾いた太陽に照らされた町が、眩しい。

 

はい風呂

yamatoji.nara-kankou.or.jp

「天の川温泉センター」(てんのかわと読むので、あまのがわで検索してても車のナビが出してくれない)、700円で日帰り入浴民を受け容れてくれるのはありがたい。

 

…が、思惑が全員かぶってて、川遊びファミリー勢もまたセンターに集まっていたのだ。

おるわおるわ、子供、子供、子供。

風呂が室内と露天の2つで、露天は小さい。シャワーも10台未満。4~5家族が使うともういっぱいですわ。あーあー。

 

男子風呂はまだマシなほうで、女子風呂はもっとカオス、とにかくシャワーも風呂もドライヤーも家族単位で占拠されて、使い物にならなかったらしい。一人ずつ順番に使うのではなく、家族単位で、どんどん呼んで子供らに使わせるから、並んでても意味がなかったと。挙句の果てには結構大きな男児まで女子風呂に来ていて、キツかったと。

 

(´・_・`) 川遊びスポット、行楽期の日帰り入浴は厄介ですね。

たぶんこんな盛況、今だけで、9月以降は登山客ぐらいしかいないと思うけど。

 

ばんめしを食わないとだめだ、家に帰って作って食うとか無理という声があがり、しかし天川村に無茶言われても天川村ですから、てんかわさんに無茶いわないで!

そうして困っていたら、北へ30分ほど走った大淀町下渕に「多羅福村」という定食系のお店を発見。高速に乗る手前の立地。ええやん。

tabelog.com

あ~~救われた~~( ◜◡゜)っ

ボリューム満点。これはすごいぞ、白めしにカツに蕎麦にサラダに…

 

( ◜◡゜)っ 完。